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ドラゴンクラン 幼龍編  作者: 木苺
序章  ボレロ・ボロン
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探検しよう!

ボレロ・ボロン4/4

ボロンは、全国の町を巡り歩くという就職時の目標を実現してしまい

今度は 街以外の場所をもっと旅したいと思うようになった。


特に気を惹かれたのが「竜の山」である。

この山はひときわ高くそびえたち、周囲を人類未踏の地に囲まれている。


この国の多くの町は、「竜の山」を取り囲むように散らばり、広がっていった。


だから ボロンは配達の途中、人気ひとけのない荒野から、

あるいは街はずれから見える原生林の向こうに、

この山を見ながら移動することが多かったのだ。


 いわば 道しるべでもあり、異郷の地の象徴でもあった「竜の山」

 円を描く街道の中心にそびえているのが「竜の山」であった。


その「竜の山」の中には 龍の住処すみかがあるといわれていた。

 

 子供のころから本好きであったボロンにとって、龍は未知なるものの象徴であった。

 なぜなら 龍についてはっきりとした記述は皆無

 しかも 伝承のあちこちに 龍の影が見え隠れする

 まるで かつて人々に親しまれ 大きな影響力を持っていた龍の存在を

誰かが意図的に消してしまったような感じがした。


その伝説の龍が居たかもしれない洞窟を探してみたいと思って、ボロンは1年の長期休暇をとった。




この1年の長期休暇というのは、勤続10年たつと任意で取得できる休暇であり、

1年間無給で休職でき、休暇後元の職場に戻ることも 休職中に転職することもOKというありがたい制度である。


洞窟探求をすることを決めてから、休暇をとるまでの3年間を準備期間にあてて、

ボロンは 竜の山周辺を通る配達業務を積極的に請負い、

双眼鏡や望遠鏡を使って 山肌や周囲の地形を丹念に観察した。


そして いくつかアタックポイントを決めてから 念願の長期休暇をとった。



休暇をとってすでに8か月 調査した3つのポイントは空振り。


 洞窟の入り口と思ったところが ただの峡谷で行き止まりになるまで進んでも何もなかったり、岩陰にすぎなかったり。


そして 4度目の正直で 洞窟にはいることはできたものの、

その洞窟は うねうねと曲がりくねり 登ったり下りたり分岐したり、

いくつもの袋小路をつきあたりまで進んでは引き返しを繰り返しているうちに1か月が過ぎてしまった。


 そして休暇も残り3か月となった今日 はじめて入った大洞窟の中で

ドラゴンの孵化に遭遇したのであった。

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