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NOISE  作者: SELUM
Book 1 – 第1巻
62/69

Op.1-48 – Bento Time (1st movement)

穏やかな昼休み。3人は親しげに昼食を摂り始める。

 鶴見高校の授業時間は50分、休み時間は10分となっており、9時から1時間目が開始され、4時間目の授業終了後 (12時50分) から昼休み時間が50分間設けられ、生徒たちはこの時間に昼食を摂って午後の授業に向けて身体を休める。

 13時40分から15分間の掃除時間をこなした後に5分間のインターバルを置いて14時から5時間目の授業が開始される。

 

 昼休み時間になると自分の席に着いたまま静かに昼食を摂り始める生徒や席を移動して (中には教室から移動する生徒も見られる) 友人たちと食事を共にする生徒、学食へと向かう生徒、購買部でパンや軽食を買い求めに行く生徒など様々である。


 また、明里のように学級委員や学校行事に応じて企画・運営を行う委員会 (文化祭実行委員、正確には『鶴見祭実行委員』など) を務める生徒は時々、昼休み時間に委員会が開かれ、各々弁当箱を持ってそれぞれの会議室へと移動し、昼食を摂りながら話し合いに参加する。


 光と明里も例外ではなく、席を移動して共に昼食を摂る。移動と言っても明里が光の席へと向かうだけで、光は自分の席から離れない。光は基本的に1人で行動することを苦にしないタイプで明かりがいなければずっと1人で昼食を摂っていたことは間違いない。

 

 高校に入学してから2年連続で光は明里と同じクラスであるため、明里に委員会がある時以外は1人になることは無かったものの、中学時代には1人であることが多かった。

 また、光に興味のある女子生徒たちと食べることがあったにしても、自分の席から動かないことで食べる相手がよく替わっていた。


「光ちゃん、お弁当小さくない?」


 光の弁当箱を見て沙耶が尋ねる。


「あんまりいっぱい食べれなくて」

「いや、私や沙耶のも多くないよ」


 光の言葉に対して明里は光の弁当箱が小さいということを強調する。


 光の弁当箱は2つあり、1つは細長い楕円型の箱、もう1つは円形の更に小さい弁当箱である。前者の箱にはメインのおかずが入っており、後者の箱には野菜や果物が入っている。


 光が楕円型の弁当箱の蓋を開けると、今日の光の弁当のメニューは鶏そぼろ丼。光は鶏そぼろ丼が大好物でそれを知っている明里は光の顔がほころぶのに気付く。


「光ちゃん、鶏そぼろご飯好きと?」


 光の顔が嬉しそうに変化したのを沙耶もまた気付いており、思わず聞いてしまう。

 

 光は分かりやすく表情に出てしまったといった感じで一瞬、「しまった」という表情を浮かべて少し顔を赤くしながら答える。


「うん」


 そう短く答えた後に、箸入れから水色基調の箸を取り出して弁当箱の中身に目を向ける。


 鶏そぼろ丼は綺麗に3色に分けられ、左から鶏そぼろ、スクランブルエッグ、ほうれん草と鮮やかである。鶏そぼろの上には花の形に飾り切りされた人参が2つ添えられて見た目にワンポイントの工夫がこしらえられている。

 

 光は鶏そぼろ丼に手を付ける前にもう1つの小さな弁当箱を開ける。その中には2つに分けられたゆで卵にキャベツと2つのプチトマトをそれぞれ半分に切ったもの、キュウリが入ったサラダが用意されている。


「いただきます」


 光は小さく呟くと箸で鶏そぼろが乗ったご飯を口へと運んだ。



お読み頂きありがとうございます!

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