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歩くべき道  作者: 夢見人
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見える人

今日から高校3年生の俺 松野勇輝まつのゆうき

最高学年になったというのに大学勉強や部活動などには一切手をつけず、ただたんにボーっとして、夜になり、また朝がくる。みたいな春休みを過ごしていた。

・・・が!

春休みの宿題、自由研究、お習字など、ここは小学校か!って思うぐらいのくだらない宿題を春休み最終日に発見し、やろうかどうしようか迷ったあげく・・・

結局は友達のヤスに借り あってるかもわからない宿題を写していた。


うちの学校は人数が多く クラスが8組まであって、今までにも「えっこんな奴いたの!?」みたいな事もよくあった。


校門を入ると2年と、3年がワイワイしながらクラス名簿を見ていた。

制服についているバッチが無いとどれが3年生で、どれが2年生なのかがわからない。

一組にも二組にも俺の名前は無く、三組で俺の名前を発見した。


「おぉすっ!」

背中を思いっきり叩き笑顔でこっちに話しかけてきたのは内田安則うちだやすのり通称ヤスだ。

「またクラス一緒だな!」

「そうらしいな」

こいつは馬鹿なくせに場違いなところでしゃしゃり出るスペシャリストだ。

俺が宿題に手をつけてないと聞いて、できてない宿題を適当に終わらして俺に見せた張本人だ。

その気持ちはありがたいのだが こっちには俺のせいで宿題を適当にやらせてしまったという罪悪感が残る。

クラスも2年間一緒で今年を入れれば3年間一緒になる。

「今年こそは彼女を見つけ 大学も受かり 楽しい大学ライフをこの手に!」

「誰に願ってんだよ!」

「誰って・・・神とかかなぁ?」

「とかかなぁ?って俺にきくな!ていうか神がそんなことでお前に力を貸すのか?」

「大丈夫だ!安心したまえ 俺には明るい未来しか見えないぜ・・・」


・・・っよしシカト!


俺はまたボーっと歩き出した ・・・アホはほっといて。


  ドンッ!


肩に軽い振動がきて前にはちびっこい女が立ってた。

髪は黒く長くもう地面に付きそうなくらいの長さだった。


「すみません。」

首元を見ると赤いバッチが煌めいていた。※赤いバッチは3年生

「君・・・三年生?」


顔を上げた瞬間にわかった。

永見美紀ながみみき元生徒会副会長だ。

顔、性格、勉強、料理 どれをとっても身長以外は一番を取れる実力保持者だ。


「はい そうですけどどうかされました?」

永見は笑顔で俺に言った。


    イラっ


「いや何でも・・・」

「そうですか それでは」


そう言って永見はテクテクと歩いていった。


なぜかイラっときた。

完璧な人と呼ばれている永見は完璧だった。


完璧にできた人間などいない でも表では永見は完璧だ でもあいつも人間だ失敗することもあるだろうし、ムカつくこともあるだろう。

その不完全な所を見たくなった。


今日高校3年に上がった俺は見える人になった。

自分が楽しめるものを見つけた。

永見美紀のボロを見る。

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