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11・蘇る記憶

今回はシリアスです。

少しダークかもしれません。

「んだとてめえ・・・!」

男達は次々に彼に向かって拳を向けた。

「よっと」

軽くかわして、相手の力を上手く利用し地面に転ばせた。

そうしている内に後ろから、2,3人武器を持って襲い掛かってきた。

素早く振り向き、武器の持ち手を、まず手で弾く。そして、相手の足を上手くかけて転ばす。

隣にいる奴に足で、持っている武器を蹴って吹っ飛ばす。

「武器飛んだからさ!藍依よろしく!」

「は、はい」

そう言って、見事に3つの武器をキャッチ。

「おーナイス」

彼は藍依を見て、親指を立てた。

そんな暇、今ありますか・・・。


「後ろです!」

華が叫んだ。


「?」


――ザクツ

彼の腹部に刃物が刺さっている。

鈍い痛みが走る。

血が彼の服に滲む。そしてぽたぽたと落ちる。


ガツツ!

「・・・ざまあみろ」

彼の首は男の足に踏みつけられていた。

彼は喉に強い圧力を感じた。

「・・・いってぇんだけど」

喉を足で押されているため声が出にくい。

そして発音になってない声で呟く。

ぎりぎりと痛みが走る。

わりぃ・・・」

「は!せいぜい仲間に別れを告げろや!」

抑制セーブできなくて」

「・・・は?」


ガンツ!!

「うっ!」

「どけ・・・」

低い感情を抑えた声で呟く。

彼は手で男の足首を掴んだ。握力はどんどん強くなる。

「・・・っ」

男の顔はどんどん引きつっていく。

「やめろお!」

「骨・・・折れるかもな」

にやっと冷めた表情で笑う。

彼は気が狂ったように、相手に力をぶつけた。

何かを守るために、何かを失わない為に。

もう手遅れにならない為に・・・。


少し時間が経ち現在、大勢の男達が横たわっている。

男達はぐったりと荒い呼吸をしていた。


彼の姿を見たら一目瞭然だろう。

まず目つきが違う今までに無い、力強い瞳。

黒い瞳は濃さをましていく。

次第に髪の色が薄くなっていく。

黒から灰色・・・白・・・

グラデーションの様に色が移り変わる。

今には綺麗な金髪となっている。


「・・・こんなもんか」

ぱっぱと手を払う。

心配そうに藍依が見つめている。

何かが変わってしまった、それとも記憶を取り戻したのだろうか。

彼を見て、藍依は考えていた。

藍依は恐怖より驚きの方が強く感じた。

この人はさっきまでのあの人ではなくなっている・・・。

どうして・・・。

不安と疑問が藍依の頭から離れなかった。


彼が後ろを振り向くと、丁度華人と目が合う。

華人は目が合うと、ばっと視線を背けた。

そんな華人を不思議に思いながら彼は華人を見つめた。

「久しぶり・・・だな」

華人に一歩一歩近づく。

「・・・君」

「あ?」

「私は知らない」

華人は俯いた。手を強く握る。

「知らない・・・から!」

そう言うと、華人は走り去ってしまった。


彼女の目には涙が溢れていた。


「なん・・・だよ。あいつ」

彼はそう言うと、目を瞑りしゃがみこんだ。

うっ・・・

ズキンと傷口が痛む。そして酷く重い頭痛がした。

彼は額に手を押さえる。

時間が経つにつれ、髪はどんどん黒くなっていく。

彼から放つ、凄まじい殺気は薄れていった。


はっと意識が戻る。

「・・・俺、何したんだ」

彼は、飛び散っている紅い液体を呆然と見渡した。



*◆◇◆*



置いてきたの。


忘れるつもりだったの。

心を痛める思い出なら、消してしまおうと。

1人だけ抱え込む事は辛いけど。

君が笑っていたから。

だから

又、新しい気持ちで接しようって思ったのに。


でも覚えていたんだ…。君は。

記憶の片隅で。

それに、さっきみたいになってしまったら。

思い出してしまったら君は、どうなってしまうだろう。

前…見たいに…?

ううん

…できない。

今更、前と同じようになんてできないよ。

戻せないよね。

許されないよね。


私に見せないで。昔のあなたの姿を。

思い出してしまうから。


心、許してしまうから。












お読み下さって、ありがとうございます!

今回の見所はもちろん、彼が変身しました!(笑)

どうしたんでしょうか。

彼の記憶が戻っているようですが・・・。

いつか思い出す日が来るのでしょうか。

次回も宜しければ見てください。^^



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