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13・驚きの声

今回、藍依の本性が現れます…。

夕暮れ、海の波立つ音。

青年と華人は海辺に座っていた。

座っているというよりも、華は青年の肩に寄りかかっていた。

華は眠たそうな表情、そして幸せな表情だった。

金髪の彼は、照れたそぶりはなく真っ直ぐ海を見ていた。

遠く遠くを見ていた。


久しぶりの本当の再開。

秘密や疑問を抱きながら、お互い何も聞かなかった。

いつか嫌でも分かる日が来ると分かっていたから。



 *◆◇◆*


しばらく時は経ち・・・


「華人様…っ」

走りながら藍依が近づいてきた。

「ここに居たんですね」

少し息を切らしながら、藍依は言った。

そして華人に目を向けた。

「・・・」

藍依は目をぱちくりさせた。

肩を寄せ合う2人・・・


藍依の思考回路☆選択肢編

1.無難に、昔の友達

2.実は!生き別れの兄弟

3.もしかすると、友達以上恋人未満?

4.ありえないだろう、隠し子

5.禁断。そして絶対あってはならない、恋人関係


「もしかすると、あの、お2人って…?」

青ざめた顔で恐る恐る聞く。

「鯉人?」

字違うから。

つまり、『恋人』と平然に金髪の青年言いましたー!

「そんな事って…」

愕然とする藍依。

落ち込む藍依に投げかける言葉。

「ん?もしかするとお前ってレズだった?」

プッチン!

藍依の堪忍袋が切れました!



☆藍依の性格が豹変するのでご注意下さい。


「ふざけんなってぇーの!」

彼の胸倉を掴む!

「今頃しゃしゃりでて何言っとんじゃー!」

ぶんぶん振り回す!

「しかも、何故金髪になんだー!」

あまり関係ない。

そして彼を地面に叩き付けた!

叩きつけられた彼、実のとこあまり痛がっていない。

「・・・なんだよ」

「あほ、あほぉ」

ぼろぼろと泣きながら、その場に崩れる。

「お前が、華人様の言っていた人だったなんて…」

呆然と藍依を見る。

確か、前までは大人しいクールな子だったような・・・

「藍依、性格変わってるぞ」

藍依は涙を手で拭きながら答えた。

「だって…好きな人の前では可愛くなりたいから」

「へ?俺のこと」

「違うわい!華ちゃんのことだよ」

「華ちゃん?」


 *◆◇◆*


俺は華から話を聞いた。


どうやら2人は見た目以上に仲が良かったらしい。

藍依は、華人に助けられてから一目ぼれしてしまったらしく、

昔に想いを堪えきれず、告白したらしいが

華は「私、大好きな人がいるの」と言って断ったらしい。

それは俺の事らしい。少し照れるけどな。


あともう1つ分かったこと。

やっぱり、俺の記憶のあの少女は、華だったって事。

疑問の1つがあの頃と年が変わっていないような・・・

まあ、あえて聞かなかった訳だけど。

色々あったからな。しょうがねぇよな。



 *◆◇◆*


今は夜。近くのホテルに泊まる事になった。

相変わらず藍依はいじけていてさ。ふう…めんどくせぇ。

俺はご機嫌をとろうと藍依の部屋の前に居るわけだけどさ。

「おーい」

とんとん・・・返答なし

ま、粘るわけだけどさ。

「藍依ちゃーん」

とんとん・・・

「キモイ」

うっ・・・何気に傷つくから。


よし、強行突破。

「つーか入るぞ」

がちゃ

ばたばたばたっ!

おお。足速いな。

「何入って来てんの!」

「しょうがねーじゃん。開けてくれねぇんだもん」

「・・・」

「話できればいいからさ、ここにいてもいいか?」

「…分かったよ。」

よし、じゃあ本題にはいるか。

「でさあ…」

ぴと

「ん?」

藍依が俺の手を握っている。

「寒い…よね。中、入って」

「あ、ああ」


やっぱり優しい奴なんだよな。藍依って。



よいしょっと

俺は椅子に腰掛けた。

「話って?」

「まあ話っていうか。礼が言いたくてさ」

「礼…?」

「俺が死にそうな時、助けてくれただろう」

「う、うん」

ん?何でそんなに歯切れが悪いんだ?

「でも、あれは華人様が助けたようなもの。私は何もできなかった」

「華?」

「その事は、私もよく知らないけど」


「華人様は天使を宿しているみたい」

天使?

「人工天使って知ってる?」

「・・・知らない」

「人工天使というのは、たくさん人の魂と聖霊を紡ぎ合わせて

人工的に作ったものの事を言うの。

昔、天使虐殺と言う事件が起きて、たくさんの人が命を失った。

何者かが天使を作る為だけに企画された儀式…」


藍依は色々その天使について説明してくれた。

話している時、藍依は悲しそうな顔をした。

言葉から憎しみも感じられた。

「それはともかく、華人様は天使の宿り主として選ばれた…と思う

天使は何者も癒し、気高い力を持つと言われているから」

「あなたを助けたのはその天使だと思う」

「それって華は大丈夫なのか?」

「分からない…最近に起きた出来事だから本にも載っていなかった」

「華に聞いてみる必要があるな」

あいつが本当の事を言うとは限んねぇけど・・・

「ありがとな…ってかさ藍依に渡したい物があるんだ」

「?」

ふっふっふ。これは藍依も喜ぶだろう。

じゃじゃじゃじゃーん☆

「人形ですか?」

あ、敬語になってる。

「小っちゃいけどお守り、藍依には青い兎人形!」

「か、可愛い」

お、よかったよかった。

「ほい」

「ありがと…です」

ご機嫌取り成功か?


「んじゃ。頂戴ちょうだい

「お金ですか?」

「おいおい、あげたもんに金取るって俺何者だよ」

「あ、そうですか。では何を?」

俺は自分を指で指した。

その瞬間、藍依は顔が真っ赤になった…何故に?

「名前ですか?」

「ん。そうそう」

「覚えていたんですか」

「藍依こそよく覚えてたよな」

「ずっと考えていたんですよ!なのに急に郵便屋さんに戻っちゃったし…」

「わりぃわりぃ」


「郵便屋やめて、これからはお前らとずっといるから…するべき事もあるしさ」

「…はい。分かった」

ん?言葉変だぞ。

「それでは、名前言います!」

「あ、ああ」

言いたかったんだな…


梓月シズキです!

練りに練ったこの名前!あなたが静雄にこだわっていたので、

そこも配慮しました!」

ああ…そんな配慮を、わざわざどうも。

梓月シズキ…か。何か良いじゃん。(静雄シズオより)ありがとな」

「はい。どういたしまして」


そう言って藍依はにこっと笑った。

以外に子供っぽい藍依とも仲良くやっていけそうだ。

これからも、こいつらと一緒にいるつもりだ。

華を守るっていう事もあるし、(っていうか、なんで華狙われているんだ?)

俺のやるべきこともあるし。


これからも色々ありそうだな。







読んで下さってありがとうございます!

今回のタイトルの「驚きの声」は

藍依の性格変わった事をいいます。

そして、ついに名前が決まりました!

ちなみにですが、彼の髪はこれから金髪です。

(前は黒髪でした)

金髪と名前がこれからの話のキーワードになります。

主人公は梓月という名前です。

次回も宜しければ見てください。^^

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