第4話「コード・ファントム」
◆Scene 1:鏡の中の敵
嵐堂カイの協力で《記憶の干渉》から復帰した零は、カイと共に次なる目的地へと向かっていた。
だが、道中でまたしても空間が揺らぐ。
> 『異常空間転送反応、発生……まさか、またスティーラー!?』
だが現れたのは、
零と雷凰ゼロそっくりの存在だった。
服装、口調、戦闘スタイルまで——まるでコピー。
「……私? いや、これは……」
> 『リンク率:99%。コードネーム、《ファントム零》《ファントムゼロ》』
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◆Scene 2:偽りの絆
敵は《偽装型フィギア》、通称。
リンク者とそのフィギアを完璧に模倣し、精神と絆を揺さぶる。
> 「私たちは、お前の“可能性”。お前がもう一つ選んだ未来だ」
「雷凰ゼロが、最初から“兵器”として生きると決めた世界の姿」
雷凰ゼロが低く唸る。
> 『……その姿は、俺たちへの侮辱だ』
だが、敵の“ファントムゼロ”は言う。
> 『侮辱? いや、お前こそが弱い。感情に縛られ、記憶に依存するリンク者』
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◆Scene 3:戦闘開始・コードミラー
戦闘が始まる。だがファントムは、零とゼロの動きを“完全トレース”してくる。
> 『敵の行動予測精度:99.8%』
『攻撃も防御も、すべて同じ……!』
> 「まるで……自分と戦ってるみたいだ……!」
嵐堂カイが叫ぶ。
> 「零! 自分自身と向き合え! “真の絆”を見せてやれ!」
その言葉に零は、静かにゼロの手を取る。
> 「私は、もう“作られたフィギア”と戦ってるんじゃない。
君は、私が選んだ——“家族”だ」
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◆Scene 4:超越コード《ライオネル=コード》
その瞬間、リンクバンドに異常な数値が出る。
> 『リンク率:120%を突破! 新コード展開開始……!』
『覚醒コード:ライオネル=コード、解放』
雷凰ゼロが進化する。
蒼雷をまとう獣人型の姿。翼と尻尾、胸の刻印が輝き、“声”が深くなる。
> 『リンク者:吹雪零、再定義——我は、お前のためにある』
『覚醒形態、《獣皇・ライオネルゼロ=ブレイカー》』
ファントムの模倣では再現不能な力。
蒼雷がファントムのリンクを切断する。
> 「私たちは、“本物”じゃない……けど、絆だけは、偽れない……!」
ファントム零の表情が、悲しげに揺らぐ。
> 『終了コード・発動。《リセット=ミラー》』
敵は、自らを“記憶の虚数空間”に封印して、消えた。
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◆Scene 5:それぞれの戦いへ
戦いのあと、雷凰ゼロがぽつりと語る。
> 『お前が俺を“家族”と呼んだとき、何かが戻ってきた。
……だが、まだ足りない』
「……うん。あの事件——“あの日”、ゼロは私を守った。それは確かなんだ」
嵐堂カイが背を向け、歩き出す。
> 「お前の“絆”は確かだった。でも、次は違うぜ」
「次に出会うのは、フィギアじゃない。“リンク者殺し”だ」
零はうなずく。
> 「どんな敵でも、ゼロと一緒に戦う。私は、リンク者——吹雪零だ」
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▶次回予告:「リンク者殺し(コードキラー)」
フィギアではなく、“人間”のリンク者を襲う者が出現。
その手に握られた黒いリンクバンドは、何を意味するのか?