事故
《登場人物》
新堂 ゆか(しんどう ゆか)
服部幸馬
母(幸馬の母)
父(幸馬の父)
ゆかは俺の親から連絡をもらい病院へと、急いでいた。
俺は、居眠り運転のトラックに後ろから突っ込まれ、事故に合い、病院へと緊急搬送され、即手術となった。
「幸馬は?幸馬は無事ですか?事故にあったって、本当に大丈夫なんですか?」
ゆかが息を切らしながら、呼吸も整うことなく、幸馬の母親に問い詰めていた。その表情は目に涙が溜ままり、今にも泣きそうだった。
「ゆかちゃん落ち着いて、まだ何もわからないの。今手術をしていて、とりあえず一緒に座りましょう。」
ゆかを落ち着かせるようなトーンで話した。
「それにどうして、こんな薄着なの?風引いちゃうわ。私のマフラーをして、今日は冷えるわ。」
何故か落ち着いていた母は、ゆかの震えた身体に手を取り、一緒に座らせた。そして自分がしていた、赤いマフラーを巻いたあげた。
「あのすみません、お代がまだなのですが…」
タクシー運転手が気まずそうに、こちらに近づいてきた。
「あぁ、すみません。お支払いします。おいくらですか?」
察した母は、すっと立ち上がり、タクシー代支払った。
ゆかは靴も履いてなく、荷物はスマホしかもってなかった。
かなり気が動転して、一刻も早く病院へ来たかったのが伺えた。
「これ履きなさい。足汚れちゃうわ。」
母はスリッパを借りてきてくれた。ゆかは自分が靴を履いてことに今気付いたように、ハッとした表情でスリッパを受け取った。
少し時間が経ち、ゆかの呼吸も整って来た頃、幸馬の父がやってきた。
「おぉ、どうだ?」
「まだ手術中なの。」
「…そうか。」
「!」
「あぁ、ゆかちゃんも来てくれたのか、ありがとうな。」
父はゆか達が座ってる、向かい側に座った。
「寒そうだな。私の上着を着なさい。」
「すみません。」
寒そうなゆか見て、さっと上着を渡した。
そして更に、30分くらい時間が経ち、先生がやってきた。
「先生!!」
母が一目散に立ち上がり、声をあげた。
「手術は成功しました。ただ…」
先生は少し躊躇った表情を見せた。
「意識が戻っておりません。」
一同唖然とした表情をした。
…
「いつ意識が戻るか、わからないのですか?」
母は気が動転するのを抑えながら、尋ねた。
「わかりません。今は彼が生きたいと思うのを、待つしかありません。」
ズザッ
ゆかが崩れ落ちた音だ。
そのまま顔に手をおおい、なんで?なんで?と、頭の中をグルグルとしていたら、過呼吸になってしまっていた。。
その様子を見たお医者さんは、袋を慌てて持ってき、背中さすりながら落ち着かせた。
一方、母は何も言葉発さず、父の胸を借り、泣いていた。
父は母を抱きしめ、一緒に泣いていた。
※こちらの作品はノンフィクションです
2018年にうるう年はありません。