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ドラゴンクラン 幼龍編  作者: 木苺
     ドラゴンクラン新部会
99/112

一時帰郷とボロンの育児観

(4/8)


※序盤 ボロンが 長文で育児観をるる述べ立てていますが

 ミューズ同様 あっさり流してくださってかまいません。


 あくまでも ボロン君が 育児に一過言ある男だったというだけのことなので・・・

 

大ちゃんをクランメンバーとして迎えたことにより、

地上への帰還をどのような形にするか、ボロン達は話し合った。


「持ってきた食料は人族2人の想定で1か月分だったから 早めに補充に戻らなくてはだめだ」ボロン


「僕は 寒いの苦手だから ここで食っちゃ寝しててもいいよ。

 たっぷり冒険したから ちょっと休憩したいな」ゴン


というわけで、とりあえずボロンとミューズが地上にもどって食料を補充することにした。


念のため、コンラッッドがボロンを連れて城の中庭に転移したあと

コンラッドと入れ替わりにミューズが転移することになった。

「ぼくは 人を連れての転移に慣れていないから。」ミューズ


・・

コンラッドと入れ替わりに 中庭に現れたミューズが言った。

「コンラッドはあいかわらず 警戒心が強いというか

 ゴンに対して過保護というか・・

 ボロンもコンラッドも ゴンと物理的に離れることを極端に嫌がるよね」


「だって まだ生後1歳なんだぞ!」

力説するボロンに、やれやれという顔で

「もうすぐ 2歳だよね。^^

 お父さーん♡ 過保護なお父さんがふたーり」とふざけるミューズ


「赤ん坊も幼児も 目を離したらだめなの!

 常に気配をとらえておく必要があるの!

 いつも最悪の事態を予測して予防線をはったうえで 伸び伸び子育てする必要があるの!

 伸び伸び子育ては 繊細な気遣いと万端の準備があってこそ はじめて成りたつの!


 だから伸び伸び子育てには、メインになって子供のとの間に基本的信頼感関係とか母子の愛着関係とかってのを形成する役割の人と、

母親役の人の体力的消耗を防ぐために育児労働負担の軽減をする人と

子供の安全確保のために気配りする人という役割分担のできる複数の人が必要なの!

 だって 母親役の人一人で24時間気を張り詰めているわけにはいかないから。


 基本的信頼関係形成を担う人がいわゆる母親役で、授乳とかふれあいの主担者で、この役割の人は代替え不可。

2番目と3番目の役割の人は複数の人が基本的要件を心得たうえで交代で当たることも可能。


 最近はやりの 父親の育児参加とか言って、毎日24時間その子の(そば)にいるわけではない父親が

 自分にとって都合のつく時間だけ 赤ん坊や幼児さんにべたべたしたり かまったり、

 自分の満足感だけのために子供をむやみに甘やかして悦に入って

 子供の世話に関する労働負担を妻他に押し付けるなどして、

 その結果 新生児や幼児が「常に頼れる」と思える決まった人が定まらなくなる状態では

 絶対にまともな子は育たない。


 新生児にとっては「一人の人」との絆だけが唯一無二なんだから。


3歳までは アタッチメント形成の主担者は、授乳と継続的に安定して世話ができる人一人(ひとり)に絞って、

それは 母親もしくは母親役の人が担うことが重要。


父親その他は主担者を支えるサブに徹する覚悟が必要。

しつけとはアタッチメントの形成なしには成り立たないのだから。


そして規範の順守と柔軟な思考力というのは、

一人の人と安定的関係においてしっかりとアタッチメントが形成されると同時に 

その子の理解力発達に合わせた人数、最初は両親次に3・4人の家族と言った複数の人に囲まれた暖かい雰囲気の中でこどもが育つことによってはぐくまれるんだ。


赤ん坊の(そば)に過度に緊張している人・情緒不安定な人・冷たい人を置いてはいけない。


赤ん坊は、周囲を感覚的にとらえる能力を持っていても、

周囲の存在と自分との関係を結び付けて認識していく力は、体験を通してゼロから学んでいくのだから、

まず最初の一人とのアタッチメントの形成(絶対的信頼感の獲得)→次の人 ほかの人 と順番に自分との関係づけていくことになるの。

 この自分との関係づけというのは、自分の周囲にいる人とのかかわりによって学習するの。


それがうまくできないと、好きな人と十分に触れ合えなかったという飢餓感・喪失感だけが先に蓄積されたり、

生存に必要なモノは獲得できた・それ以外は認知不能(謎)だから気にしても仕方のない存在と

周囲の人を認識してしまったり

あるいは 周囲の人とのかかわりに 不安や恐れを抱いた状態で

3歳以後の集団参加期を迎えることになる。


そっからあとは、公教育を受けた本人の努力と根性で、その子が立派な社会人になることはできるけど、

乳幼児期~学童期に身近にいた人との関係に恵まれなかった子は、恵まれている子に比べて、

多大な重荷を背負わされて孤軍奮闘させられることになるよ。


 そして 本人の努力と根性で立派な社会人になっても、

人生のあちこちで 本人さんが不意打ちのように人間関係で思わぬ苦労する羽目になってしまう。

 そういうのって損だなって本人が気づけば ますますその人の精神的な負担が増すという理不尽さ!


そんないらん重荷まで幼子おさなごに背負わせたくないよ。


それでなくても人生には不慮の事故とか不運な回り合わせとかで 余分な苦労を背負って育つ子が出てくるのに。

 もちろんその人達のことをあれこれいう気は全くないけど。その人たちにも幸せをと願って入るけど。


親になったら 全力で子供を不運から遠ざけたい(将来余計な苦労をさせたくない)と思うのが人情だろ!」

 長文を順々と語ったボロン。


「はいはい もしも僕は親になることがあれば そのように心がけます。


 それにしても 君のマッピング技術は精度が高いねぇ。

 僕もコンラッドも大助かりだよ」ミューズ


「というか 僕の能力や知識がこんな形で活用されるとは思わなかったよ。


 コンラッドが効率的な転移ルートを確定したり

 君とコンラッドの間で 念話ルートをつなぐのに

 僕のマッピング能力やドワーフの測量法が必要だったなんて驚いた。


 僕が居なくても 君たちが二人いれば なんでもできると思ってた。


 でも 君たち二人の間でルートが確定できると、

 転移だけでなく 物の輸送まで ここと地底との間でスムーズにできるようになるとかすごいね。

 あらためてビックリ!」ボロン


「3人寄れば文殊の知恵っていうじゃないか。

 僕だって 僕たち3人が力を合わせると

 『できること』がこんなに広がったって感動してるんだから!」ミューズ


二人はちょっとだけ 面映おもはゆそうに顔を見合わせ、

二人して城の中へ向かった。


・・


「ただいまぁ」

二人は 中庭側にある通用口のカギを開けて城に入った。


「城のカギを外から開けるのって初めてだね」ボロン


「そうだね。ここに来てから いつも だれかお帰りって迎えてくれる人がいたからなぁ」ミューズ


二人は 顔をみあわせ、互いに「おかえり」「お帰り」と言い合った。


それからミューズとボロンは仕事にとりかかった。



・まず 城の3階で休眠していた家畜を家畜小屋に転移させてから起こした。


ルートが確定して、地底から 地上にいる仲間の行動をモニターできるようになったコンラッドは

ミューズの単独魔法をそっと見守った。


(やれやれ やっとミューズの魔法力も安定したようだ)

家畜たちの転移と覚醒が無事に終わったのを見てコンラッドは思った。



・地底では ボロン個人の調理道具を大ちゃんに貸していた。

 それらは ボロンが地上に戻るにあたって返してもらったので

 変わりの調理道具を 地下に持っていくために早速そろえた。


 ちなみに ノームは 自分一人のために料理をするのも面倒なので

 ゴン達と一緒に長寝をするらしい。


 というわけで ノームが起きたときに食べられるように食料や作り置き料理の用意も必要だ。


「ねえ 今度は地下へ2か月分の食糧をもっていけばいいのか?」ボロン


「たぶん そうじゃない?」ミューズ


「ダーさんを連れて行って卵を産んでもらうってのはどうだろう?」ボロン


「ダーさんとコンラッドに聞いてみるよ」

ミューズは早速コンラッドに念話を送った。


「2か月分の干し草を持ってこれて、ダーさんの運動範囲が限られるのでもよければな。

 たしか ダーさんは鳥目だぞ」コンラッド


「いや 幼い時から薄明りでの活動になれさせれば、人間なみに夜間行動はできる」ボロン


ミューズとコンラッドは驚いた。

「それって ランプの明かりで移動できるってこと?」ミューズ


「ああ 昼夜兼行で走るために 夜間走行可能なダーさんを育てることがあるんだ」ボロン


というわけで ダーさん達と話し合い、

 メリーさんの娘  :メリッコ と

 メモリーさんの息子:モリオ を洞窟に連れていくことになった。


「私たちだって バカじゃありません。

 息子たちが食肉にされないためには 特性強化する必要性があることくらい知ってます」メモリー


「幸運に恵まれて、メリッコとモリオが地底で長生きして

 私の息子のメリオが メモリーさんの娘のモリッコとここで長生きできることを祈ってますわ」メリー


「私は夜目が利きますから、メリッコとモリオの世話係として地底に行きましょう。

 そして 私の無精卵を毎日召し上がってくださってかまいませんわ。

 その代わり 将来 私に娘や息子ができたら 食べないでくださいね」タマゴさん


(あーあ うっかり話しかけて意思疎通できるようになっちゃった)

ミューズ


(うわー ダーさん肉が食えなくなっちゃったじゃないかぁ~)ボロン


(わしも 地底ボケしたようだ。

 ダーさんの若鳥の肉はうまいのに。愉しみにしておったのに)コンラッド

補足:ボロンの育児観について


育児の話題というのは 誰にとっても思い入れのある領域となりやすいので

適度にスルーをお願いします。(滝汗)m(__)m )


    ボロン :育児に熱い思い入れのある男

    ミューズ:つい最近まで「親」という存在に憧憬を抱いていた人

    


  ボロンとミューズの育児に関する話題は 伏線として回収されます

 

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