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ドラゴンクラン 幼龍編  作者: 木苺
     初夏
70/112

開花

(8/9)

浮揚の花3

夜明け前に、人族4人は花籠の中に戻った。


浮揚の花は 夜が明けるとともに 花開く。


花が完全に開ききる前に それぞれの花の雄蕊おしべを 半分だけ挟みで切り取って集める


どうして半分だけかと言えば 残りのおしべで受粉させるためである。


「浮揚の花はレアものだからね、絶滅しないように ちゃんと結実させないとだめだよ」とはスカイ&ミューズの弁


朝日がさしてくると 花粉の詰まったやくがはじけて花粉が飛び出してくるので

燭光で薄明るい短時間に できるだけ多くの雄蕊を集めなければいけない。


そのために 前日 ミューズが 開花予定のつぼみの根元にリボンをまいて印をつけていたのだ。


目印のおかげで 浮揚の花を見たことのなかった清明やボロンも手際よく 開き始めるつぼみのそばで待機して おしべを集めることができた。


ちなみに フェンリルとドラゴンは ジャングルの外で待機である。


・・・

最初の朝日がさす前に、4人は撤収した。


そして ジャングルのきわの野営地で一息入れて、

午後は 再び ミューズとスカイは明日の朝開花するであろうつぼみに目印をつけに行った。


ついでに、花籠のきわに生えている樹木の側面についている花粉も回収してきた。


翌朝 未明 再び 浮揚の雄蕊を集め、

テントで 全員の体・持ち物についた花粉を完全に回収してから

城にもどった。


花粉は 浮遊の術に使う貴重な魔法薬のもとであるとともに

動物にとってはアレルギーの元なので、完全回収が重要なのである。


「植物だけでなく 動物とて 身体が浮き上がったら空中で思うように動けず最後は餓死するぞ。

 だからこそ 強烈なアレルギー即時反応で 体が危険を知らせてくれるのだ」コンラッド


・・

城に戻ったスカイは 3週間ほど自分の研究室にこもって、ミューズ用・コンラッド用のスカイボードと浮橋を完成させた。


スカイが製作にあたっている間、ゴンは自立したドラゴンになるための手ほどきをコンラッドから受けていた。


清明は、乗馬やダーさんの騎乗をボロンから教えてもらった。

 「今まで ずっと徒歩か馬車でしたからねぇ。

  騎乗を習うせっかくの機会を逃す手はありませんや」


ミューズは 「花咲爺さん」の歌を歌いながら 荒地の散歩を始めた。

どうやら 荒地を ゴンのためのえさ場として動物たちが繁殖できるだけの牧場に変える気らしい。


「しかし 花咲じいさんの歌って ♬大判小判がざくざく♬じゃなかったっけ?」ボロン


「あいつは いつまでたっても 浅慮というか おっちょこちょいというか・・・

 元が荒地だ。金がでようとガラクタが出ようと わしは知らん!」コンラッド


「幸いにも スカイが あいつの竪琴を取り上げたから さほどの威力はでるまい。

 しかし あいつには♬開いた 開いた♬の替え歌を歌うように勧めたほうがよいかもしれんな」コンラッド


「どうせなら ♬ぶんぶんぶん♬はどうですか?」清明


「間違っても ♬ちょうちょ♬の歌は歌わせるなよ。

 せめて ♬菜の花畑♬とか・・できるだけ のどかな光景を歌ったものが良いな」コンラッド


「ぼく ころぶのいやだから、♬待ちぼうけ♬は やめてほしいよ」ゴン

※明日19日~21日(月)まで 3連休の間は、朝8時夜8時の2回づつ 投稿します

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