転生してやり直し!?
あれ?おかしいな…さっきまで電車の中にいたのになんで…
周りが謎の光に包まれていて、なんとなく暖かい。よく見渡してみても何も見えない。そして持っていたはずのスクールバッグもなく、服も着ていないかった。
……変な夢をみているのか?
そう思うと同時に頭の中に何者かの声が響き渡った。
「残念じゃが夢じゃないのよ、まあ常人なら夢と思うのがもはや正常じゃな。」
刹那、周りの光が一気に晴れたかと思うと目の前には一人の少女が背丈にそぐわない大きな椅子に座っていた。
「君は誰なんだ?そしてここは?早くもとに戻してくれないと学校に遅刻しちまう!」
少女は呆れたように笑う。
「まあまあ落ち着くんだ少年。つまり早い所、君は死んだんだよ。」
「死んだ!?」
「そうじゃ。あの電車は不幸な衝突事故で脱線、そしてそのまま川にドボンじゃ。まあ覚えてないんじゃ衝突で即死したか、頭を強く打って軽い記憶障害にでもなったのだろうよ。」
「…………」
あまりの衝撃に喋ることができない……
「その顔は真実を受け入れられない、という顔じゃな。」
「…………」
「図星のようじゃな。どうやらお主は考えていることが顔に出やすいタイプらしい。」
俺は手汗でベトベトになった手を握って声をひねり出した。
「お、俺はこのまま地獄行きなのか?そ、それとも天国にいけるのか!?」
少女は呆れた顔で、こんどはため息をした。
「さっきから慌てすぎじゃ、冷静になれ。まあ率直に言うとどちらでもない、それが答えじゃ。」
「というと?」
「お主の生きてきた人生が薄すぎて魂を分類することにすら値しないんじゃよ。」
たしかに生前は何もしてなかったからな…友達も彼女もいないしクラスでも目立たないほうだったしなぁ。
「だからそなたを転生させてることでチャンスをやろう。」
パンパン
彼女は二回手を叩くと、それと同時にまた謎の光に体が包まれていく……
最後に微かに声が聞こえた。
「次は薄い人生で死んだら地獄行きだからなー!」