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⑸『価値観転倒の、夜の鳥』

⑸『価値観転倒の、夜の鳥』



いつだったかの夜、夢の中で、過去に戻ったことがある。不思議な夢だった、あの時の精神も戻っていて、今でも鮮明に覚えている。こういったことは、小説にするよりも、そっと内奥にしまうのだが、確かにあの夢は、価値観転倒した時の、夢だった気がする。



無論、確実に、ではない。ただ、その価値観転倒が、夜の鳥が飛ぶのを待っていたことだけは、確かなのだ。不自然なる自然、やはり、夢というものは、本当に不可思議な現象なのである。またあの夢に帰れたなら、今度自分は、どう動くだろうか。



この世に蔓延る、様々なる現象というものは、俺にとっては、夜の鳥が飛ぶことと同義だ。どうしても、その世界へと辿り着かないのなら、普通ならば途中で諦めてしまうだろうが、俺には諦念というものは、宿敵なんだ、小説家にとっての、俺の場合は。

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