表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界武闘譚~英雄の雛の格闘冒険録~  作者: 瀧原リュウ
第一章 異世界転移・獣人殲滅戦線
5/189

#4 レルの魔導書とスキルお試し

「は〜!まさかに()()のことが分かる人がいたなんて!」

「ま、まぁあんまり詳しい方じゃないけどな・・・。」


 約一時間長々と話してすっかり満足したレリルドは、こちらに対しても問いを投げかけてきた。


「でもなんで君は銃の存在を知っているんだい?てっきり僕しか知らないものだと思っていたんだけど・・・?」

「ああ・・・実はな・・・・」


 俺はレリルドにも己の事の発端を話した。この世界とは違う異世界から転移してきたこと、体術スキルだけを与えられ、魔法は一切使えないこと、アルデンへの愚痴などetc・・・・・。


「じゃあ君・・・タクはこの銃がある世界で生活してきて見慣れていたけど、この世界に銃があるなんて思わなかったから、僕のベレッタを見て心底驚いた・・・ということかな?」

「いや見慣れてはいないぞ?なんせ俺の世界じゃ剣や銃を持ってるだけで犯罪者だからな。」


 細かく言えばモデルガンとか殺傷能力の無いものは大丈夫だが、質問攻めにされる未来が見えているのでここではあえて言わないことにしよう。うん、そうしよう。


「それよりも、なんでレリルドは俺の世界の銃のことなんか知ってるんだ?・・・俺と同じ世界から来た奴がいた・・とかか・・・?」

「いや、僕の出会った異世界の人は君が初めてだよ。今までに異世界からやってきた人間の事例なんて無かったからね。でも、ごく稀に異世界の物がこの世界のどこかに流れてくることはあるんだ。」

「そして、レルが拾ったのが、その銃ってやつのことが記されている魔導書なんだ。厳密に言えば魔力が一切篭っていないから魔導書とは言えないんだが。」


 レリルドの魔導書とやらの事はダリフが説明してくれた。が、本人もよく分かっていないらしく、こう言っちゃなんだが、全く当てにならなかった。とうとう説明を諦めたダリフが、「まぁ現物を見るのが一番早いだろ!」という事で、レリルドは訓練所の近くにあるという彼の家に取りに帰らされていた。


 十分もしないうちに戻ってきて、その現物とやらを見せていただいた。


「これは・・・・・。」


 『世界の銃の仕組み全図』


 それがその魔導書、もとい俺の世界の本の題名であった。ページの面積はアニメ情報の月刊誌並に広く、広辞苑並の分厚さがあった。


「いやこんなの誰が書いたんだよ!!!!!」


 と思わず突っ込んでしまうような大きさだった。そして、本の内容にはとてつもない冷や汗をかいた。これでもかというほどの銃の種類の数々、それぞれの説明や特徴。更には細かな設計図までもが載っていた。確実に世に出回ってはいないだろうが、全てがとてつもないクオリティだった。一体誰がこんな物を作ったのだろう。恐怖が一周回って尊敬に変わってきてしまった・・・ってん?


「そういえば、これが読めるってことはレルって日本語分かるんだな?ってか今更だけどこの世界って全部日本語で通じるのか?」

「ニホン語…っていうのはなんだい?この世界は一部を除いて共通語のアルデラ語っていう言語だけど?」

「街の看板とかもアルデラ語だったけど気付かなかったわけじゃないわよね?」


 看板が日本語じゃない?しかし確かに日本語で書いてあったはずだ。日本語と少しの英語以外ろくに読めない自分が言うのだから間違いない。


「その本に書いてあるよくわかんねー文字がそのニホンゴってやつなのか?」


 はい?ドント ノウ ジャパニーズ?


「え?でもみんな今日本語で喋ってるじゃないか?」

「「「え?」」」

「・・・・・え?」


 はい?アイ スピーク アルデラゴ?


 まとめるとこうだ。

 その一、この世界に日本語は無い。

 その二、三人からすると俺の喋っている言葉はそのアルデラ語らしい(あえて由来は聞かない)。

 その三、レリルドだけは()()()日本語の『世界の銃の仕組み全図』を読む事ができる。おそらくなんらかのスキルなんだろうが、自分のもそうなのだろうか?


 とりあえず言語問題は一旦保留にしておいて、レリルドに魔神討伐への参加を快く了承してもらい(この世界の人間は少々判断が軽過ぎて困る)、これからの予定を組んで、三日後の予定だった模擬戦だったが、レルが早い方がいいとすぐ出発する気満々なので明日の昼前にテストを開始して、その次の日にこの街を出る事になったのでそれまではしばらく解散ということになった。


 とりあえず、まず始めに俺が向かったのは街から少し離れた草原。自分が異世界転移した際に降り立った場所だ。ここならどれだけ暴れても街に被害は無いだろう。多分。


 そういえば、最序盤で現れたステータスウィンドウってどうやって開くんだろう?なんか漫画とかだと当たり前のようにパーっと出してるイメージだ。ちなみに全く関係ないが俺はアニメよりも漫画派である。もっと言えばデジタルよりも紙媒体派である。


 結局とりあえずでろーでろーって感じで念じてみたら現れたのでまぁ結果オーライというやつである。


 現在持っているスキルは、『身体能力強化』、『自己回復』。共にレベルマックス。あとは無限スタミナに・・・『神の第六感』とかいう謎スキル。こういうものは能力の詳細とかが見れるものだと思っていたが、この世界では見れないらしい。習うより慣れろ。ということで早速それぞれのスキルを試してみることにした。


 まずは身体能力強化。これは以前一度試したが、やはり凄まじい。試しに地面を全力でぶん殴ってみたら、半径十メートルくらいの大地が砕け散り、自分を中心とするクレーターが出来上がる。これは対人戦では加減したほうが良さそうだ。パワーの出力をコントロールできるようにしておこう。


 続いて無限スタミナ。もう発動時最高。どれだけ走っても飛んでもそこら辺のスライム三時間ぶん回し続けてもまったく疲れない。元の世界に帰っても欲しい能力ナンバーワンかも知れない。時間を止める能力とか透明になれる能力を除けば。


 自分でも真顔で何思ってんだってツッコみたくなってしまったが、切り替えて次だ次。


 と思っていたのだが、ここでスキルを試すのを終了せざるを得なかった。理由は簡単。自己再生は怪我をしていない今、能力を確かめる事はできないし、自分で自分を痛めつける趣味も無い。神の第六感の方は、「臨戦態勢以外での使用は出来ません。」とかいう表示が出てきた。(使えない場面ではこういったウィンドウがちゃんと表示が出るっぽいが、この『神の第六感』とかいうスキルが特殊なだけで普通は出ないと思う。)おそらく実戦以外では使えないという事だろう。


 だが『自己回復』については昨日の戦いで負傷した際に一つ分かったことがある。


 このスキルは怪我等をした際に自動的に発動し、早く回復しろと念じれば回復スピードが速くなる。もしも相手が間髪入れずに攻撃してきても、自身の回復をイメージすれば瞬間ダメージ量を減らすことができるわけだ。


「『神の第六感』に関しては、今後の戦いで期待って感じかな・・・」


 そんなこんなで一通りスキル内容を把握した俺は、とりあえず明日に備えて休みながら持ち前の妄想・・・・・想像力を活かしてイメトレすることにした。


レルとタク。二人のとあるスキルが合わさった時、神にも匹敵する能力となるのだが、それはまた別のお話。


いいね、ブックマーク、評価、感想等、お待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ