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ドラゴンクラン 幼龍編  作者: 木苺
     セカンドワールド
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穴居生活

(3/9)

ボロンたち4人は 水場のある洞窟に移動した。


「最初はここで 一休みしたらどうかと思ったのだがの。」コンラッド


「ゴースト達に覗かれるのは落ち着かないね」ミューズ


「あの人達の感知範囲はどれくらいなんだろう?」ボロン


「わからん。

 あの 三角とやらは 姿を消して様子をうかがうこともできそうだな」コンラッド


「のぞき・盗聴 嫌だねぇ」ゴン


「とりあえず 夕ご飯と皿洗いは済ませようよ」

ミューズの提案に一同はしたがった。


「ここは 水と湯が出て かまどらしきものもある。

 まさに台所だね」ボロン


「昔は ノーム達が住んでいたからなぁ。

 あいつら どこに行ったのだろう」

コンラッドは 部屋の隅を クンクン嗅ぎまわったり、壁を叩いてまわった。


ボロンとミューズは焼肉・ごはん・お味噌汁を、コンラッドとゴンは がっつりと肉とミルクの夕食を食べ始めた。


すると ごとりと音がして 部屋の隅に作りつけられていた棚の下からノームが出てきた。


「わしを食事に招待してくれないか?」ノーム


「やあ 元気だったか?」コンラッド


「ずいぶんと久しぶりだなぁ フェンリルよ」ノーム


「知り合い?」ゴン


「この洞窟を作ったノーム一族の最後の一人だ。

 ほかのものたちは 皆 旅だったよ」ノームが一礼した。


「招待するか?」コンラッドは仲間3人に問うた。


「僕たちに敵対しない 害しない 不利益をもたらさないと約束するか?」ボロン


「約束する。われらノームは フェンリルとドラゴンの友である。」


ミューズは黙ってコンラッドに向かってうなづいた。

それを見て ゴンもうなづいた。


「一緒に夕食を食べるか?」コンラッドがノームを誘った。


「喜んでいただこう。匂いに誘われて出てきたんだもの」ノーム


「んん うまい! 何千年ぶりの食事だろう」


「これまでのことを聞かせてくれんか?」コンラッド


「お前さんが去ったあとも しばらくは 変わりなかった。


 しかし やがて 龍もわしらも 徐々に歳をとり 数が減っていった。


 そして ドッカン ある日激しい振動があり、あのゴーストどもが現れた。


 あいつらは 暗闇の中を自由に動き回る。


 それがうっとうしくて 中央ホールの壁を磨き上げて光らせた。

 それだけでなく わしらが使う通路や洞窟にも常時明かりをつけたままにした。

 一時は あちこちうろついておったが わしが最後に見たときは、あのくらい部屋の中だけに固まっておった。

 

 わしがこのあたり一帯に住むノームの最後の一人になった時 わしは そこの棚の奥で眠ることに決めたのよ。


 さきほど お前さんの気配で目が覚めて、いい匂いがしたので出てきた」


「しかし ゴーストどもは 自分たちが来たとき この洞窟には誰もいなかったといったぞ」コンラッド


「ふむ わしらも やつらと遭遇せぬよう 細心の注意を払っていたからな。

 しかし まったく見られなかったともいえないのではないか?」ノーム


「ということは ゴースト達が嘘をついている可能性もありか」ミューズ


「しかし なぜ数が減った?」コンラッド


「食料が減り 子作りをやめて 自然減だ」ノーム


「なぜ 食料が減ったのだ?」


「光石がつけっぱなしだと 不眠になる

 光石の数を減らすと 植物が育たない エサ不足で動物も育たない 食料危機だ」


「毎日つけたり消したりすればいいではないか?」コンラッド


「めんどうだ 光石の数が多すぎた。

 それに 龍は時々休眠する。 わしらだけでは手が届かん」ノーム


「なるほどな」コンラッド


「わしらノームは 食えるものは何でも食った。

 だから わしが眠りについたとき、あのゴーストども以外の生き物は このあたりにまったくいなかったと断言できる。

 わしは 掟に従って 保存用の種だけ身に着けて眠ったのだ。


 なんとなくだが あのゴーストどもは 大食いのような気がする

 暗闇で襲われれば食われそうな気がする」ノーム


「そうか

 ゴーストといえども 食事はするのか」コンラッド


ゴースト達の気配を探り続けていたミューズが伝言メモを念写してきた。

『ゴーストは念話盗聴ができる・魔素を食いつくす。

 光で体が溶けると別の存在に変異するから 闇の洞窟ごと封印して眠らせ続けたほうがいい』


ゴンの頭の中から?マークがあふれ出てきた。


コンラッドは 闇の洞窟の入り口に特殊膜を張り付けるとともに

ゴースト達を特殊膜でくるんでそのまま闇の洞窟の中に置いた。

「これで あやつらは 1万年くらい穏やかに眠り続けるだろう

 特殊膜は魔素もゴースト成分も音も通さぬ素材だ」


「つまり僕たちは自由に話せるということ?」ボロン


「そうだ」


「念のために あの洞窟もふさごうよ」ボロン


「それはどうかな?

 入口をあえてふさがず長年過ごしていたということは 光の近くにいることを好むということではないかな?」コンラッド


「真っ暗闇の中で 光を求めて暴れられたり抜け出そうと頑張られるとめんどうだね」ミューズ


ということで とりあえず ゴースト達には このままお休みいただくことに、、、

ならなかった。


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