周辺確認(竜の山付近の図あり)
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当座の食糧確保のめどが立ったので、今度は竜の山のそばで、家畜を飼える場所がないかを探すことにした。
洞窟には光苔が生えているとはいえ薄暗く
牛の飼料となる藁の購入費用も節約したかったので。
・・
ゴンはボロンを龍の山の外にテレポートした。
山の外に出たボロンはぽかんとした。
自分が山の中に入ってきた時とは周辺の景色が全く違ったから。
山の外には草原がひろがっている。
草原の外には森が見える。
どうやら 竜の山の周囲を草原と森林が取り囲んでいるようだ。
そして 森林のはるか向こうにそびえたる絶壁
ボロンはゴンに呼びかけ お願いして山の中の洞窟から 山の外までできてもらった。
「俺が洞窟に入った時と 外の様子がずいぶん違うんだ」
「どういうこと?」
「俺の知っている竜の山は外輪山の内側がジャングルで
そのジャングルを抜けたら山だったはずなんだ。
でも ここから見ると 山の周りは草原と森林でその外側に外輪山らしきものがある。
もしかしたら 外輪山は二重になっていて、俺が竜の山の本体だと思った山肌は
もしかしたら 内側の外輪山つまり内輪山だったのだろうか??」
「それじゃあ 僕の背中に乗せて運ぶのは無理だから・・
君をあそこの崖の上にテレポートするから自分の目で確かめて」ゴン
「えっ?」
ボロンが驚いている間に、崖のてっぺんに転移させられていた。
びゅ~~~
風に吹かれながら右を見ると 断崖
左を見ても断崖
こわ~ なんというところにテレポートさせるんだ~
と思っても仕方がない。
崖のてっぺんにまたがるようにして周囲を見回すと・・
眼下に竜の山の頂が見えた。
どうやら 山のてっぺんには火口があるらしい
竜の山の周りには 草原・川・森林・湯気の立つ川・ごつごつとした岩場が広がっていた。
森林を囲む川からは湯気が上がっているので かなり熱い水が流れているのかもしれない。
そして崖のふもとを見下ろすと、竜の山とは反対側、つまり外側にはジャングルが迫っていた。
そしてジャングルの外に 内輪山よりも高い外輪山が広がっていた。
あまりにも遠くてよくわからないが たぶん自分は外輪山の切れ目からジャングル地帯に入り込み、
内輪山の崖を竜の山本体だと思って 洞窟アタックをしたようだ。
そして 竜の山だと思って内輪山を一周した経験からすると、内輪山には切れ目がなかった。
道理で 洞窟の中を通ってドラゴンの孵化場に行くまでに、トンネルの中を下ったり上ったりで1か月、
外輪山の切れ目から入ったジャングルを抜けて内輪山に行くまでにも1か月かかったはずである。
外輪山の外側をとりまく未開の地にそって街道は1周しており その街道沿いに村や町がある。
ボロンは 外輪山の切れ目のそばにある町から未開の地を通ってジャングルに入り、
まっすぐに山に向かったつもりだったが、
まさか その山肌の内側に 本物の竜の山が収まっているとは思いもしなかった。
とりあえず ボロンは念話を送って ゴンのもとに連れ戻してもらった。
山のふもとで待っていたゴンは、「少し肌寒いから」と言って、
ボロンを引き戻したあとは さっさと大洞窟にもどり、
ゴロンもひきよせた。
「君って寒がりなんだね。」ボロン
「だって まだベビーだもん。」ゴン
「そっか。寒いのに外で待たせてごめん。
ドラゴンも風邪をひいたり 病気になるの?」ボロン
「体が冷えたら 弱くなると思う」ゴン
「そうか 外によんだりして悪かったね」ボロン
「僕も 外に出てみて初めて 寒いってわかったら」と笑顔を浮かべるゴン
「そっか」
・・
龍の山と町や街道との地形的関係を説明したボロン。
「魔法使いでない限り、そうそう簡単には人が入ってこれないよ、
竜の山の周りの草原や森林までは」
「魔法使いはどれくらいいるの?」ゴン
「空間魔法が使える魔法使いは ほとんどいないと思う。
そもそも 竜の山に興味を持つ人も 俺の周りにはいなかったよ」
「そっかー
じゃあ もう少し暖かくなったら 僕が 山の外にいても 大丈夫かなぁ」ゴン
「たぶん。
それに いざとなったら 君だけ先に洞窟に戻ればいいから。
人間同士なら 俺が話しをすれば なんとなるんじゃないかなぁ」ゴロン
「獣のほうはどう?」ゴン
「それは 君のほうが見つけやすいかも。
俺は 気配とかぜんぜんわからないよ」ボロン
「僕が空を飛んだら 町から見えるかな?」ゴン
「えーと あそこの内輪山より低く飛べは 大丈夫だろ。
それに 外輪山より低く飛べば 街道や町から見られることもないと思う。
そもそも ジャングルに入る人が少ないからね」ボロン
「どうして?」ゴン
「外輪山に切れ目があってそこからジャングルにはいれることを知っている人のほうが珍しい。
僕も 昔昔の探検記録を読んで初めてそういう場所があるのを知った。
それに、外輪山の外と街道の間の未開地の地にも、いろいろややこしいものがあって、
コンパスが使えなかったり見通しが悪かったりで、
外輪山そのものに到達することもむつかしいんだ。
僕は外輪山の切れ目にかな?と思った場所に近いいくつかの町から接近したんだけど
すでに知られている落とし穴とか地雷原とか底なし沼とか、記録にない亀裂とか
病原菌や寄生虫のいる生き物がいる場所を避けて歩くのがすごく大変だった。
あとアリジゴクに地獄谷もあったな。切れ目のない山際には。
一応切れ目が3つあると言われてたんだけどね、それがどこかまではわからなかった。
そこで 僕が自分で切れ目かも?と推測した場所を順番にアッタクしたんだけど
一つは 足場の悪い地溝帯と厄介な生き物の大群に阻まれて撤退
二つ目は、切れ目が軽石でで埋もれていて乗り越えられなかった。
さらさらとした小さな石の山ってトンネルも掘れないし、
よじ登ろうとしてもどんどん崩れてきて自分が埋まっちゃうんだよ。
そしてやっと三つ目の切れ目かも?と思った場所を、すり抜け よじ登り 乗り越えて内側にはいったらジャングルなんだもの。
ついでに言うと、そのアッタクポイントの近くには村がなかったよ。
ジャングルの中は移動が大変だ。
内輪山の中に入る入口を探して 内輪山の周りを一周するには
ジャングルの中を移動しなくてはいけない。
内輪山の山肌に洞窟があっても行き止まりのやつが多いんだよ。
内輪山にできた峡谷の中には やたら音が反響して、
自分の足音のこだまで頭がガンガンして歩けない所もあった。
それに 一応外輪山の内側は ドラゴンの神域となっているから
目的もなく入る人はいないよ。
つまり 僕みたいに 龍に会いたい♡なんて思う人以外は」
「そもそも どうして 龍に会いたかったの?」ゴン
「ロマンだよ 憧れ」ボロン
「で どうだった?」
「感激したよ。君の誕生に立ち会えて。
龍が君一人なのには驚いたし
君は げっぷをするような赤ちゃんだから 君が独り立ちするまで手伝いたいと思う。
それに つきあってみて
君は すごく賢くてかわいい気立ての良いドラゴンだってわかった。^^」ボロン
「君が僕に会いに来てくれてうれしいよ」ゴン
「そう言ってもらえると僕もうれしい」




