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⒃『価値観転倒の、夜の鳥』
⒃『価値観転倒の、夜の鳥』
㈠
どうかしている、どうかしちまう、どうかなってしまう、こんな悲観とともに、共生していたら、それは発狂もするだろうという、同情の果て、お前は俺に、何かを通告するかもしれない。しかし、それは当然だとも、思うのである、正しいとも思う。
㈡
言ってしまえば、俺は、悲観をも、小説にするために、生きているのだから、傍の悲観も、必要物なのである。それもこれも、価値観転倒が、起点になっていて、俺は恐らく、人生で数度、価値観転倒してきた様に思うが、それは確かに、その通りなんだ。
㈢
夜の鳥、夜の鳥、夜の鳥、何度でも叫んだ精神が、苦労の末、報われない現実で、俺を抹殺する。死刑の様なものだが、それでも、メタファとしての、小説家の死刑は、二度と小説を書くな、と言う言葉だろう。絶望の末の、絶望のメタファだ、夜の鳥よ、救抜を。