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ドラゴンクラン 幼龍編  作者: 木苺
第2章 初めての冒険
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清明が仲間になって、半年が過ぎた。

季節は秋 収穫のシーズンだ。


馬は刈り取り機をひっぱり、役牛は荷運び、大牛は脱穀機を回すので大忙しだ。

「人手が足りない。

 脱穀前の天日干しのために 稲を竿にかけるのだけは人間がやらなきゃなんないから」ぼやくスカイ


「すみませんねぇ 身長が足りなくて」ボロン


「その分 君は耕作機の手入れをしてくれているし、

牛や馬を指揮して作業をすすめてくれているから 気にしなくていいよ。


 これは ただの愚痴だから。


それに今の愚痴は『竿にかける作業は機械化できない』ことへの愚痴だよ

 実際 刈り取りや運搬だって疲れる仕事に変わりはないんだから。」


「あー 腰が痛い 背中が痛い。刀を振るうのは ほんの一時

 農作業は一日中」清明もぼやきに加わった。

「これからは もっとお百姓さんに感謝することに決めました!」


・・・

ぼやきながらも 収穫は無事終わった。

城の中央の大広間には 所狭しと農産物が並べられた。


「うーん これを全部僕の空間収納庫に入れてしまうと

 僕が居ないときに 君たちが食料を取り出せなくなるよね」スカイ


「やはり スカイ・ボロン・ゴンそれぞれの専用のマジックバックと

我々が共同で使える大容量のマジックバックを新しく作ったほうがいいな」コンラッド


「できれば すぐに使える食料用のバックと、

加工原料となるバック・長期保存用のバックと分かれているといいですね」ボロン


「確かに 僕の空間倉庫の中では 夕顔の実がゴロゴロしているけど

 これを加工待ちの原料袋に移せたら 気が楽になるよ」スカイ


「いやあ 夕顔の実があんなに大きくなるのをすっかり忘れておった。

 わしはあの白い花を見たかっただけなんだが」

頭をかきかきコンラッドがわびた。


「夕顔の実を気楽に取り出せるようになれば 隙間(すきま)時間に皮むきをしたり

 皮むき機の試作をするのも楽になるよ。

 今は いちいちスカイに頼んで出してもらわなければいけないから」ボロン


「まったくだ 僕は扉になった気分だよ。

 もちろん かんぴょうがどんな味がするのか興味はあるけどね」スカイ


「というわけで マジックバックの素材となるブクブクの胃袋をどれくらいおぬしは持っているのだ?」コンラッドはスカイに尋ねた。


「予備が1枚だけ。だから ブクブクをつかまえに行くところから始めなくちゃいけない」スカイ


「そこのジャングルからブクブクの気配がする。

 それを捕まえに行こう。」コンラッド


「ブクブクってどんな外見をしてるんですか?」清明がたずねた。


「楕円形の大きな毛皮の袋にカエルの目と足がついたような生き物だよ。

 ぬるま湯の湧く池の近く住んでいる」


「捕まえるときの注意点は?」ボロン


「袋を破らないこと。ブクブクの体のほとんどは 胃袋でできていると言ってもいいくらいなんだ。

 だから 一番いいのは 網ですくって体を傷つけないことなんだけど

 体の直径が60センチ以上あるからねぇ、食後のブクブクの重さは10キロ以上になるかも」スカイ


「体積が4/3π(rの3乗)ですもんねぇ、

 かなり強靭な網が必要そうですね」ボロン


「君たちが捕まえに行くなら 網はかしてあげるよ」

  スカイはどこからともなく 直径1mのタモを取り出した。


身長が1mたらずのボロンはタモを手に取り言った。

「これほど大きなタモを素早く振るうのはむつかしそうだな、

 ブクブクって動きは鈍いのかい?」


「足音や人の気配で素早くとびかかってきたり 飛び跳ねて逃げたり

 素早いね。体の直径の3倍くらいは跳ぶね」スカイ


「ちょっとそのタモを貸してください」

清明はボロンからタモを受け取ると後ろに下がりながら

「少し離れていて下さい」と言った。


そして清明は びゅゅびゅっとタモを振った

 その素早い動きは目に見えず音で感じるよりほかなかった。


「これで 捕まえられますかね?」清明


「ふむ。それだけ早いと袋の底にぶつかった時の衝撃が心配だけど」スカイ


「寸止めしますよ」清明


「すごいなぁ」ボロン&ゴン

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