魔法学園 天使か悪魔か
今回も楽しんでくれると嬉しいです。
魔法学園の入学式が始まった。
様々な偉い人達の話が始まり、セリーナを退屈させる。
そして遂に、セリーナの順番が回ってきた。
「新入生代表挨拶、セリーナ・フォン・シェルヴィ。」
「はい。」
セリーナは返事をすると壇上に上がり、会場全体を見回すとにっこりと微笑んだ。
そして、玲瓏たる美声で語り始める。
「麗かな日和が感じられる今日、この良き日に私達は誉れ高いアルティナ魔法学園に入学致します。今日は私達の為に、このような式を挙行して頂きありがとうございます。新入生を代表してお礼申し上げます。私達はこの学園で多くを学び得て、責任ある立派な大人になれるよう精進したいと思います。どうかここにいる先生方、先輩方ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。以上で新入生代表の挨拶とさせて頂きます。」
言い終え、一礼すると拍手が巻き起こった。
セリーナは最後まで余裕の微笑みを保ったまま、その場を後にした。
そうして、魔法学園入学式は終わりを告げた。
どうやら、夜には新入生歓迎パーティーがあるらしい。
セリーナは自分の寮に入るとベッドに倒れ込んだ。
「疲れた……」
今日は魔獣に襲われたり、堅苦しい挨拶をしたりと色々あった。
暫しその状態でダラダラしていたセリーナだったが
「セリーナお嬢様!行儀が悪いですよ!」
そんな聞き慣れた声が聞こえて、セリーナは飛び起きた。
……そう言えば居たわ。
そこにはセリーナよりも先に寮に来ていたセリーナの専属メイド……ジェーンがいた。
ジェーンはセリーナよりも先に来ていた為、魔獣には遭遇していない。
だから、この疲れが分からないのだ。
「ジェーン……少しくらい良いでしょう?」
「いいえ!なりません!今日の夜は新入生歓迎パーティーがあるのですよ!そこでお嬢様の美しさを見せつけねば!」
その言って、沢山のドレスを引っ張り出すジェーンを見て、セリーナは深いため息を吐いた。
「お嬢様の美しい銀髪にはどんなドレスも似合いますからね……むむっ……迷うなぁ……」
そうぶつぶつと呟くジェーンに、セリーナは偶然目に止まった一つのドレスを取り出すと目の前に突きつけた。
「私、このドレスが良いわ!」
そのドレスを見たジェーンは目を見開き驚いていたが、セリーナがそのドレスを着た姿を想像して、納得したようだ。
「お嬢様!素晴らしいですわ!貴女様ならこのドレスも着こなすことが出来るでしょう!」
その言葉にセリーナは妖艶に微笑んだ。
その夜、新入生歓迎パーティーの会場にはドレスコードをした青年と少女で溢れていた。
会場は話し声や笑い声などの騒めきで溢れていたが、不意に静寂が訪れた。
皆、同じ方向を見て固まっている。
そこにいたのは、天使か悪魔なのか。
黒いドレスを纏った絶世の美少女が居たのだ。
漆黒のドレスには金と銀のレースと刺繍がされており、その色の対比が美しく、綺麗に結い上げられた髪にもまた黒い真珠が付けられた髪飾りが付けられている。
広く晒された白い背中や首筋が艶かしく、美しい。
天使のように高潔な美しさを持ちながらも、悪魔のように人を魅せて離さない妖艶さも併せ持つ。
そんな少女……セリーナからみんな目が離せないでいた。
セリーナはそんな皆の視線を感じながらも、毅然と前を向き微笑んだ。
次回も読んでくれると嬉しいです。




