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ドラゴンクラン 幼龍編  作者: 木苺
    エルフのミューズ
53/112

パジャマショー

(8/9)

トリックスターことミューズの服をどうするか?


「とりあえず スポーツブラと女性用のショーツが必要だね。

 君のアンダーバスト・トップバスト・ウェストサイズはわかっているかい?」ボロン


「君 恥ずかしくないの?」ミューズ


「恥ずかしがっていては話が進まないじゃないか。

 ここではヌードサイズをもとに女性用の下着を購入するんだから。

 店に行く前にちゃんと計っていくんだよ」ボロン


「じゃあ 測って♡」

ミューズがいたずらっぽい目つきでしなを作った。


「ミューズの部屋はっ?!

 スカイ・清明、彼の部屋どこにする?」ボロンはイラっとして話題をかえた。


(どこまで信用できるのだろうか?)スカイは考え込んだ。


「清明の部屋の上で良いのではないか?

 あるいは防犯のために、2階の北東の角部屋にするか?」コンラッド


「どういう防犯なんだよ?」ミューズがコンラッドに食って掛かった。


「清明が北西を見張り、おぬしが北東を見張る。

 1Fと2Fに別れておるし 二人で幅広く見張ることができるのではないか?」


「いいよ。それで」ミューズ


「ただし 風呂・トイレ・洗面は1Fにある。

 建物内は自分の足で歩いて移動するのだぞ」コンラッド


「めんどくさ~い!」ミューズ


「だったら清明の部屋の上にしろ。

 その方が移動距離が少しは減るだろう」コンラッド


というわけで ミューズの部屋は清明の部屋の上に決まり、

ボロンが ミューズを部屋に案内し、ついでにミューズを採寸した。


「ねえ 君ってホモ?」

ミューズが裸になっても顔色一つ変えないボロンに尋ねた。


「君 男なんだろう?

 今は たまたま女性に変身しているだけで

 気分も男のまんまなんだろう。


 だったら欲情するかよ。あほらしい。

 君はマネキンに色気を感じるのか?」


 ボロンはうんざりしたように言った。


「このナイスバディをマネキンだなんて ひどい!」

ミューズは 両手を口元で握り合わせた。


「あのさ いい加減に悟ったらどうなのさ。

 君のそういうしぐさに誘惑される人たちもいるのかもしれないけど

 おれは そういうのと全然関係ない文化圏に属しているから 通じないって」


ボロンの顔をまじまじと見てミューズは言った。

「そうなの?」


「そうだよ」

ボロンは5サイズ(3サイズ+ヒップ・またがみ)を測り終え メモをミューズに渡した。


「この紙をなくさないように。

 あるいはサイズを正確に記憶しておくように」


「で このあとどうすんのさ?」ミューズ


「まず そのサイズにあう下着があるかどうかカタログで調べる。

 あるなら 君を店に連れて行くか、取り寄せ注文するから 好きなものを選べばいい。

 

 できるだけシンプルでフィットするものを選べば、上から普通に男物の服を着て、

 違和感なく男で通用すると思うよ。

 君の体型は 人間標準にあてはめると 少女的だから」


ボロンの説明を聞いて 口をあんぐりと明けたミューズ。

「そうなの?」


「ああ たぶん」


「なんで知ってるの?」


「常識だよ。

 ドワーフは 子供のころ人間と会わずに育つ人が多いから

 学校で教えるんだよ。人間の外見から年齢や性別を推し計る指標を。

 そうすれば 大人になって人間社会に出て仕事をするにも困らないだろ。」ボロン


「え~~~~~! 知らなかった。

 で、その情報にエルフの年齢の推測の仕方とかは?」ミューズ


「ない。エルフは龍と同じく伝説の存在だから」

ボロンの言葉を聞いて がっくりと気落ちするミューズ


「もうすぐ春だ。

 春になれば 農作業が忙しくなる。

 ここは自給自足を目指しているから、

 僕たちの食料もドラゴンが食べる分も作るのは大変なんだ。

 だから 君が ここに居る間は しっかりと働いてもらえるかな?」ボロン


「しかたないね。

 ほかに行く当てもないし。

 いたずら禁止なら 時間つぶしにまじめに働いてみるか」ミューズ


・・・


スカイとコンラッドは相談の上、ミューズの服を取り寄せ注文するよりも、

ボロンの選んだ店に連れて行った方がリスクが少ないと判断した。

一つには ボロンとの会話ののち、ミューズの様子がかなり安定したので、

魔力暴走はしないだろうとコンラッドが判定を下したからだ。


スカイは、ミューズを連れて、とんとん町に行った。

さすがに男の格好で女性用下着の店に入るのは嫌だったので、

スカイは自分とミューズに目くらましの魔法をかけて、少女の外見をまとってでかけた。


とんとん町は、庶民的な衣料雑貨の店が充実している。


ミューズは ボロンから教えられた通り、店の人に自分のサイズ表を見せ、

「シンプルな運動に適した下着が欲しい」と伝えた。


何種類か店員さんが出してくれたものから、無地の白とペールピンクを2組づつ

そして小花がワンポイントあしらわれたもの1組をミューズは買った。


とりあえず、下着をもって竜の里に戻った。

そして 着替えたのち、今度は清明も含めた3人で、

兄弟を装う目くらましをかけて とんとん町に戻った。


3人それぞれ 農作業にも着用できる平服を購入した。

  スカイは チノパンにカッター

  清明は ジーンズにシャツ

 をそれぞれ3組、色・柄ちがいで。


さらに スカイは、セーターと作業用の上着と外出用の上着

清明は、ジャンパーと トレーナー(上)も購入


ミューズは、Tシャツ・半ズボン、つなぎとカッター、トレーナーの上下を1組づつにジャンパーを購入した。


さらに靴下とスリッポンとチャッカブーツを兄二人(スカイ&清明)は購入し

ミューズはスリッポンと運動靴を買った。

そして 3人で相談して長くつも購入。


スカイは麦わら帽子、清明はカーボーイハット、ミューズはcapを選んだ。 


里に戻ると 急にミューズは「少女用の服も欲しい!」と言い出した。

呆れるスカイと清明を前に

「通りすがりにちらっと見たんだけど、シャツワンピースっていうの?

 ああいう簡単な服を寝巻に欲しい♡」というのだ。


「そういえば パジャマを買うのを忘れてました。

 もし もう一度町まで行くなら

 私のサイズのパジャマも買ってきてもらえませんか?

 デザインは任せます」と清明まで言い出した。


というわけでスカイは、少女姿のミューズを連れて

再びとんとん町に戻った。


ミューズは少女服の店でシンプルなワンピース2枚と シャツ・ズボンタイプのパジャマを購入。


一方紳士用パジャマの店で、スカイにはアイボリーの、清明には青い縦じまのパジャマを、ミューズが見立てた。


・・


その日の夕食後、4人はパジャマファッションを ゴン達の前で披露した。

ボロンのパジャマは 紺色の甚平・ズボンスタイルだった。


「ボロンのパジャマ姿を初めて見たよ」ゴン


「さすがにキャンプ中はパジャマを着ないからな」ボロン


「ふーん。

 これからは もっとベッドでしっかりと眠れるようにパジャマを着てね」ゴン


「それにしても 人族というのは、夜寝るときまで いろいろなファッションがあるのだなぁ」

コンラッドは 尻尾をゴンに巻き付けながら暖炉の前に座りこみ 感心しながら見ていた。


「ミューズさんの少年姿も似合いますね」清明


「ありがとう。やっと容姿をほめてもらえたよ」ミューズはほっとした顔で言った。

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