魔法学園 レヴィンの事実
楽しんでくれると嬉しいです。
学園生活が始まった。
授業は面白くて、学食も美味しい。
そんな風になかなか居心地が良い場所だが、一つ問題があった。
「セリーナ!何しているの!」
ユティアが何かしらと纏わりついてくるのだ。
セリーナは正直うんざりしていだが、無視する訳にもいかない。
「……図書室に行こうと思って、行き方を調べていたの」
「図書室に行くの!私も行く!」
理解していた事だが、思わず軽く眉間にしわが寄った。
セリーナはひくつきそうになる口元を抑えて、微笑んだ。
図書室に向かう道のりで色々話しかけてくるユティアに、適当に相槌を打ちながらセリーナは歩いていた。
「でね、それで……」
ユティアの話を聞き流していたセリーナだったが、不意にレヴィンを見つけ、目を輝かせた。
「レヴィン!」
そう叫んでセリーナは走り出そうとしたが、すぐにレヴィンの姿は人に紛れ込んで見えなくなった。
セリーナはがっくりと肩を落とすと目を伏せた。
レヴィンの姿はユティアにも見えていたようで、セリーナに目を向けると問い掛けてきた。
「ねぇ、セリーナ……貴女、あの変人と知り合いなの?」
その言葉にセリーナは目を見開いた。
「……変人?」
「そうよ!あいつの家は武家の名門、それなのに勉強ばかりしているから変人……本当、呆れちゃう……メイヴィスの名が廃るわよ!」
その言葉にセリーナは目を瞠った。
メイヴィス……メイヴィス?
「……メイヴィス?」
「あれ、セリーナ知らなかったの?あいつの名前はレヴィン・ルト・メイヴィス。メイヴィス公爵家の三男よ。」
それを聞いて、セリーナの目が限界まで見開かれる。
……言葉が出てこない。
嫌な汗が出て、口の中が乾く。
どうして……どうして?
セリーナの異変を感じ取ったのかユティアは眉を顰めた。
「セリーナ?大丈夫?」
「……ユティア、ごめんね……私、早退する。」
そう言って、セリーナは走り出した。
荷物も持たず、ただ駆け出した。
「セリーナ!」
背後からユティアの叫ぶ声が聞こえたが、セリーナは兎に角駆けた。
どれほど走ったのか記憶にない。
気がついたら自分の寮へと着いていた。
セリーナは部屋に飛び込むとその場にへたり込んだ。
「そんな……どうして?」
口から勝手に言葉が漏れ出て、目から涙が零れ落ちる。
『あんたも自由になれるといいな!』
『悲しい時は泣いていいんだ……』
レヴィンに言われた言葉が次々と思い出されてやまない。
……レヴィンがアナスタシアを死に追いやった奴の息子
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁ」
胸が痛い程締め付けられて、苦しくて悲しくて涙が溢れ出てくる。
『仇の息子となんて仲良く出来る訳がない。』
ねぇ、本当に貴方があの憎いオーランドの息子なの?
だとしたら……私は……
セリーナはそのままジェーンに発見されるまで、泣き続けていた。
セリーナはシャルからの手紙を燃やし終えると、昼間の出来事を思い出していた。
「レヴィン・ルト・メイヴィス」
己の発した言葉にセリーナは拳を握りしめ、呟く。
「仇の息子など……我が敵……お前もユークリッドと同じように利用して、苦しめて……復讐の道具にしてやる……」
私は、仇の息子を……愛したりなんかしない。
セリーナは顔を歪めると目を閉じた。
次回も読んでくれると嬉しいです。




