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異世界武闘譚~英雄の雛の格闘冒険録~  作者: 瀧原リュウ
第二章 エボルブ・ブルード
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#28 翌日と冒険者登録

最近嬉しいことに少しずつ見てくださっている方が増えているので、今までやってこなかった毎日投稿に挑戦しているのですがいかがでしょうか?

私生活の都合上投稿できない日も出てくると思いますが楽しみながら書いておりますので良い所、悪い所ありましたら感想等で教えていただけると幸いです。

もしよろしければ評価等もよろしくお願いいたします!

 その後城で一泊した俺たちは、モラウス首相に装備を整えるための資金を貰い、ライルブームの中心地に繰り出そうとしていた。

 今回は俺とアリヤ、そしてレルの三人。ダリフは俺たちが()()()()口を滑らせてしまったせいでいろいろとばれてしまい、罰として俺たちが旅立つまでの三日間、近衛騎士団で指南を行わされているので同行できずにいたのだった。


「・・城の生活・・・すげぇわ・・・・・」

「うん・・あんなの今までで初めてだよ・・・」

「凄い・・一晩で肌がここまでツヤツヤに・・・!」


 あの後はずっと城の中で過ごしていたのだが、食べたこともないような夕食、煌びやかな浴槽、この世のふかふかを集結させたのではないかと思えるほどのベッド。どれももちろん今までに体験したことがない、あるわけがない極上の空間を味わい、違うベクトルで満身創痍となっていた。

 流石のアリヤとレルも城に泊まるのは初めてだったようで、珍しく三人同時に驚愕している。


「それにしても、まさかケーキが食べられる日が来るとは思わなかったよ・・・」

「あんなものがこの世にあったなんて・・・まだまだ世界は広いわね・・・」

「おいおい・・まだアリンテルドすら出てねーんだぞ・・・」


 二人が一番はしゃいでいたのは、食後にケーキが出てきた時だった。

 この世界では砂糖は供給があまりないらしく、普段ならお目にかかることすらできないのだそうだ。

 これまでに数えきれないほどには甘味を口にしてきたこちらとしては、少々共感しずらい部分もあるが、砂糖が無いということは、それだけ料理の品目や味に影響が出ているということで、万が一帰ることができなかった場合は、協力者でも募って、砂糖の量産に挑戦してみるのもいいかもしれない。


 そんな少々長すぎるケーキの余韻に浸りながら道のりを進み、とうとう目的の場所へたどり着いた。


「さぁタク。着いたよ。ここが冒険者御用達の何でもそろう場所、ラザール通りだよ。」

「うぉおおっ・・凄いな・・・」


 目の前に広がるのはどこまで続いているのか分からない幅広の道。その両端には様々な店が立ち並ぶ。まだ入り口だというのに、とんでもないほどの人の数である。

 全員様々な装備を身に着けているので、おそらくここにいる人たちのほとんどは冒険者なのだろう。


「ここの通りは有名だからね。Aランク以上の人たちも来たりするんだ。」

「Aランク?」

「全世界共通で、冒険者にはSからGまで強さのランクがあって、実力に伴ってランクは上がっていくの。その人の功績も評価されるけど、基本的には身体能力だったり、使用武具の腕前だったり、あとは貯めることのできる魔力量なんかが評価されるの。まぁ冒険者じゃなくても、自分のランクはどのくらいか調べられるし、特権ってわけでもないけどね。」

「ふーん。で、アリヤのランクってどのくらいなんだ?」

「私はCランクね。レルも同じよ。」

「お前らでCか・・・もちろんダリフさんは・・・」

「うん。Sだよ。」

「やっぱりなぁ・・・」


 あの強さでSでなかったら、一体誰がそのようなものになれるというのだ。正直逆にあれ以上を見てみたい気もするが、ろくな目に合わなさそうなのでやめておこう。


「でも簡単に言ってるけど、Sランクっていうのはとんでもない事なのよ?世界に十人もいないそうだし、Sランクになるためには、最低でも一人で三つの国と同時に戦争ができるほどの力が必要っていう噂もあるの。」

「もうその人たちで魔神倒してくんねぇかな・・・?」


 アリヤの話を詳しく聞く限り、ダリフ以外にもあのレベルの実力者が少なからず存在していることが分かった。

 そして、SランクとAランクの間には、想像もできない程の差が存在し、Aランクだけでもその国でもトップレベルの人間しかなれないそうだ。その中で、俺のランクはいったいどのくらいなのだろう。


「アリヤ。そのランクってのはどこで調べられるんだ?」

「そうね・・・このあたりなら・・アリンテルドの冒険者協会かしら?」

「うん、そうだね。そうだ!タクもこの機に冒険者登録してみたらどうだい?冒険者ならではの特権なんかもあるし?」

「俺が冒険者か・・・」


 健全なオタクとしては何ともいい響きだ。実際これから冒険するようなものなのだし、前向きに考えてみてもいいかもしれない。


「で、レル。その特権ってのは?」

「そうだね・・・装備品やポーションなんかを買うときに冒険者割引が利いたりとか、武器のメンテナンスのサービスを受けられたりとかかな?」

「ほうほう・・・行ってみる価値はあるかもな。」

「どうする?協会は丁度この近くにあるし、装備を揃える前にちょっと行ってみる?」


 と、いうわけで、少し歩いてアリンテルド冒険者協会へと足を運んだ。


 大きな建物の中にはアニメでよく見るような冒険者がたくさんおり、談笑する者、クエストの作戦を話し合っている者、クエストボードを眺める者など様々。二百人以上はいるだろうか。

 目的は自分のランクがどれくらいなのかを知ることだったが、こんなに活気あふれている光景を目にするとこちらとしても興味がわいてくる。

 せっかくの異世界なのだし、何事もチャレンジだ。そんな気持ちで俺も冒険者登録を行うことにした。

 カウンターに向かうと、受付の女性が対応を行ってくれた。


「冒険者登録ですね。今は他に受付をされている方がいないので、今すぐ手続きができますが、いかがなさいましょう?」

「はい。お願いします。」

「かしこまりました。それでは奥の部屋へどうぞ。レリルドさんとアリヤさんはロビーでお待ちください。」

「「分かりました。」」


 その後、奥の部屋に通された俺は、簡単な書類の手続きを終え、そこから


 身体能力測定

 学校でよくある種目をいくつか行う。スキル使用可能。

「ふっ・・ふっ!!」

「と・・とんでもないですね・・・」

 魔力測定

「な、なんじゃと!?魔力炉自体を持たぬ人間がおるとは・・・」

「や、やっぱそうなりますよね・・・」

 テストバトル

「ハァッ!!」

「こ、降参だ・・・」

「び、Bランクのドールトンさんが一瞬で・・・!?」


 そんなこんなで約二時間ほどで全ての手続きとテストが終了し、無事に冒険者カードを発行してもらって二人の元へと戻った。


「お帰りタク。で、どうだったの?」

「あぁ。Bランクだってさ。なんか実力はAランククラスらしいんだけど、魔力がないのがちょっと問題なんだってさ。」

「そうなんだ。でもいきなりBなんてなかなかいないし、むしろ誇るべきだよ!」


 そんな会話をしていると、こちらへ先ほどの受付が寄ってくる。


「そういえば、アリヤ・ノバルファーマさんにレリルド・シーバレードさん。お二人は数日前の獣人発生時の迎撃に大きく貢献したことが認められたので、お二人ともCランクからBランクに昇格です!おめでとうございます!」

「え!?嘘!?やったぁ!」

「僕たちもタクと同じだね!」」

「あぁ!なんかテンション上がるな!」


 こうして、思わぬ寄り道で、新たにBランク冒険者の仲間入りを果たした三人は、当初の予定通り装備を揃えるため、ラザール通りへと戻った。

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