第6話:選ばれし破片たち
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◆Scene 1:異常進化するフィギア
コードアリーナ各地で、かつてない現象が報告されていた。
> —フィギアが、戦闘中に“進化”する。
—それも、プレイヤーの意思とは無関係に。
そして、進化したフィギアの中には、《スティーラー事件》で奪われた「欠片」を宿していたものがあった。
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吹雪零と雷凰ゼロは、旧アリーナ跡地で異常反応を追っていた。
ゼロ:「この気配……間違いない。“俺の記憶”が、呼んでる」
零:「行こう。過去を取り戻すために」
その先に待っていたのは、一体の“欠片宿しフィギア”。
異様な赤黒い光を放つ、かつてゼロが使っていた機体《雷凰・焔改》。
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◆Scene 2:暴走する記憶体
焔改は、ゼロを“敵”として認識していた。
焔改《コード反応:裏切者。抹消開始》
リンクすると同時に、ゼロの脳裏に断片的な記憶が流れ込む。
> ——炎に包まれる戦場。
——命令に逆らい、仲間を庇ってリンク遮断された自分。
——「裏切者」と呼ばれ、消された過去。
ゼロ:「ああ……思い出した……お前は、俺の“もうひとつの選択”だった……」
焔改の攻撃が迫る。だが、ゼロはリンクを拒否する。
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◆Scene 3:選ばれる覚悟
零:「ゼロ! リンクしないと……!」
ゼロ:「いや……今度は、俺が“選ぶ”。過去に否定されても、今の俺は、俺だ」
ゼロは再起動コードを自ら打ち込み、焔改との“対話”を試みる。
ゼロ:「記憶は武器じゃない。痛みだって、俺の一部だ。お前を否定しない」
静かにリンクする。黒いコードが介入しようとした瞬間——
金の稲妻が走り、黒コードをかき消す。
焔改の瞳が揺れ、言葉を漏らす。
> 「……ゼロ……お前、なのか……?」
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◆Scene 4:リンクの再構築
記憶の断片が焔改とゼロを繋ぎ直す。
ゼロのリンクバンドが新たな形に再構成される。
《リンクアップデート:雷凰・焔ゼロ》
> 『失われた記憶片が統合されました』
フィギアWORLDは、それを「進化」と記録する。
零:「記憶が、選ばれし欠片なら……それを拾うのは私たち自身」
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◆Scene 5:Dの影、再び
戦闘の終わりに、空間にざわめきが走る。
——黒いコードが、再び現れる。
その中から、“別のリンク者”が現れる。
だがその顔は……
零:「……嵐堂……カイ?」
> 『識別コード一致:嵐堂カイ(破損)/状態:“侵食済”』
Dの声が響く。
> 「一人ずつ、お前の周囲を“解放”していく。
お前に残された時間は、もう少ない」
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▶次回予告:「歪む記録者たち」
嵐堂カイの意識は、誰の手によって書き換えられたのか。
そして、レコーダー《X-000》が語る、もう一つの真実。
——「記録」は、常に正しいとは限らない。