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ドラゴンクラン 幼龍編  作者: 木苺
     拠点での新生活
23/112

城での生活

4/6

幼いドラゴンの養育のために集まった、

 フェンリルのコンラッド

 魔法使いのスカイ

 ドワーフのボロン

 心眼使い改め農夫の清明。


清明とスカイは城に住んで農作業。


ボロンは竜の山のそばの宿屋と大洞窟を行き来しながら家畜の世話と離乳食づくり


ゴンは大洞窟の中で飛行練習をしたり、草原で足腰を鍛えたり、魔法のけいこ。

 コーチはコンラッド。

 

スカイが ゴンのえさにする家畜の仕入れに行くときは、ボロンが清明を手伝いに城に泊まりこむこともあった。


ボロンが城に泊まる日は、ゴンも城に行って、農作業を眺めて過ごし、

夜はゴンやコンラッドと一緒に城の地下に泊まった。


清明はまだ 大洞窟のことを知らなかったが、

ゴンたちは、ふだん竜の山の洞穴にでも寝泊まりしているんだろうと思っていた。


・・・

城では、馬を使って畑を耕し、種をまいた。

 馬たちには スカイが念話を使って仕事をしっかりと教えたので

 スカイ一人で、数頭に作業をさせることができた。


畝と畝の間に、散水パイプを並べて、スカイが設置した蛇口につなぐのが清明の仕事だ。


種まきが終わると、スケジュールに従って蛇口を開いたり閉じたりして散水するのも清明。


菜園の種まきが終わるころには 馬と清明だけで仕事ができるようになったので、

今度はスカイ抜きで ソバや豆類の種まきをした。


一方菜園の種まきが終わると、スカイは、水田を作り始めた。

 

 魔法で作った用水路は 底と側面の防水がしっかりとしているので遠くまで水を引くことができる

 なにしろ用水の水面は 地面よりも高いのだから


 魔法で作った小川は、地面より下の部分(=溝)は防水性だが、地面より高い部分は普通の土手だ。

 だから 馬の体を洗うために作った河原に向かって土手がなだらかに作られていたりもする。


・・・

スカイは、力仕事をさせるために、大牛の雄を数頭仕入れて来た。

 大牛というのは 魔牛雄と普通の牝牛の間に生まれた牛のことだ。


 普通の牛の3倍の力で馬並みのスピードで働き

 しかも長生きなので、役牛として重宝されている。


「ねえ 大牛雌はどうなるの?」ゴンがたずねた。


「食用じゃよ。乳牛にはならぬので 生後3か月ぐらいで食べられることが多い」コンラッド


「3か月もすると普通の成牛並みの大きさになるし、

 大牛雌は気性が荒くて、乳しぼりはさせてくれないのに使役もできない

 ただ大食いするだけだから」ボロン


「厳しいねえ」ゴン


「しかも大牛雄は牝牛がそばにいるとすぐに発情する

 魔牛雄もたいがいだが、大牛雄のほうが節操がない

 だから 繁殖させるとき以外は 互いの臭いをかげないくらい雌雄を引き離しておく必要があるのだ」コンラッド


「それはまた 管理が大変ですねぇ」清明

 


その大牛(雄)を使って 小川の一部の土手を崩しながら水を広げ、泥地を作り耕した。

 そこに直播向きの稲籾をまき、苗がある程度育ったら水を入れて水田にした。


水田ができあがったら、田鴨という水田向きに品種改良された鴨を放った。

 田鴨は 適度に水をかき回し、雑草の生育を防いでくれる。

 身体は小さく小食 主食はプランクトンとメダカと野菜くず(枯葉・雑草の芽など)

 空を飛ぶことはできない


水田の脇を流れる川には 鴨池も用意した。

 これは田鴨の営巣用である。

 田鴨は 栄養が足りていると よく卵を産む

 卵の大きさはにうずら卵くらい

 卵の上で眠りはするが、積極的に抱卵するわけではないので、昼の間に卵をいただいても怒らない

 雛が生まれるかどうかは成り行き任せで良いと思っているようだ。


・・・

スカイは、大牛を仕入れるために辺境へ行ったとき、実は魔牛の親子を数組捕まえてきていた。

 魔牛の世界というのはなかなか厳しいらしく、

 つがいになった雄は配偶者のそばに ほかのオスが近づくことを許さない

 わが子ですら 生後3か月もすると追い払ってしまう。


 だから あぶれた魔牛雄が 里の乳牛を追いかけまわすわけだ。

 

 一方つがいになった魔牛たちは夫婦仲良く穏やかに暮らし 女の子は大切に育てている

 そもそも魔牛雌は 好みのオスでなければ近づくことを許さないので

 やっと雌と番うことになった雄が必死になってほかのオスの排除に努めるのかもしれない


「魔牛が暮らす草原は広いからなぁ

 お互い 長い生涯をともに暮らす相手がみつかるまで気ままに放浪できたのだよ」コン


「しかし その魔牛の暮らす草原に 人間たちが魔牛捕獲のために街を作りましたからねぇ

 大牛というややこしい生き物ができてしまって気の毒です」ボロン


「でも その大牛のおかげで農作業がはかどるんだから」スカイ


現在魔牛たちは、竜の山の西側、つまり城とは反対側で、子育てに励んでいる。

龍の山の西側は、ドラゴンの狩りの練習場所にする予定になっている。


もうすぐ魔牛のオスの子供が独り立ちをする。

それにあわせて 頑丈な牝牛を何頭か購入して大牛を産ませる予定である

また 農作業が一段落した大牛雄たちにも牝牛をあてがい、ドラゴンのお食事処を充実させていく予定だ。


「ここから 魔牛の平原まで 王国を横切ってドラゴンが飛んで行ったら大騒ぎになるからなぁ

 しばらくは 竜の山の西側で 魔牛や大牛を繁殖させよう」それが コンラッドの考えであった。



・・・

スカイは 巣箱の手入れと蜜の採取方法を、ボロンと清明に教えた。


「花と蜂のつり合いが取れれば 養蜂は軌道にのるし、

 はちみつがたっぷりととれたら、現金収入が得られるからね」スカイは説明した。


牛と馬の世話については、ボロンが清明とスカイに教えた。

 スカイと清明は 農作業が終わると、その日一緒に働いた牛や馬の世話をした。


 仕事のない日は、牛や馬は城の近くに作った放牧地で自由にすごさせた。


ダーさんたちは城にいると運送の仕事がないので 無精卵を産み始めた。

 ダーさんたちは抱卵せず、卵は砂場に産みっぱなし。

 無精卵を持ち去って食べても気にしなかった。


「あいつら 有精卵の場合はオスが卵を見張って絶対に他の生き物を近づけないんだが、無精卵の場合はほんと無頓着なんだ」とボロンは説明した。


ダーさんの卵はスイカくらいの大きさがあるので、食べでがあった。

 牛乳をまぜたフワフワスクランブルエッグやプリンはゴンとコンラッドのお気に入りである。



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