ジェットの独り言
ジェット視点で現在までのまとめです。
僕の名は、ジェット。
獣人の男で、ソフィーナと同じ12歳。
グリナダ学園に通うソフィーナの従者として、メイドのマリーと共に辺境の地を離れ王都で生活をしている。
僕の仕事は、ソフィーナの登下校の送迎や護衛、簡単な雑務とかだよ。
僕がソフィーナと出会ったのは、小さな時だった。
初めて見たときから僕はソフィーナが好きになった。
領主様の娘と、出入りの庭師の息子じゃ身分が違いすぎる。
好きになった所で、どうしようもないんだけどね…
だけど、僕は、ソフィーナの側にいてソフィーナを守りたい。
僕たちは、よく木の下で話をした。
最初はソフィーナは警戒してたっけ。
ソフィーナは僕と同じ転生者だった。
前の世界では、僕は、15歳の時に事故で死んだ。
ソフィーナは28歳で死んだらしい。
二人きりで会う内に僕達は互いに惹かれ合った。
学生の時から酷い、いじめにあっていたらしい。
最後は横領の罪を着せられて……
僕は、ソフィーナに自分が転生者だとは、言っていない。
小学校の時、僕はクラスの奴らとイジメの仲間に入っていたから……言い出せなかった。
この世界では、ソフィーナに笑っていてもらいたい。
僕は、ソフィーナを守る決意をした。
好きな女性が辛い目にあうのは許せない。
学園が終わり、何時ものように迎えに行くと、女の子をソフィーナが紹介してれた。
ソフィーナにクリスって、友達が出来た。
昔と変わっていくソフィーナが嬉かった。
笑顔が増えたのが嬉しかった。
学園内にいるソフィーナを守る事が出来ない自分が歯がゆかったから、友達が出来た事が嬉しかった。
だが、いじめはどの世界にもあるようだ。
僕はソフィーナの部屋でクリスと今後の対策を話し合った。
孤立しない。
過剰に反応しない。
気にしない。
嫌なものは嫌と言う。
ソフィーナとクリスを分断してくる場合もあるので、出来るだけ二人で行動する。
決めたのは、そんなところだろうか。
クリスが自室に帰った後、僕はソフィーナと二人きりになった。
「ジェットと打ち合わせしたい」
そんな風に言って僕とソフィーナで話し合う。
もし、いじめがエスカレートした場合、首謀者と中心人物の始末を協力して欲しいとの事だった。
構わない。
殺すのは、僕がするからソフィーナは、しなくて良いと言った。
ソフィーナは、そんなのダメだと言ったが、いじめをしてきた僕の贖罪だと、僕は転生者だと伝えた。
ソフィーナは驚いた様だった。
僕は、嫌われた。
そう思った。
下を向き沈黙がながれた。
ソフィーナが僕にキスをした。
「ジェットと私は、ずっと一緒よ」
ソフィーナが言ってくれた。
涙が出た。
ある日から、状況が変わった。
アース王子とカイルさんが現れたのだ。
二人が、学園内で、ソフィーナとクリスを守ってくれているようなのだ。
安心と不安で胸が痛い。
王子様がソフィーナの側にいる。
嫉妬でおかしくなりそうな時もある。
感謝もしてる。
一緒にいて、アース王子は、いい人だ。
……だから、困る。
クリスはカイルさんと最近仲良く一緒にいる事が多いし……王子が好きだったんじゃないの?役に立たない。
アース王子のソフィーナを見る目が、好きな人を見る目に見える。
不安だ。
そして、最近、僕の下着とか無くなっているのも不安だ。
今回はジェット視点で進みましたが、他の人物の視点での話もやってみようかな?
それでは、今回も見てくださり、ありがとうございました。
次回も乞うご期待。