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契約成立

ソフィーナとアリーナの初の直接対決です。

前世で自殺に追いやった人物とは知らないソフィーナは?

アース先輩と、みんなで食事してから数日、学園では相変わらず、私とクリスは浮いた存在だ。

先生も何か、よそよそしいが特に被害はないので気にはしない。

昼休みには大概、私達とアース先輩達とで過ごす事が多い。

放課後は、ジェットを加えて五人で遊んだり一緒に帰る。

そんな毎日が続いた。

クリスはアース先輩、アース先輩だし、カイル先輩はジェットと二人きりになろうとするし…大変だけど、楽しい日々だ。



午前の授業が終わった。

今日も、いつもと同じ様に、私はクリスと昼休みに中庭に行こうとしていた。

その時、アリーナが一人で私に近づいてきた。

「ソフィーナさん、ちょっとよろしいかしら?」

アリーナが笑顔で私に話しかけてきた。

どうせ何か企んでいるんだろうが…。

「クリス心配ないから、先に行ってて、すぐ行くからね」

そう言って、クリスを先に行かせた。

教室を出るときにクリスが、

「早く来てね。アース先輩きてるかも」

と手を振った。

後ろでアリーナの舌打ちが聞こえたような気がした。

アリーナの取り巻きを含め昼食の為、みんな教室から出ていく。


教室に私とアリーナの二人だけが残った。


「ソフィーナさん。貴女、どんな手を使って王子を、そそのかしたのかしら?」

アリーナの言葉が理解できない。

王子?

そそのかした?

何の事?私が混乱しているとアリーナがイラついた口調で話を続ける。

「田舎者の癖に、とんだ野心家ね。…王子と寝たの?」

は?何を言って…私達まだ、12歳でしょ?

さっきから、王子、王子って何の事よ?

「アリーナ様、ちょっと何をおっしゃてるのか解らないのですが?」

私は、意味がわからないので、そう聞くと、私の胸ぐらを掴んできた。

「惚けてるんじゃないわよ。あんたの家なんか私が一言お父様に言えばとり潰せるのよ?」

権力者の娘は、これだから…。私は怒りがこみ上げてきた。

「離してよ」

私は、力一杯アリーナの腕を振り払った。

アリーナは、急に振り払われたので転んでしまった。

「アース王子と寝たんでしょ!」

アリーナが座った姿勢で叫んだ、

「何を言って…」

寝たとかホント、何を言って…

王子?アース先輩が?

私は混乱した。

なんで、王子が私達なんかと遊んでくれてる?

なんで、気軽に話をしてくれる?


ピシャッ!

混乱している私の顔を、アリーナが叩いた。

「汚い女だよ! お前は!」

なおも叩いてこようとするアリーナ。

「やめて」

私は、その手を掴む。

「離せ!」

アリーナは、もう一方の手で叩こうとしてきたので、そっちの手も掴む。

「アリーナ様、さっきから何を言っているんですか?

アース先輩が王子だなんて?

暴れないで落ち着いてください」

アリーナは、ふーふー言いながらも、手に力が抜けたので、私は掴んでいた手を離した。

「アースは、グリナダ王の隠し子よ! お父様に聞いたから間違いないわ

公式のパーティーにも出てないから、私も気づかなかったけど…あの男、妾の子供の分際で…」

アリーナは怒った口調で言った。

「王位継承の見込みのない男と精々乳繰りあってろ! 私は、このバカばかりの世界で成り上がってやる。お前! その時は、お前も、あの男も地獄に送ってやるからな」

アリーナがそう言って笑っている。

私は、教室を出た。



クリスとアース先輩が笑って話をしている。

クリスが知ったら、あんな風に笑って話が出来るのだろうか?日本にいた時と違ってこっちは身分制度が厳しいからなぁ。

そんな風に思いながら私はアース先輩の前に歩いて行く。


「アース先輩、ちょっといいですか?」

アース王子は私の様子が何時もと違うのに気づいて、立ち上がる。

「ソフィーナどうしたの?」

クリスが心配そうに私に話しかけた。

「カイル先輩と待っててね」

私は笑ってクリスに言ってから、アース王子と離れた場所に移動する。



ベンチに二人残されたカイルとクリスが並んで座っている。

「カイル先輩~、ソフィーナ告白するんじゃないですかぁ」

クリスは泣きそうな顔でカイルに言った。

「クリスは、アース様の事が好きだからね~」

カイルがクリスの顔を見て言った。

クリスは顔が赤くなった。

「カイル先輩知ってるくせに、…ジェットの情報渡しませんよ」

クリスが意地悪な顔つきになって言った。

「クリス…知ってたの?」

カイルは冷や汗を流す。

「解りますよ」

クリスはニヤニヤしながらカイルの反応を楽しんでいる。

「あの日、チューしてましたよね~。私、起きてたんですよ」

クリスの言葉にカイルは、姿勢をただして目をつむり、

「そうだよ、俺はジェットが好きだ。一目惚れだ」

開き直って言った。

「カイル先輩」

カイルはクリスに顔を向けた瞬間、

「それは!」

カイルは絶句し、クリスがポケットから出した物をみた。

「さすがですね。そうです、私が、ジェットの洗濯物から拝借してきた…」

クリスがヒソヒソとカイルに話す

「ジェットの、…パンツ」

カイルの目の色が変わる。

クリスは物をポケットにしまう。

「取引です。私は、カイル先輩とジェットを応援するため、ジェットの情報を渡します。カイル先輩は、アース王子と私を応援してください」

カイルが黙って手を差し出す。

クリスは、その手を握り契約が成立した。

物の受け渡しが済んだ頃、ソフィーナ達が戻ってきた。



「クリス、貴女知ってたの?アース先輩が王子だって事」

私は、神妙な面持ちで聞いたら、アース王子が、

「えっ?クリスは知ってるよ」

って言うから慌てて戻ってきた。

聞くと、クリスは、カイル先輩に聞いたそうだ。

早く言って~、心配して損した。

「最初はビックリしたけど、でも、思い当たる節もあったよ」

クリスの言葉に私は、自分が鈍いのかと少し落ち込んだ。

しかし、クリスとカイル先輩って仲が良いね。


みんなでランチを取りつつ最近の出来事とか今日の放課後の計画を話たりして昼休みが終わった。


今日は、アリーナとちょっとあったが、午後の授業も終わり、何時ものようにジェットの馬車にみんなで乗ってワイワイ言いながら王子を送ってから帰宅した。

アース王子の家に着くまで、カイル先輩がポケットに手を入れて、ハァハァ言いながら馬車を運転するジェットを見ていたので気持ち悪かった。


しかし、アリーナは私達を、なぜか相当恨んでるようだ…気をつけなきゃね。

と、私はジェットとクリスを見て思った。

今回はソフィーナはアリーナの前世を知らないですが、そのうち。

後、カイルとクリスが契約しました。

クリスが逞しくなっていく…

気に入ってもらえた方は、評価、感想、ブックマークをお待ちしております。

では、次回も乞うご期待。

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