第3話「記憶を盗む者(メモリースティーラー)」
◆Scene 1:奇襲
転送広場での勝利から一夜。
零は雷凰ゼロと共に、近くの転送拠点に向かっていた。
だが、その道中、突然“空間が歪む”。
> 『零、後ろだ! リンク反応、複数——敵襲!』
空間の裂け目から現れたのは、黒いコートを羽織り、仮面をかぶったフィギア型生命体。
その名は——《メモリースティーラー》。
> 「リンク者、確認。記憶を——奪う」
ゼロが即座に迎撃体勢に入るが——次の瞬間、零の頭に“激痛”が走る。
> 『記憶干渉を受けている! 零、しっかりしろ!』
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◆Scene 2:ゼロの真名
零の意識が薄れていく中で、過去の断片が浮かぶ。
──幼い日の零が、誰かと一緒に雷凰ゼロを作っている。
「君の名前、どうする?」
> 『ゼ……ロじゃ、ない……。本当の名は……』
記憶が掠れ、直前で途切れる。
次に目を開けたとき、零は膝をついていた。そして、ゼロのボディから金色の紋様が消えていた。
> 『……リンク、切断。雷凰ゼロ、識別コード不明』
「な、に……?」
> 「ふふ……君の“ゼロ”は、もう“ゼロ”じゃない」
メモリースティーラーの仮面が笑う。
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◆Scene 3:失われたリンク
雷凰ゼロの挙動が鈍くなり、まるで“ただのフィギア”に戻ったかのようだった。
リンクバンドの表示は《リンク率:0%》。
零の中の“ゼロとの記憶”が、削られている。
> 『……俺は……誰だ?』
「ダメ……私が、忘れてる……ゼロの、名前を……!」
> 「記憶は力。力なき者は、消えるのみ」
スティーラーが爪状の指を伸ばす!
そのとき、別のリンクバンドの光が飛来。
蒼いブレードで爪を受け止めたのは、別のリンク者とそのフィギアだった!
> 「お前、こんなところで負ける奴じゃないだろ!」
「立て、吹雪零!」
登場したのは、《リンク者・嵐堂カイ》と、彼の相棒《風牙ストーム》。
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◆Scene 4:リンク再起動
カイの助けで零は意識を取り戻す。
> 「忘れてもいい。でも、思い出す意志だけは、絶対に捨てるな」
零は頷き、手のひらを胸に当てる。
> 「私の“ゼロ”……戻ってきて。私は、君を——絶対に、忘れない!」
リンクバンドが再び光り出す。
> 『リンク率回復——40%、60%、……90%。雷凰ゼロ、コード再構築完了!』
雷凰ゼロが再起動し、金と蒼の稲光が迸る!
「ゼロ……君の名前、思い出した!」
> 『呼んでくれ。俺の、真名を』
「君は——《ライオネル・ゼロ》!!」
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◆Scene 5:逆転と決意
リンクが復元され、ゼロ(ライオネル・ゼロ)の力が完全復活。
> 『コード・ライオネル・ゼロ、解放。雷光斬・ブレイジングルート!!』
メモリースティーラーを一閃!
敵の身体はノイズに包まれ、闇へと消えていった。
しかし、去り際、スティーラーは不気味な言葉を残す。
> 「君の記憶の底には、“あの事件”が眠っている……ふふ、また会おう」
雷凰ゼロが静かに言う。
> 『零、お前はまだ、すべてを思い出していない。……だが、前に進んだな』
零は頷き、もう一度リンクバンドを見つめた。
「私が、ゼロを忘れたくない限り——何度でも、君を思い出すよ」
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▶次回予告:「コード・ファントム」
リンク者を模倣する《偽装型フィギア》が出現。
“本物”と“偽物”の境界が曖昧になる世界で、零とゼロの絆は試される……!