狩りの稽古2:魔ウサギ
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ゴンにとって 魔羊をつかんで飛ぶのは少し重かったようなので
翌日は魔ウサギの狩りの稽古をした。
魔ウサギの形状はいろいろだ。
額にこぶのような角があったり、長い耳の代わりに2本の角が生えていたり
あるいは普通のウサギの形で大きさと色が違ったり。
魔ウサギの中には 小型犬よりも大きなものもいた。
色も 赤・青・黄・緑と派手な種類もあった。
がいずれも ウサギ穴を掘って生活し、 走るときはジグザグ
ぴょんぴょん跳ねることは共通していた。
もちろん 大型魔ウサギになると 発達した足でキックをかましてくるものもいる。
コンラッドは小型の魔ウサギを5匹ほど荒地に離した。
ウサギたちは 早速穴を掘って隠れようとする
それをゴンが捕まえる。
最初の2匹は、なんとか爪でひっかけては 石の上に叩き落して仕留めた。
3匹目は すでに穴の中に隠れていたのをかぎつけて、地面の上から殴りつけて引っ張り出したら 泥だらけになっていた。
「おまえ 土の中から転移魔法で引き出してからつかまえたらどうだ?」
コンラッド
「そうだね 狩りになるとついつい興奮しちゃって 考えが浅くなるよ」ゴン
残りの2匹の気配がわからなくなったので、
ゴンは探索魔法を使って ウサギの所在を確かめてから、自分の手元に引き寄せた。
「そっとたたけ」
コンラッドの指示に従って力加減をするのはむつかしかった。
「だったら次は引き寄せるときに ちょっとだけ圧力を加えて絞め殺せ」コンラッド
それは うまくできた。
「よーし それでは 最初の1匹は 丸ごと食べて 毛玉など消化できないものは吐き出せ」
「え~」
「魔法が使えなくなったとたんに獲物が食べられません、なんてことにならないように 魔法を使わない食べ方も身に着けておくのだ」
ゴンはバクバクバクと3口で食べ終わり、毛や骨など食べられない部分をぺっぺした。
「まずぅ」
「まあな 人や魔法との付き合いが長くなると 口が奢るからな」
コンラッドが苦笑いした。
次は ウサギの皮をはいで収納し、ウサギの筋肉をはがして食べ、肝臓と心臓を食べて 残りは収納した。
「ものたりないな」ゴン
「ほら デザートだ」コンラッドは魔牛の肝臓を取り出し皿にのせて
ゴンに差し出した。
「それ コンの分でしょう?」ゴン
「いや 俺は肉と心臓を食ったから 肝臓はお前が食え。
幼龍には 魔獣の肝臓がふさわしい」コンラッド
「それでは お言葉に甘えまして、いただきます」
「ご馳走様 ありがとう おいしかったです」
ペロッと平らげたゴン
・・
このようにして 秋まで ゴンは様々な獲物のしとめ方や食べ方、
魔獣の体の仕組み等々を
コンラッドから教わりながら過ごした。
ゴンとコンラッドの狩りの練習にはついては もっといろいろ描きたいのですが
スプラッタシーンが続くのもどうかと思うので とりあえず狩りの稽古は2編のみにしておきます。




