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砂上の踊り子  作者: 高砂
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エピローグ



―――踊り子の血筋というものだろうか、俺は踊ることが好きだーーー。


「にぃちゃん!あんた、すげぇ綺麗だな!」


俺が踊れば、観衆から賛美の声が聞こえてくる。当たり前だ。リーフを魅了した俺の踊りに不足はない。


シェグレは観衆の声に応えるようにウインクをした。

妖艶なシェグレの深い空色の瞳は見る人を魅了し、褐色の程よく筋肉質な四肢は人々の欲望を掻き立てる。円を描くように舞えば(つや)のある黒髪がたなびき、輝くアメジストがあしらわれた黄金の装飾はシェグレが動くたびに力強い音をたてた。


黄金に輝く砂丘が有名な国に21歳のシェグレは最愛の男と二人で訪れていた。

今夜の踊りも旅費を稼ぐには十分すぎるだろう。




…大衆へ向けた舞が終わった後、リーフと二人で宿に帰り、シェグレは再び踊りを始めた。


「シエ、今日も綺麗だね。」


俺が踊れば目の前の男はいつだって眩しそうに俺を仰ぐ。当たり前だ。今日は昔みたいにリーフの為だけに踊っているのだ。お前を魅了できなきゃ、意味がない。


「なぁ、リーフ、二人で旅に出て正解だったろ?」

「僕としては、君の姿を他の人に見せるのはものすごく抵抗があるけどね。」

「そうかよ。俺は、この広い世界の中で、お前じゃなきゃ嫌だって言える自信がついたんだけどな。」

「…からかわないでよ。…好きだよ、シエ……。」

「…………………俺も。」


愛をわけた二人は、今日もそっと笑い合ったのだった____。




砂上の踊り子-完-


最後までお付き合い下さりありがとうございました。

少しでも、二人の物語が心の片隅にでも残ったら幸いです。

では、また他の作品で、ご縁があればお会い致しましょう。

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