ダーさん洞窟
(5/8)
卵さんが来ることになったので、コンラッドと大ちゃんは ボロン達不在中の食っちゃ寝計画を変更した。
それにあわせて、ボロン達はとりいそぎの食糧と調理道具を送った。
処理場の近くの洞窟に光石をとりつけ、ダーさん居住区を作り「ダーさん洞窟」と命名した。
ダーさん洞窟には 砂場用の砂を地上から運び込んだ。
ダーさん洞窟の隅にあるダーさんトイレからは、ワームのいる処理場へ配管ずみだ。
このトイレはゴミ箱も兼ねている。
地中での ダーさんの受け入れ準備が整ってから、ボロンとミューズは タマゴさん達と一緒に
洞くつに転移した。
地上での待機中に 地中で入用な荷物は順次発送しておいた。
メリーさん達は この先2か月 起きたまま生活して城周辺の警戒にあたりつつ
子育てに励むそうだ。
その他の家畜は ミューズが空間収納してしまった。
「洞窟では 居住地の掃除は自分たちでして 抜けた羽は分別してね」と言われて困ったタマゴさんの為に、ダーさんに合わせた箒を作って地上から持って行った。
・・
ダーさん洞窟についたタマゴさんは 毎朝箒を咥えて抜けた羽を洞窟の外に掃き出し、
それをお世話係のノームが集める。
大きな羽は羽ペン用にとっておき、幼鳥の綿毛はきれいに洗ってクッションなどに使う。
それ以外はゴミ扱いまたはクラフト素材にとっておく。
「処理方法の定まらないゴミを専用マジックバックに入れておくとは あきれたもんじゃ」大ちゃん
「環境保護のためだ」コンラッド
「さすが空間収納使い放題の神獣さまだな」大ちゃん
ダーさん洞窟の隣は飼料部屋だ。
ここには たっぷり2か月分の餌を入れた。
ダーさん達が到着してから、タマゴさんには時計の読み方と光石の点灯・消灯方法を教えた。
そう ダーさん洞窟には 時計が付いているのだ。
時計の針先には ちゃんと蛍光塗料が塗ってあるので、薄暗くても大丈夫!
洞窟についた最初の3日ほどは、慣れない環境に驚いたメリッコとモリオがピーピー泣いた。
月齢的に親離れの時期が来ていたし、両親との別れはきちんと済ませてきたので
別に親が恋しいわけではなかったが、とにかく暗い環境にびびったのだ。
そこで コンラッドとゴンが交代でヒナたちに子守歌を歌ったり お伽話を聞かせ、
タマゴさんは若鳥たちを抱っこし続けた。
その一方で ボロンは大ちゃんにダーさんの世話の仕方を教えた。
ノームにとって 地上の生き物ダーさんは 未知の生物であった。
しかも大きい!
タマゴさんには、ノームが「細いドワーフ」か「小型の人間」のように見えた。
それでも わちゃわちゃしているうちに 3羽のダーさんとノームとフェンリルとドラゴンは仲良くなり お互い気持ちよく洞窟暮らしができるようになった。