1パックの暴虐者たち
第4幕が開かれた──
18男14女の一日は早い。
窓からは暖かい陽差しがテーブルを照らし、淡い藤色のランチョンマットに空のグラスが一つ、
まるで誰かを待っているかのような期待のまなざしで1パックの牛乳が私に訴えかける。
いやいやまさかそんな訳はあるまい。
きっと子供達が朝早くに牛乳を飲もうと出したままにしたんだ。
今の私は大国の王にも匹敵する権限を持っているのだ。
いついかなる時でも余裕を持ち、そして優雅に、何事にも落ち着いて行動する。
そうでなくてはこの子供達の親は務まらない。
静かにチェアーに腰をかけ、自慢の長い髪を風になびかせ、牛乳をとくとくと注いでいく。
そして唇から流れるようにその白い液体を口に含んだ──が、それが運命の分かれ道!!
昨日まであんなにまろやかで優しかった純朴少年は一夜にして口の中を爆走し、舌をビリビリとひっかき回し、あげくの果てには出ちゃいけない場所からも勢いよく飛び出す非行少年へと変貌を遂げていた。
「大変だ! 父ちゃんが白い血を吐いて倒れた!!」
12女が慌てて駆け寄るが、その動線には徹夜して完成させたプラモデルが仁王立ちしていた 転んだはずみに触れる柔らかな唇と唇♡