三章 うとましき客
第3話では石碑龍の休日(平日)の様子をお届けします。
翌日。
祖父母は知人の結婚式にでかけていた。
そして龍は学校に行かずに家で一人。
「ああああああああああああああああああ……」
……
「われわれは うちゅうじんだぁぁぁぁぁぁ」
暇を持て余し、扇風機に向かって吠えていた。
ぐ〜〜〜………
(腹語→日本語)「オーイ、メシヲクレー」
「あ、」
と、なにかに気づいたような顔をする。
すると、スッと立ち上がり、フラフラと台所の方へ歩いて行った。
「んー……これでも食うか」
と言い冷蔵庫から取り出したのは、昨夜の残り物。
その名も『一晩寝かせて熟成されたハンバーグ』。
料理能力皆無な上、外に買いに行くのも面倒な今の彼にとってのエネルギー源は、もはやこれしかなかった。
「チンするか。CHIN」
電子レンジの蓋を開け、ハンバーグを中に入れるとポチッとボタンを押した(ポチッとなの如く)
「………チ〜〜〜ンッ」
龍はレンジからハンバーグを取り出すと、席に着き、赤い箸を右手に持った。
「いただきまーー……」
………
「……(^^)」(にっこり)
………
えっと、………よくわからない何かと目があった。
「ねえ、それ、私にもちょっと分けてよ(^^)」
「え……」
つかの間の沈黙の後、彼は目の前のモノを見て、
「うわああああああっっ!!」
左手にハンバーグ、右手に箸を持ち、椅子を後ろにぶっ倒して、龍は立ち上がった。
「ななな、何だおま……
なんなんななな、、何だお前は!!?」
「えへへ、ねえ、それ分けてよ。すっごくいい匂いがする(^^)」
《ソレ》は龍の反応に構わず、笑顔でハンバーグの共有を求めてきた。
「………イイイイイ…((( ° Д ° ;))ァァァ)」
両手にハンバーグと箸を持ったまま、龍は慌てて台所を出た。
「ねぇーーー! ちょっとでいいからさ〜〜!」
ダダダと廊下を走り行き止まりの風呂場に入ると、鍵をしめ、一息ため息をついた。
「はぁ、……な、なんだあれ、、」
なんかフワフワしてたぞ……グニャグニャで……メラメラだったぞ……何なんだあれは………??
と、漫画とゲームに関するものしかない知識をフル活用し、思考を全速起動させた。
(脳語→日本語)「オハヨウ」
そして皿の上のハンバーグをすべて食べきる頃には、
《アレ》が何なのか……… その答えは出ていた。
箸を置き、手を合わせ(ごちそうさまでしたの念を込めながら。)
そしてしばし目を瞑り黙る。
額から一筋の汗が流れ落ちた……
(彼の脳内……)
どこかで見たことがあると思って
必死に思い出そうとした……
しかしその答えは俺の頭の中には無かった……
いや……
はじめから答えはわかっていたのかもしれない
……
その時、龍はすべてを察した。
ーーーー自分には分からんと。
「「「……わかんねえや ( ° ∀ ° )」」」
彼は、なんかもう……要するにどうでも良くなって、
スクッと立ち上がると、すりガラス戸の鍵を開け、狭い風呂場から出た。
キョロキョロ周りを見渡しながら台所に戻るが、さきほどの謎の生物はすでに家のどこにも見当たらず、
「何だったんだろう……」
皿と箸をテーブルの上に置きっぱなしにし、
龍はニンテンドー64のパワプロを始めた。
(アホな彼は、) やがて《謎の生物》のことは忘れた。
………
「まったく、勝手に行くなとあれほど行ったのに(- -;)」
「ゴメンゴメン。つい、いい匂いにつられちゃって(^^;)」
「アー、僕も食べたいなー、ハンバーグ(°∆°)」
屋根の上でそんな会話が聞こえた。
ツヅケバイイナー( ´Д`)=3
やばい。勉強しないと。(・・;)