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ドラゴンクラン 幼龍編  作者: 木苺
     初夏
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空から偵察

橋の素材探しのための上空からの偵察で、体がまだ出来上がっていないゴンと高所恐怖症のボロンにばかり負担をかけるわけにはいかないので、スカイボードを活用してミューズや清明も偵察活動に参加してはどうかという意見がでた。


すると清明が言い出した。

「いっそ 橋をわたるのではなくて、スカイボードにダーさんを載せて飛ばしたらどうです?」


「ボードの上のダーさんを安心させるために ボロンか僕がまたがったまま飛ばすとしたら、総重量が200キロ近くになるよ」ミューズ


「うーん 200キロの重さの物を載せて50センチ浮かせるだけでも

 浮揚の花の花粉と浮木が必要だな。

 それに 追加のスカイボードを作るためにも」スカイ


「それらは どうやって手に入れるのですか?」ボロン


「ジャングルの中を探してまわらねばなるまいて」コンラッド


「この中で浮揚の花と浮木の見分けが付くのは だれとだれなんですか?」清明


スカイとミューズが手を挙げて コンラッドも前足を上げた。


「早朝に咲く浮揚の花の雄蕊おしべの先のやく(花粉の入った袋)がまだ開かないうちに 破らないようにそっと切り取って集めるんだ。

手早くしないと 開花後すぐに花粉がとびだしてくる。」スカイ


「わたり板のようなものを 正門前で境川に渡したりかたづけたりするなら そのための材木が必要だし、スカイボードを新たに作るのにも採取が必要ということですかい」清明


「川の両岸に転移陣を作って自動転送というのは?」ボロン


「防犯性に難ありじゃ」コンラッド


「普通汚物処理に転移陣を使ったりしないし、

 コンポストやバイオマスの底にもぐって そこにある転移陣を悪用して侵入を図る人物なんて そうそういないだろうけど、境川の両岸に設置した転移陣なら だれでも門の向かい側で探して侵入口として利用できてしまうからね」スカイ


「じゃあ 森やジャングルの中にあるバイオマスの底にもぐれば城に侵入できるの?」ゴンは 首をかしげて尋ねた。


「そこにもぐってあれこれできる魔法使いならばな」鼻にしわを寄せて応えるコンラッド


(バイオマスの中の魔法陣にちょっかい出そうとしたら爆発する仕掛けをしておるのだ)

コンラッドは追加でゴンだけに念話でささやいた。


「ダーさんに丸木の上を歩く練習をさせて、ダーさんと一緒に川を渡る人は

 丸太をマジックバックに収納して 必要に応じて川に丸太を渡すとか?」ボロン


「そんなに長い材木がないよ。少なくとも僕は持ってない」スカイ


「要約すると、

  ①探すもの

    浮揚の花・浮木の生えている場所

    赤松

    鉄木 

    立ち枯れしている木


  ②立ち枯れしている木などで仮の橋を作ったり

   あるいはその他の渡河方法を手に入れるまでは転移魔法で境川を渡る

   跳ね上げ橋の建設については 鉄木を発見してから考える

 ってことでいいんですかね?」清明


「だね」スカイ

「だな」コンラッド


ボロンとゴンは 互いに目と目でかたりあったあと、おもむろにミューズに問いかけた。

「ねえ ミューズ 君とボロンの体重ってどれくらい違うの?」ゴン


「僕は50キロだよ」ミューズ

「じゃあ 俺より少し軽いな」ボロン


「君は 高い所 平気?」ゴン


ミューズはにっこりとして言った。

「もし その質問が 君の背中に載らないかというお誘いなら喜んでお受けするよ。」


「実はそうなんだ。

 僕の皮膚がもっと硬くなるまでは、手綱も鞍も装着できなくて、ボロンも僕もたいへんなんだ。

 もし君が その状態でもうまくのれるなら お互いの相性があうなら

 君が 空から探索してみてはどうかと・・」ゴン


「でもいいのかい? 君たち相棒だろう」ミューズ


「相棒だからこそ パートナーに無理はさせたくないんだ」ゴン&ボロン


「それに僕は 浮揚の花や浮木を知らないから」ボロン


「しかし 浮揚の花は空から見つけることがむつかしい」

コンラッドの一言に ボロンは机に突っ伏した。

思わず ゴンは 羽でそっとボロンの頭をなでた。


(なんと 要領の悪い会議だろう)と心の中で清明は思った。

・・・

けっきょく スカイのボードを借りて、ミューズがジャングルの上を飛び回って

探査魔法を使いながら 浮揚の花と浮木の位置を探ることになった。

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