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18・選ぶべき道

先程までは楽しく食事をしていたレストラン。

そんな時を過ごしたホテルの前で、静かに戦いは始まっていた。


天使は走り出す。片手に剣を持って。

微かに浮かびながら、風を切る速さで死月に近づいた。

華が舞い、風が揺れる。

一瞬の内に、死月の目の前に足をつけた。

「ぼーっとしないで」

天使は低い綺麗な声でそう言うと、剣を死月の顔に切り付けた。

どんっ

「・・・!」

死月は押されて、頬に軽い切り傷を負うだけですんだ。

その代わりにバランスを崩して吹っ飛んだ。コンクリートにぎりぎりと滑る。

コンクリートの摩擦の牲で、死月の穿いていた黒いジーパンが所々破れていた。

「華人様・・・!やめて下さい!」

今にも消えそうな、かすれた声で藍依は叫んだ。

藍依が死月を押した後に、天使の前に立ちはだかるようにして藍依は立っていた。

死月を庇うその行動に驚きながらも、冷たい瞳で言い放った。

「藍依ちゃん?・・・あなたに関係ないの」

天使はふっと笑って微笑んだ。

憎しみの込めた不恰好の笑顔。綺麗に笑う華とは似つかない笑顔だった。

その笑顔を見て藍依が眉をひそめる。

「…あなたは本当に華人様ですか?」

藍依を愚かに見下しながら答える。

「そう、あなたとずっと旅をしていたのは私よ、一人ぼっちのあなたを救ったのも私。

あなたに利用価値があったから今まで一緒にいたのよ。もう必要ないけど」

「・・・!」

藍依も目元が下がり涙が滲んでいく、悔しさで胸が張り裂けそうになる。

「あなたなんかじゃない!華人様は、そんなお人ではない!

違うんでしょ・・・あなたはただの人工天使でしょ・・・」

目に涙を溜めて話しかける。

そんな藍依を見つめて、ふうとため息をついた。

「お馬鹿な藍依ちゃんに教えてあげる。私は犠牲になった複数の少女の魂と聖霊が融合した姿。まあ、あなたの言うとおり人工天使と呼ばれている。

前の姿は、音憂って子の意識が強いみたいだから、音憂って子の姿で生きていたわ。

でも何も変わりはしない・・・あなたが慕っていたのはこの私だもの」

苦笑を浮かべながら話す天使に、藍依は絶望した。

――自分の憧れていた人がこの人だったなんて・・・

藍依は零れた涙を手で拭った。そして目を瞑って息を整える。

澄んだ瞳できっと睨みつける。

「分かった」

「そう、じゃ離れていて。精霊にこの星を滅ぼされるのなんて、あなたも嫌でしょ?」

死月は立ち上がって藍依に話しかけた。

「あぁ。藍依・・・離れてろ」

藍依の後ろから聞こえてくる声。

――死月・・・

「さあ、どきなさい」

――華人様・・・



正義ぶっている悪魔のような華の天使・一瞬で世界を滅ぼす事ができる月の精霊

――――――――天使と精霊あなたはどちらを選びますか?―――――――――――――――




お読み下さってありがとうございます!

さあ、藍依はどちらの味方になるでしょう?

すみません!華…というか天使?の過去は

もうちょっと先になります!

すみません。こんな作者で・・・。

次回も宜しければ見て下さい。

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