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短編(単発・企画)

異世界ヒューマン魔法非在理論

作者: ディスマン

異世界ファンタジーにトドメを刺しかねない「俺の持論」です。


まだ放送してるかなあの番組。

中田敦彦の回とか結構好きだったんだけど・・・。

 異世界ものは多岐にわたる派生で爆発的な盛り上がりを見せている。それは未来でまた更なる斬新なジャンルが生まれない限り、盛り下がることはあっても衰退(すいたい)し消滅することはないだろう。

 私、三留伊武樹も異世界×書店の連載を書いてる身からしても分かる。


 そんな私が、小説の中で「魔法至上主義と科学知識を持つ主人公のぶつかり」を書いている時に、ふとこんな疑問、いや仮説が脳裏をよぎった。


「あれ?異世界って・・・・・・魔法存在しなくねえか?」


 何を言っているんだ、とあなたはきっと思ったことだろう。

いや絶対思ったね。

私も客観的に見て「何いってんの?」とは思います。


 しかし、考えてみてください。

 まず、魔法の定義とは何か。それは、『人間の力ではなしえない不思議なことを起こさせる術』と定義されています。辞典にもそうありますし、魔法が使える専門家が定義していない以上、これが正しいと言えるでしょう。


 おや?よーく見てください。


『人間の力ではなしえない』


 あれれ〜?おかしいぞ〜?↑

 魔法使いって人間じゃないの?もちろん人間じゃない生命体も魔法を使ったりする場面はありますが、人間が使える時点で定義と矛盾してますね。

 『人間の力ではなしえない』ということは、人間には不可能ということを指します。辞典によってはただ不思議なことをする術と表記されているものもあります。しかし、我々一般の認識と常識では魔法は人間には不可能と決まっています。ただの不思議な術として片付けられてはいません。でなければ、神話や伝説内でしか魔法が登場しない方がおかしいですよね。

 つまり、魔法は人間以外が起こし得る不思議な術であり、人間は異世界だろうとどこだろうと使えちゃダメなんですよ。それは魔法ではなく、また違う定義で形作られた魔法もどきに過ぎないのです。

 どれだけ人智(じんち)を超えた力を持っても、人種や生物学的に違う生き物になったりしません。それと同じなのです。

 ということはですよ?異世界ものもそうですが、あのハリー・◯ッターも矛盾してることになりますよね?

 まあ恐らく、そこら辺の矛盾を回避するために、魔力とかの概念は無しで、呪文や杖の振り方などメソッドに魔法を刻み込んであると思われます。この世界観では、魔法は魔法ではなく、魔術と言う論理的な手法の一つに過ぎないのです。


 でも異世界ファンタジーは、その矛盾をガン無視してます。呪文や杖の振り方を教われば誰でも使える訳ではない。魔力という不思議なエネルギーが大前提として存在するのです。人間じゃない人外が主人公なら話は別ですが、異世界転生したり転移した主人公を含めた人間族が魔法を使えること自体がおかしいのです。魔法という不思議で超常的なものではなく、理論で構築された術理の範囲内でなければならない。


 ここまで私の理論を読んだ人の中には、このような反論をする人もいるでしょう。

「世界が違うんだから定義も違うでしょ」と。

確かに!その手がありましたね。


だが、その可能性はすでに考えました。


・・・井上真偽先生すみません。

 私も途中でそう思いましたが、それは異世界転生や転移をしていない現地の人限定です。

 しかし、転生は現代の人間の魂が異世界に宿りますし、転移の場合は直に異世界に行きますよね。

 肉体が違うだけで記憶と魂は現代な訳ですから、魔法の定義に反する可能性が高いです。異世界転移なんてもっとダメですね。

 「異世界に転生した途中で記憶だけ受け継ぐ」パターンも中にはあります。しかし、それで矛盾が解消されるとすると、記憶が別世界の人間に継承されることは転生とは言えなくなりますし、魔法の核は魂ではなく肉体に宿っていることにもなります。

 仮に、魔法が使える条件が異世界産の肉体としましょう。では、異世界人が現代に転生または転移した時はどうでしたか?魔法は普通に使えましたよね。そうでない作品ももしかしたらあるかもしれませんが、大半の作品は使えるものが多いです。ここでも矛盾が生まれます。

 すると今度は、異世界にトラック転生した主人公が、現代に帰ってくるパターンが生まれます。この場合でも、大体の主人公は普通に魔法を使いますし、先ほども述べた通り異世界側の住人も魔法を普通に使っています。

 肉体も魂も変わっていないのに、今度は世界が変わっても魔法が使えてしまう。何度も言いますが、定義上現代では魔法は人間が使えてはいけません。よって、ここでも矛盾が生まれます。


 異世界転生の場合はこんな感じでしょう。では、異世界転移の場合を考えてみましょうか。このパターンでは、現代の人間がそのまま異世界という別次元や別空間に飛ばされます。すると、現代では魔法が使えなかった主人公が、急に使えるようになることが多いです。ということは、世界の違いで魔法の定義が変わり使えるようになることになります。だが、この可能性はすでに今までの反証で潰されています。異世界がどうということではなく、現代のような我々の世界線で生きている、あるいは生きていた存在である限り、どこに行こうと魔法が使えることも、ましてや魔法が魔法としてあることすら瓦解しているのです。

魔法が使える生命体だから魔法が使えるのか、魔法が使える世界だから魔法が使えるのか・・・。

どちらにしろ、今まで作者が提示してきたパラドックスに必ずぶち当たってしまうことでしょう。

 つまり、異世界転生にしろ転移にしろ、現代の魔法の定義がある限り必ずパラドックスが生まれてしまうのです。


結論、異世界に魔法は存在しない。

ご精読ありがとうございました( ͡° ͜ʖ ͡°)

なんか論文みたいになっちゃったなコレ


まぁ、狂人の戯言だと思ってくださいや。

真に受けられたら自分の小説も他作者の異世界ものにも影響が及んじゃって理論災害どころじゃなくなっちゃうんで!

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