文化祭 開幕
文化祭編始まります。
楽しんでくれると嬉しいです。
ヴィンセントが訪ねて来てから、フェニカの体調はより悪化していった。
「ああ、おいたわしや王妃様……今度、王様が側室のメレイア様とご一緒に魔法学園の文化祭に参加なさるとか……王妃様を差し置いて側室となど、なんと言う……」
二人しかいない部屋にクレアの美しい声が響いた。
そのクレアの言葉にフェニカは横になりながら、涙を流した。
「どうして……王様……」
その様子にクレアは内心ほくそ笑みながらも、悲しい表情をつくり、フェニカの耳元で本当に小さく囁いた。
「王妃様、悪いのはあの女メレイアで御座います……憎いですか?憎いですよね……王妃様……フェニカ様……あの側室、メレイアさえ居なければ……死んで欲しいと思いますよね……」
その言葉にフェニカは、ぼんやりとした表情で頷いた。
「メレイアさえ……居なければ……殺してやりたい……殺して……殺してやる!」
最後の一際大きな声と共に、扉が勢いよく開いた。
ノックも無しの突然の事に、フェニカは眉を顰めて扉の方向に顔を向けたがすぐに目を見開いた。
そこに居たのは王、ヴィンセントだった
ヴィンセントは軽蔑した眼差しをフェニカに向けた。
「王妃……いや、フェニカ。誰を殺すだと?」
その言葉にフェニカはへらりと笑った。
「勿論……メレイアの事ですわ……王様が悪いのです……あの女……メレイアばかりで……私を見て……下さらないから……」
その言葉を王は鼻で笑った。
「お前を愛せ……そう言うのか?愚かな事を、お前の様な悪女をどう愛せと言うのだ。」
「ならば……貴方が大切に想う……女を……皆、殺しま……しょう……」
そう言って、フェニカは再びへらりと笑った。
それをヴィンセントはゴミを見るような目で一瞥した後、部屋から出て行った。
「あっははは!」
その後暫しの間、フェニカの狂った笑い声が部屋に響き続けていた。
文化祭当日。
セリーナ達のクラスの一日目は、男女逆転メイド喫茶で二日目は劇だ。
今日は一日目だから男女逆転メイド喫茶だ。
教室は喫茶店風にアレンジされていて、人それぞれ男装女装をしている。
みんないつもとは違う雰囲気に気分が高揚しているようだ。
女装した学級委員が声を張り上げた。
「最優秀賞を取るぞー!」
「おー!」
その言葉と同時にクラスのみんなが拳を突き上げる。
みんなの熱意に当てられて、セリーナも思わず勢いよく拳を突き上げてしまった。
そんな自分に気づき、思わずセリーナは頬を染めた。
セリーナは黒の燕尾服を着ており、銀髪は頭の高い所で一つに纏めている。
服装の黒と髪の銀の対比がとても鮮やかで、涼しげな表情が美しい。
さっきからユティアがかぶりついてセリーナを凝視している為、かなり居心地が悪い。
「やばい、尊い。美しい、格好いい……」
そんなユティアの呟きはセリーナには聞こえていない。
そんな事をしている事暫し……
遂に時間が来た。
「よし!Sクラス男女逆転メイド喫茶、開店だ!」
その言葉と共に、教室の扉が勢いよく開けられた。
次回も読んでくれると嬉しいです。




