ろうにん!
かんっっっっっっっっっぺきに悪趣味で書いたものです。受験を控えている方は読まないほうがいいかもです。
一月第二金曜日午後五時。
「よおし、それじゃあ明日は頑張ってこいな!」
サスペンダー着用のどっしりとした巨漢の講師が叫んだのを合図に、教室中の生徒たちは一斉に立ち上がった。
各々が帰り支度をし始め、鉛筆の音だけの閑散とした空間は一瞬にして騒がしくなる。「明日頑張ろうね」「うわー、緊張する」「お前なら大丈夫だよー」と互いに励まし合う生徒たちの言葉が飛び交う中で、僕は教室の一角で愕然としていた。
「ななひゃく、よんじゅう、はち…………?」
国語一一四。数学一八七。英語一八一。物理八五。化学八八。倫理九三。
何回足しても、何回答案と解答を見比べても、結果は変わらなかった。実はどっきりで、どこかでこっちの様子を見てにやけている奴でもいるんじゃないのか、とふと思って見渡すもそんな奴はもちろんいない。
再び答案に視線を落とす。習慣で、僕は採点するときには正解しているものには丸をつけずに、誤っているものだけにバツを入れることにしていた。
そしていつもなら白と黒、時折赤という色彩を帯びるはずの答案は、今日ばかりは見事なまでに赤く染まっていた。
まるで銃撃された兵士みたいな有様だ。
なんなんだよ、七四八点って……。医学部志望の僕にとっては七八〇が最悪のボーダーだぞ。なのに……。
倫理は順調だ。数学と物化も得意科目のため八十台はやや不満が残るが、まぁ良い。英語は苦手だからこれぐらいなら十分許せる。
しかし、だ。
なんだこの、こ・く・ご。
危うく「ふざけるなよ!」と叫びそうなところをぎりぎりで押しとどめる。次いで込み上げてくる突発破壊破戒衝動を抑えるため深呼吸を行う。
吸ってー吐いてー吸ってー吐いてーを繰り返し、冷静さを取り戻して再び国語の答案に目を向ける。
迷わず破いてた。
「……っ! ……っ! ……っ!」
細かく! 細かく! 細かく!
悪霊にでも憑りつかれたかのように忘我の境を越え、にっくき用紙を力の有らん限りに引き裂いていく。
我に返った頃には、もはや消しゴムの屑と大差ない姿と成り果てていた。
「はぁ……」
自然と溜め息が漏れる。同時にどっと疲労感に似た失望感が襲ってきた。
表現しがたい恐怖すらも湧き上がり、僕は思わず頭を抱え席に座る。
教室はいつの間にか無人となっていた。現状を知っているはずの講師や友人たちは、どうやらそっとしておくことを選んだようで、早々に立ち去っていた。
次の講義はないため新たに入ってくる人もいないのは分かるが、自習する人もいないのはやはり明日が本番だからなのだろう。
おかげで思う存分鬱状態に突入出来る。
「………………死にてぇ」
本心からの言葉だった。
去年の雪辱を果たすために今日まで頑張ってきたのに、結果がこれだ。
確かに血反吐を吐くほどはやってないかも知れない。それでも自分なりのペース、目安を計算し、計画通りに努力して、実際昨日までは順当に進んでいたのだ。
な・の・に、だ。
評論三四。小説二四。古文三一。漢文二二。
もう訳が分からなかった。
古文に関してはここ最近間違っても一ミス程度だったのに。評論は悪くても四十は切らなかったのに。
まして小説と漢文なんて自己ワースト記録を更新してやがる。
思わず机を蹴飛ばした。
派手に鳴り響いた音はきっと隣の休憩室まで聞こえただろうが、自重することなど不可能だった。理性などあってないような状態である。
机の上にあった他の解答用紙が床に散らばっていくのを、僕は呆然と眺めていた。
舞い散るその光景がまるで僕の未来を暗示しているみたいだと思った。
ふと視線を感じた。
振り向いてみると、心配顔をした先程の講師がこちらの様子を遠目で伺っていた。図体は大きいのにそんな可愛らしい顔も出来るんだな気持ち悪い、という悪態が自然と浮かんだがもちろん口には出さなかった。
「………………」
なんだかいたたまれない気分になり、僕はおもむろに帰る準備に取り掛かる。何食わぬ顔で机を戻し、散らばった解答用紙を拾っては鞄の中に突っ込む。
無残な紙片と化した国語の解答用紙ぐらいは、申し訳なかったが片づけをお願いすることにした。そのまま僕は教室の外へと足を向ける。
「さよなら」
努めて素っ気ない調子で、講師の脇を通る際にそう一声かけた。
「あまり気にするなよ」そんな声が聞こえた気がしたが、空耳か、仮にそうじゃなくても土台無理に決まっている。
** * * *
結局まっすぐ家に帰ることはしなかった。
塾を出た直後は苛立ち、焦り、不安の様々な負の感情が代わる代わる襲ってきてショート寸前だった僕の頭も、道中ですっかりクールダウンしてしまった。
冷静になって考えた末、どうせ今から家に帰って勉強しても絶望するだけだと判断し、とりあえず近所の喫茶店に足を運ぶことにした。
喫茶店は家から歩いて一五分ぐらいのところに立地している。規模はかなり小さいものだが、この夏ぐらいに改装工事が終了したおかげで、古びた雰囲気は一掃されて新築さながらの綺麗な店に変貌した。
秋の終わりまでは好奇心からやって来た客で賑わっていたが、今ではその熱もすっかり冷めてしまい、閑古鳥が鳴くほどでもないが、店は静かな空間に包まれている。実に良い。
僕は浪人になってからは、午後に授業がない日はここで勉強することを習慣にしていた。だが六月に始まった改装工事を堺に、自然と足は遠のいていった。ここを訪れるのは夏以来である。
ガラス製の冷たいドアをくぐる。
「いらっしゃいませ」という店員の言葉を聞き流し、僕は店内を一望する。木造の特性からか、店の中は暗くなった外とは対照的に昼みたいに明るかった。
やんわりと光る照明は温かく、寒空の下を歩いていた人にとっては救いの光だった。
客はまばらだった。
それゆえ、ゆったりとした調子のクラシックが控えめに流れるだけの心地良い環境が形成されている。乱れた心を癒すにはちょうどいい静けさだった。
隅の方に都合よく空席を見つける。
店員も案内しようとしないことからきっと自由席なのだろう、と見定め、僕はこれみよがしにその一席を陣取った。
全面ガラス張りの壁と常夏を思わせる観葉植物を背中にして、店員を呼んではブラックコーヒーを注文する。
届く前に気休めに国語のプリントを取り出してみる。やはり読む気は起こらなかった。戻す。
椅子にもたれて、意味もなく天井へと視線を這わせる。なかなかに高い天井にはシーリングファンが取り付けられていて、ゆったりと回転していた。中がやや暑いからか、実に滑稽に見えた。
無意識に金属の羽を目で追いかける。くるくるくるくる……。
不意に先程の失敗が頭をよぎる。けれどもやけに落ち着いているためか、まるで遠い世界にいる自分を見ているようだった。
採点を終え、愕然とする数十分前の僕。意味不明な憤りに駆られ、未来に対する不安に怯え、次いでは絶望に茫然自失する。
ザマアない。本番は確かにまだだが、今までの努力が全部水の泡になったかのような虚脱感を覚える。
ゲームを封じた。ネットを封じた。携帯も漫画も制限した。
なのにこの有り様だ。
先に待ち構えているであろう失敗に恐怖する僕。その周りをたくさんの人影が取り囲んでいた。赤黒い口が嘲笑する。その影たちに紛れて僕も嘲笑った。
負け犬な僕を。無様な僕を。惨めな僕を。駄目な僕を。救えない僕を。
ただひたすらに、心の底から、声高らかに、嗤ってやった―――――――。
「おまたせしました」
一瞬で我に返った。
テーブルに視線を戻すとブラックコーヒーが置かれていた。黒に染まったその液面からは正反対の白い湯気がゆらゆら立っている。
固有の香りが鼻腔に届く。でも、注文しておきながら飲みたいとは思えなかった。
今の壮絶に沈んでいる気持ちでは飲み物もきっと喉を通らないだろう。試しに一口含んでみる。飲み下すのは容易ではなかった。
家に帰らなかったのはどうやら正解だったみたいだ。この時間には用意されている夕食を前にして、何食わぬ顔でいることは到底出来ない。
「ふう……」
一息つく。
また自分は今までに何をやってきたのだろうか、などと自問自答を繰り広げるかと思ったが、そうでもなかった。
幸か不幸か、コーヒーを飲むという苦行が、不安定だった精神状態が持ち直すことに繋がったようだ。
まだ口内に残る苦味は、不思議と嫌な感じはしない。むしろ自我を保たせるという点で感謝すべきかもしれない。
「…………そうだ、まだ終わってない」
自分自身に言い聞かせるように呟く。
そうさ。本番は明日だ。
今日いかに悪い点数を取ったところで明日が良ければ結果オーライなのだ。逆に今日良くて有頂天になっても、明日しくじれば無意味である。だからまだわからない。
そう考えると、自分の中で何かが吹っ切れた気がした。
くよくよ悩むな。前を向いて歩く。
受験生にはその精神こそが最も大事なのである。これが基礎中の基礎。
努力は決して人を裏切らない。最後に笑うのは、最後まで諦めずに頑張った者なのだ。
月並みの文句を反芻する。今更感漂うそんな典型的な言葉も、今の自分を支える大黒柱のように感じられた。
胸に詰まっていた錘が落ちていく気がした。
今なら行ける。今なら演習しても、いつも通りの点を取れる自信がある。
自分をさらに勢いづけるために、よしよしと小さく気合を入れる。
恐れることなんてない。そもそも何を恐れる必要がある。
僕は出来る。今までの成績だって圧倒的に出来た比率の方が高いじゃないか。
だから大丈夫だ。明日は成功する。絶対に、絶対に――――。
「あれ?」
間の抜けた声が僕に向けられたものだということは直感でわかった。
顔を向ける。
見知った顔が、そこにはいた。
「あっ、やっぱり! 超久しぶりじゃん!」
ぼさぼさの金髪に高身長な青年。がたい体格に、いかにも遊び人オーラを出している顔つきは完全に僕の脳内に滞在する人物とマッチングした。
彼は高校の同級生のひとりだった。
そして、見たくない顔だった。
「元気してたか? いや、マジ久しぶり!」
馴れ馴れしく声をかけ、断りもせず同じテーブルにそいつは座った。
「一年ぶりぐらいだっけ?」
対面のそいつが尋ねてきた。
「それぐらいだな」
「去年の三月以来か」
「ああ」
「いやあ、会いたかったぜ。まあ、お互い忙しかったから仕方ないけどな!」
「…………っ!」
その嫌味に僕は思わず歯噛みする。
そのことに気づかずに脳天気にかっかっかっと笑うそいつの顔は、僕の目には醜悪の権化にしか映らなかった。
先程僕の注文を聞いた店員がやって来る。奴は、メニューをしばし睨んだあとサンドイッチと烏龍茶を頼んだ。
僕の席で飯まで食う気なのか、こいつ。
「いやあ、今日帰省したばっかなんだけど親がいなくてさ。自炊もしてないから飯がないんだよ」
「……そうか」
果てしなくどうでもいい話だ。そのまま餓死すればいいのに。
「相変わらず素っ気ないよな、お前。メルアド変えたこと教えてくれもしなかったしよ」
「…………そうか?」
「そうだよ。寂しかったんだぜ?」
「気持ち悪いこと言うな」
「ひどいな」
傷心からか、僕に対する呆れからか、大げさに溜息をつく。それから奴はおもむろに携帯を出してはこちらに向け、「んじゃ交換しようぜ」といけしゃあしゃあにほざいてきた。
不躾極まりないが、ここで断ってもどうせしつこくすがってくる気がしたので渋々承諾する。赤外線通信してやると、そいつは気色悪いぐらいに上機嫌になった。
公害以外の何ものでもない醜い笑顔を見せつけながら、携帯を意気揚々と操作していたところで注文した品が届く。
がっつく姿もやっぱり気持ち悪かった。
奴とは高校二年に同じクラスになった。
社交的で活力に溢れる奴は、あまり人付き合いを好まない僕に対して唐突に関わってくるようになった。
けれども寡黙で淡々としているのが僕の性格だ。はじめは正反対の性格のせいで話すのも億劫だった。関わってくる度に、いつも遠回しで避けるようにしていた。
けど奴は諦めなかった。一度その理由を聞いてみたが、『ボッチでいるところがなんか気になった』と言いやがった。
失礼極まりない。人と交わることが得意じゃないだけで別に孤独というわけではない。
でも結局、そいつとの縁は高校三年の終わりまで続いた。自分自身では感じたこともないが、周りの人からは仲睦まじ過ぎて羨ましいとまで言われた。やめてくれ、と本気で思った。
まあ、しかし……。実際、当時は僕もそんなに奴のことは苦手というだけで、嫌いとまではいかなかった。
実際、高校三年の時は、また同じクラスになれたということもあって、互いに受験勉強をすることも多かった。
スポーツは万能であれど勉強はほぼ出来ない奴に一方的に教えるだけだったが、それでも何だかんだで楽しく過ごせていた気がする。気のせいかもしれないが。
交流していっていろいろ分かってきたが、奴はかなりの無計画な気分屋だった。
高校三年の七月にもなって、未だに大学も決めていなかった。進学校で名の通っているこの高校に入ってきたのも仲の良い友人が目指していたからだという。その友人ついてはそれ以上の情報は得られなかったけど。
そんな奴で『俺、お前と同じところ目指すわー』と脈絡もなくそう宣言したときには目が飛び出るかと思った。
僕は、志望校がかなりの難関大のしかも医学部ということをすぐに伝えた。すると奴は呑気にも『医者もいいなー。医学部なら勉強しないといけないな』とぼやいた。頭が痛くなった。
一月になった。驚愕した。
中堅大もやっとだと言われていた奴の学力は、僕の志望校をなんとか狙えるまでのラインまで到達していたのだ。
天才の類か。羨ましい限りだ。
だが、正直合格するかどうかは微妙なところだった。というより合格する方が確率はまだ低いだろう。
比べて僕は有望株だった。自分で言うのもなんだが、成績優秀者の一人であった僕は、それこそ落ちるほうがおかしいとまで評価されていた。
だから確かに不安ではあったけれども、自信の方が勝っていた。少なくとも奴をフォローする程度には余裕があった。同じ大学を狙うライバルだということも忘れて、素直にいっしょに合格すればいいとさえ思った。
センターの日が来た。なにもかもが順調だと思っていた。
いちがつだいさんにちようび。
そこでぼくはあしきりされたことをしった。
「………………」
奴は合格した。噂で聞くとセンターは足切り点すれすれ。二次試験もぎりぎりだったらしい。
くたばってしまえと心底願った。
「いやー、あれから一年かー。順調なのか?」
「…………まあ」
昨日まではな。
「そっか。いや安心したよ」
「………………」
「しかしあれだな。浪人ってどんな感じだった?」
「………………あ?」
耳を疑った。こいつは今、何を思ってそんなことを口走っているのだ?
「いやな。俺が帰省したのってちょっと浪人している従兄弟を励ますことも目的の一つなんだよ。だからあらかじめ心境を知っておいたほうがいいかなと思ってよ」
「………………」
それを僕に聞くのか、こいつは。今の不安定な状態をさらに揺さぶろうトイウノカ、コイツハ?
「…………まあ、不安定に決まってる。どっかのお気楽な大学生様とは違ってな」
意図せずに悪態をついてしまった。仕方あるまい。
けれども、どうやら奴には少し癪に触ってしまったらしい。ムッとした顔つきになって言い返してきた。
「お気楽なんてもんじゃねえよ、大学生だって」
「……」
「気を抜くと留年するからな。ぶっちゃけ浪人の方がまだ楽だと思うぐらいだぞ」
「………………」
「サークルとかバイトは忙しいしよ。確かに充実はしていると思うけどな」
「………………」
「でも彼女はまだ出来ないんだよなー。いろいろあって作りたくても作れねえし。まあ、たぶん今は時間もないだろうから来年度までは無理かな」
「………………」
「そんなわけで大学生も時間はないわけ。そりゃ、今の段階でスランプ入ってたりしたらきついかもしれないし、そんなことあったら足切りくらうかもしれないけどな」
「………………」
「だからさ。さっさと受かっちまえよ。余裕だろ? 現役の時は俺よりも遥かに学力上だったんだからさ。」
イイタイコトハソレダケカ?
「ん? なにする――って、あっっっっつ!?」
気づいたらコーヒーを奴の顔面にぶちまけていた。罪悪感は湧かなかった。
「おまっ、洒落にならんぞ!?」
コーヒー塗れの服を見下ろし、奴が怒鳴りたてる。
普段なら迫力で威圧されるところだが、無感動に聞き流した。
「支払いしとけ」
「は?」
「じゃあ」
「ちょっ、待てよ!」
手元にあった布巾で奴が服を拭いている間に僕は席を立ち、素早く外へと出る。
店内の空気は凍りつき、やけに視線を浴びていた気もしたが、どうでもよかった。
今、自分が何をしたのかもうろ覚えだった。
「…………………………………………」
ああ、地球滅びないかな……。
試験当日。
体調は最悪だった。
寝不足。疲労感。吐き気。頭痛。腹痛。
緊張と恐怖と不安に苛まれた僕の精神状態は、もう自暴自棄となっていた。
親は昨晩からずっと心配していた。
でも、それすらも煩わしくてどうしようもなかった。
朝飯は抜き、義務事項のように試験会場へ到達する。
入り口付近でたむろしていた制服着た集団が目障りで仕方がなかった。
「やばい。なんか怖くなってきた」「マジで? オレはめっちゃ落ち着いてるぜ」「いいなー」「ちょっと九〇〇点満点取る勢いで行くわー」「ハハハ! 無理に決まってるじゃん」「なんだとー。嘗めんなよー?」
ピーピーギャーギャー。
「………」
上履きに履き替え、指定された教室へと向かう。
途中何気なく携帯を開いてみた。
親からの励ましメールと…………奴からのメールが一件。
『試験始まる前に少し話したい。電話くれ』
「………」
削除。着信拒否。メルアド変更。
一連の行動を機械的にこなす。無感動に、行う。
「…………」
自分の席にたどり着いても、状態は変わらなかった。
昨日までの努力。これから行われること。それをこなしたら何をするか。これからの計画はどうなっているか。全てうまくいったときどうなるか。その逆の結末はどんなものなのか。
何もかもが、他人事のように思えた――――――――。
気づいたら二日目の試験も終わっていた。
国語一一五点。数学一八五点。英語一八〇点。物理八〇点。化学七五点。倫理八八点。計七二三点。
こうして僕の一年は幕を閉じた。