第5話「リンク者殺し(コードキラー)」
◆Scene 1:消えたリンク者たち
最近、各地の《コードアリーナ》で異変が相次いでいた。
—リンク者が消える。
—リンクバンドが破壊される。
—そして、“フィギアだけが残される”。
> 『現場には、いずれも黒い痕跡と“逆再生された音声”が残されている』
『リンク解除ログ:強制遮断コードによる暴走と推定』
吹雪零と雷凰ゼロは、嵐堂カイの手引きで情報網にアクセスする。
> 「奴の名は《コードキラー》。リンク者専門の狩人だ」
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◆Scene 2:無人アリーナの挑戦者
一件の奇妙な報告が届く。
“誰も登録していないアリーナに、挑戦者が現れた”
現地に急行した零たちが見たものは、血のような赤いリンクバンドを装着した男。
黒いパーカー、白髪の少年のような顔立ち——
だが、その目は、まったく感情がなかった。
> 「……お前が、吹雪零か」
> 『正体:コードネーム《D》。確認されている唯一の“リンク者殺し”』
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◆Scene 3:戦わない相手
《D》は、フィギアを使わない。
代わりに、相手のリンクを“侵食”する黒いコードを使ってくる。
> 『接触警告:Dのコードは、精神汚染を伴う。リンク率が逆流します!』
「くっ……ゼロの意識が、ノイズまみれに……!」
雷凰ゼロが膝をつく。
その間にも、Dは静かに語る。
> 「リンクは幻想だ。お前たちは、ただシステムの中で繋がれているだけ」
「コードで繋がる限り、切断もまたコードで可能だ」
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◆Scene 4:仮面の侵入者
その時、戦場に“もう一人の侵入者”が現れる。
> 「よっ、久しぶりだな……零。いや、初めまして、かな?」
仮面の男。金と黒のジャケット。コードナンバーは《X-000》。
> 『識別不能。コードクラッキング発生……!』
『自称:“記録者”』
彼は、Dの動きを妨害するように動き、零にだけ聞こえる声で告げる。
> 「リンクは幻想、というのは正しい。だが、“それでも信じたい”という君の意思——それは、記録されている」
「フィギアWORLDはもう、“物語”として動き始めてる。君自身の選択で、ね」
Dは姿を消すように退場。
だが最後に、黒いコードだけを残していく。
> 『次のリンク者を“解放”する。そのとき、お前は選べ。
フィギアを信じて死ぬか、現実に戻って壊れるか——』
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◆Scene 5:対話と覚悟
雷凰ゼロはまだ完全には復調していない。
だが、その目には光が戻っている。
> 『俺はもう、“コード”じゃない。あの黒いコードには、感情がない。
だが……俺たちには、ある』
吹雪零は静かにうなずく。
> 「ゼロ。私は、自分の信じた道を記録する。誰に否定されようと」
「そして、Dとも、向き合う。……でも次は、私たちから“選ぶ”番だ」
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▶次回予告:「選ばれし破片たち」
各地で異常進化するフィギア。
その中には、かつて《スティーラー》に奪われた“欠片”が含まれていた。
ゼロの過去が、再び揺らぐ。