草原での暮らし(2日目)
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幼龍の体を温めるために、朝はコンラッドが狩ってきた魔獣のレバーや生血をゴンに食べさせた。
そのあと
コンラッドは ゴンに大洞窟の中で飛行練習をさせたり
草原を歩かせて足腰を鍛えた。
一方、ボロンは スカイからふんだんに提供された食材を使って
元宿屋の台所で人用の食事をせっせと調理しては スカイからもらった新しいマジックバックに入れた。
幸いにもスカイは薄味好きらしい。ボロンもだ。
(自分でパンを焼くのは 何年振りだろう?)
子供のころ母の手伝いをしながら教えられたことを思い出しながらボロンはパン作りを始めた。
①強力粉・砂糖・塩・パン種(スカイは干しブドウを使って発酵菌を培養していた)をまぜあわせる
②こねる
③バターを加える
④こねる
⑤一次発酵
⑥ガス抜きしてベンチタイム
⑦2次発酵&オープンの予熱
⑧パンを焼く
パン作りというのは 窯の中で焼く時間よりも 発酵にかける時間のほうが長い
久しぶりなので 発酵中もボロンはパン種のそばで観察をしていた。
慣れたら ほかの作業も並行して進めることができるのだが。
昨日 捌いた家畜の骨の一部を使ってスープも取った。
久しぶりに かまどの前でくつろぎながら
コンポスト用の穴掘り・まき割り・燻製肉づくりと翌日の作業を考えた。
バイオマスも作らなくては・・・
ドラゴンの排泄物もでかいからなぁ・・
ゴンの空間収納の中、そろそろ大変なことになってないか?
なんて考えていたら・・
「それらは ジャングルの中に飛ばしてはいかんのか?」とフェンリルから念話がとんできた。
「あー でも 僕はそれできないんで(;^_^A」ボロン
しばらくすると、フェンリルとドラゴンが戻ってきた。
「ただいま~。
このにおいは何?」
ゴンは フェンリルの背中に飛び乗って 窓からキッチンをのぞきながら
楽しそうにボロンに声をかけた。
「焼きたてパンのにおいだ」ボロン
「おいしそう」ゴン
「ちょっぴりミルクに浸して柔らかくしたやつを食べるかい?」ボロン
「うん!」
ミルクがゆの用意をしながらボロンは思った。
(次は牛乳を使った食パンも作ろう。
食パンのほうが柔らかいからパンがゆ向きだろう)
ゴンの昼食は ミルクがゆ・羊を使った離乳食・骨スープだ
ボロンは パン・骨スープでゆでた肉と野菜・ミルク
コンラッドは スープ・羊肉・ミルクだった。
食べたら出~るの問題に関しては、3人で話し合った結果
これまで ゴンが収納していた分については、コンラッドが ジャングルへの飛ばし方を教えた。
台所ゴミについては、ボロンがとりあえず、コンポスト用の穴を掘ったのちに
スカイが持っていたコンポスト用の容器をかぶせた。
コンポストの設置場所については 否も応もなく 嗅覚の鋭いフェンリルが指定した場所に作らされた。
バイオマスの設置については・・スカイが戻り次第、彼に大穴を掘らせるから
それまでは、従来通りにとコンラッドはゴンに命じた。
「これは フェンリルとドラゴンの嗅覚を守るために必要なことなのだ!」と
言われては ドワーフも従わざるを得なかった。




