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二匹の猫が旅と人助けをするだけ  作者: 廃猫エティ
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1話 猫(?)へ転生

爽やかな風がヒゲと耳をなでるのを感じ、俺は目を覚ました。


うぅむ、ここどこだ。

辺りは巨木が乱立しており、少々不気味な空気が漂っている。

当然俺は見覚えがない。それに移動した覚えもない。


最も新しい記憶は少し浮いてたおじさんを殺した所で終わってる。


「ふぁ〜……。ん? 声が……」


欠伸がいつもと違う。

自分の声なはずなのに記憶通りの声音とは似ても似つかない高音だ。


「それに妙に視界が低い……っとと」


立ち上がろうとしたらなぜかふらついて倒れた。そのひょうしに自分の手が視界に入り込んだ。


「お? 手が肉球? 猫? 俺が?」


首を回して後ろも確認。黒く長い尻尾もあった。




何故こんな怪奇現象が起きてるのか分からんが、現在俺は猫らしい。




「猫か〜。猫になっちゃったか〜……」


誰に聞かせるでもなく確認した事実をつぶやく。

はぁ……。ここもどこかわからないし、やることは一つだな。


「おやすみなさい」


とりあえず、寝る。




「ちょっと! なんでまた寝ようとしてるのよ!」


さっき聞いた違和感満載の自分の声よりさらに高いキンキン声が背後から発せられる。

振り向くと、碧眼の真っ白な猫が俺を睨んでた。おぉ、こわ。


「どちらさまですか?」

「どちらさまですって!? 私を忘れたの?」


そう言われても喋る猫なんざ俺の知り合いにいません。近くの神社で可愛がってた白猫には似てるけど。

アオは決して喋り出したりはしなかったが……もしかして。


「アオか?」

「なによ、ちゃんと覚えてるじゃない」


どうやら本人らしい。


「お前、喋れたんだな」

「元々喋れるわよ、アンタ達が理解出来なかっただけ」

「そりゃ言語が違うからなぁ」


あれ? じゃあ俺は今ネコ語で話してるのか? 日本語で話してるのか?

地球の猫は「ニャー」で会話するから、日本語で会話してる現状はネコ語ではなくない?

試しにトイレ行きたいの意を込めて、ネコ語を発してみよ。


「ニャー」

「急に猫の真似なんかしてどうしたの」


伝わらなかった……。


「なんでもない」

「そう? それじゃさっき美味しそうな獲物見つけたから、それ狩りに行くわよ。こんな所でダラダラしててもご飯が用意されるわけじゃあるまいし」

「え、狩り? 俺、猫の狩りなんてやったことないよ」

「なんで猫の狩りを真似しなきゃいけないのよ?」

「え、俺たち猫だよね?」

「違うわよ、私は聖猫、アンタは邪猫」


いや猫じゃん。

何が違うんだ。


「すみません、無知なわたくしの為にどう違うのか説明をお願いします」


得意げで話を始めるアオ。


「しっかたないわね! よく聞きなさい! 聖猫は聖なる猫、邪猫は邪なる猫よ!」


まんまですね、聞くまでもないし、聞きたい所はそこじゃないんだ。


「そうじゃなくて、猫と聖猫や邪猫の違いを聞きたいんだが……」

「そっち?」

「そっち」

「そんなの説明しなくてもわかるでしょ、魔物かどうかでしょうが」

「まもの……? 魔物? 地球に魔物っていたの?」


そういうと明らかに呆れた目をしてくる。


「ここは地球じゃないわよ、何アンタそんな事も分からないわけ?」


むしろお前が知ってることが驚きなんですが。



色々聞き出した結果、ここは異世界で現在地は森としか分からず。

そして俺たちは魔石を体内に持つ魔物に分類される生き物だと分かった。

アオが俺よりこの世界に詳しいのは、転生する際記憶に知識としてインプットされたようだ。

なんで俺にはしてくれなかったんだろ。神の気分かな? そういうことにしておこう。


それより、ゲームを参考にすると魔物を狩る人間もいそうだな〜。

それに見るからに弱そうな猫を狩る魔物界の上位者もいるかもしれないな〜。


はぁ……。寝たい。


「おやすみなさい」

「だから寝るんじゃないっての! 狩りに行くよ!」


叩かれた……。


趣味で書き続ける予定です。

よろしくお願いします。

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