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ドラゴンクラン 幼龍編  作者: 木苺
第3章(2年目の野外活動) 春
61/112

清明の刀

(7/8)

ミューズのおかげで 作物はぐんぐん育ち

家畜も魔獣も数が増え

ゴンは コンラッドと一緒に自分で獲物をしとめて食べるようになったので、

ボロンの軟菜食づくりは終了した。


 と言っても、実際には、コンラッドがゴンに、

 仕留めた獲物を、ゴンの消化力に合わせて ゴンが自分で調節する方法を教えていたのであって

 ゴンが 成龍なみになんでも食べられるようになったわけではないのだが。


 さらにまた 仲間がそろって城のホールでとる夕食には、

 コンラッドの指示に従って、ボロンが ゴンのための幼児食を作って出していた。


作物が次々と繁茂するおかげで、収穫が忙しい。

とてもじゃないが 人力だけでは追い付かない!


そこでボロンは スカイと二人で 農業機器を次々と作った。

原型は昨年、すでに作っていたので、今はそれらの量産だ。


量産に必要な木材は、清明が森に入って木々を切り倒した。


「視力が上がったおかげで『もの切り』ができるようになりました。」


「しかし この刀、魔力を帯びてますよね。

 こんなに ポンポン切れたのでは、私の実力なのか

 それとも刀の力なのかわからなくてつまらないですね」清明


「贅沢なこと言うなよ。

 刀が良くても、腕が悪けりゃ こんなにきれいに切り倒せるはずないだろ」ボロン


「魔刀は 使い手の実力に応じて力を発揮する。

 僕なら その刀を使っても、空振りしてひっくり返るだけだよ」スカイ


「だいたい清明が使っている刀は、もともと清明の持ち物だったじゃないか。」ミューズ


「それに 赤胴鈴之助の歌をミューズが歌って聞かせて語りかけて

 刀が進化したんですよね」ボロン

 

「その子は 清明がけなげに生きて、真摯に剣の修行をしてきたことを知っているから、

 仲間として君を支えたいと成長したんだ。

 なのに そんな罰当たりなことを言ったら、刀が悲しむよ」ミューズ


「そうだったのですか。

 知らなかったとは言え 悪いことを言いました。

 ごめんさい」

清明は 正座して 刀を自分の前に置き、平伏した。

刀は ギラリと光って 清明を許した。


「今度バカなことを言ったら 許さないってさ」

ミューズが 刀の気持ちを代弁した。


・・

切り倒した丸太を 程よく乾燥させるのは スカイの仕事

「うわぁ この1か月で 僕の魔力と魔法の腕が一段とあがったよ」スカイ


材木を 指定された形状に切り分けるのは清明の仕事


「さすが 心眼使い。

 出来上がりのイメージが明確で、その形に切り出す手順も正確だから

 刀君も 働きやすいと喜んでいる!」

  ミューズが 刀と清明の間を取り持つ。


その木材を使って 組み立て作業をするのはボロン


出来上がった機器を家畜たちに引っ張らせるのはミューズ

 今や ミューズが歌うように話しかけるだけで、

 家畜たちは 的確に作業をこなしていく。


もちろん 清明や家畜の仕事がうまくいくように

ボロンとスカイが、機器を正確に設計しているからこそだったが。


というわけで 農作業はサクサクと進み、農業のために新たに人を増やす必要はなくなった。


ちなみにこれらの農具類はクランの中だけで使う部外秘品だ。


「僕達は 伐採した分を補う樹木成長・繁茂魔法を使ってるけど

 ほかの人はこういうことができないからねぇ

 便利だからとみんながこういう道具を欲しがって森林の乱伐が進むと困るから」スカイ&コンラッド

の考えに全員が同意した。


 もちろん 考えの浅い清明が 便利道具や魔道具類につていうかつに口を滑らさないように、

 本人の了解を得たうえで、コンラッドが清明の口をしっかりと縛っている。


「成長促進魔法だって 大地の負担にならないように加減するのがすごくむつかしいんだ。

 いっぱい失敗して手痛いしっぺ返しを受けた僕だからこそ断言する」とはミューズの弁


「その失敗した分の修復はちゃんとやったんだろうな?」コンラッド


「そのための追放期間さ!」

ちょっと悲し気に しかし失敗は償い修復したとばかりに胸を張るミューズ

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