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第5話

待ってくれ!!

登校までに時間がかかるかもしれないのはある程度予測ができたのだが、玄関を開けたその瞬間にtheモブキャラなやつが目に飛び込んできた。


「兄貴ーおはよーございまーす!なんでそんなシャバいかっこうしてるんですか?兄貴身なりは大事っすよ。下のものに示し付きませんから!遅刻なんて気にせずきっちりしましょう!」


顔も知らないそいつの一言でスタイリストさんみたいな人達が家にはいって来て着替えさせられ、髪型とかも整えられる。


母親は朝から忙しく不慣れな客人にお茶とお茶菓子を振る舞うがお礼に頂いた差し入れが価値が違いすぎて口を開けたままフリーズしている。


このTHEモブキャラは同級生なのか下級生なのかわからないが、今朝のニュースを見てやってきたボンボンツッパリかなんなのかそれすらもわからない。


だが、

「おっけーです!確認お願いします」

の声と共に埃にまみれたた身鏡に写ったおれはtheつっぱりだった。

刺繍の入った長いコートみたいな丈、首元のピンッとソリたった襟部分。サルエルパンツとは違う形状でボタついたパンツ。昔のヤンキー漫画に出てくる様な衣装。

それぞれの名称なんてもひや知らないがこれに身を包むだけでだれでも強くなった気分になれるだろう。

たぶん髪の毛セットしてくれた人もプロの方なんだろうまるで山の様に前髪をあげながらも後方部に流して、そこから氷柱のように数本落とされた前髪。

うまの鬣の様な後ろ髪。


埃にまみれた身鏡に写っている姿でさえも誇らしい。

サラリーマンがネクタイを締めた時、

現場職人が頭にタオルを巻いた時、

仕事モードに切り替わるやる気スイッチがそれぞれあると聞いたことがあるが、

無形文化遺産。悪くねぇやって少し思ってしまった。


俺はよ!俺様よ!形から入るタイプだから。


今にして思う。それはただ場の雰囲気に流されてしまう人間なのだと。

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