1・忘れた過去と記憶
前の連載とは大きく変えたいと思います。^^
明るく・面白く・読みやすくを目標にして
頑張ります!
目に浮かぶのは1人の少女
いつも隣にいてくれた。君は僕の生きる証だった。
大切で大切で、ずっと傍にいたかった。
淡い桜色の髪。大きな紅い瞳。微笑んだ表情がとても可愛くて、
ひたむきで無垢な心には何度も助けられたんだ。
ずっときみを守っていきたいと心から願ったよ。
君は誇り高い『華』だから。僕の憧れだったから。
下を見ないで。空を見上げて欲しかった。
――遠い遠い綺麗な蒼い空に
キミの目指すものが絶対あるから――
「…ううん。違うよ。キミだけ…君だけがいればいいの。」
春の華。満開に咲き誇る頃。
少女の言葉が、揺れる春の空に木霊した――
*◆◇◆*
夜を越え新しい太陽が生まれ、暖かい光が地上に射した。
綺麗な空。透き通った空気。爽やかな風が吹き渡る…
「んー。いい朝だなーー!」
・・・
「っていうか!ここどこだ!!!」
青年は広がる草原に倒れていた体を起きあげ、不意に叫ぶ。
だがそれは仕方ない。
誰だってそんな状況になったら気が動転するだろう。
ここは思っていた世界…自分がいるはずだと思っていた場所とは全く違う景色だった。
青年は、はっとして辺りを見渡す。見たこともない風景に戸惑いを隠せない。
「…あの雲 カレーに似てんな。 」
・・・?
彼は現実逃避をしているのだろうか。
「あはは!! あれ ぜってークラゲにみえる!」
1人で異常な盛り上がりっぷりを見せている。
雲は絶対クラゲには見えない。
何が可笑しいのか、幸せそうに笑っている。
ここまでで分かると思うが、この青年はかなり変っているようだ。
一般人は異国に突然来てこの行動はしないと思われる。(そんなシュチュエーション滅多にないとは思うが・・・)
青年はしばらく1人遊びを続けた。2時間経過・・・あきないのだろうか。
そして、充分1人遊びを満喫したのか背伸びをして、今度は真剣に悩み始めた。
瞳は真剣そのものである。先ほどの表情とは似つかない表情だ。
やはり先程の態度は、いきなりの事に頭が混乱していたのだろう。
「今日の昼メシはどうすっかな…」
前言撤回!彼は平常がこれらしい。
それにしても、どうでもいい事を考えてるんだな…。
彼はメニューが決まったのか、ポンと手をおいた。
「よし!」
と気合をいれて遠くに見える街に向かって歩き出した。
その足取りは軽く少年のような姿だった。
順応性があるのか、もうこの世界で暮らそうと準備をしていた。
その前に、腹ごしらえらしいが…。(こんな主人公で真に申し訳ない)
彼は賑わっている市場に着いて、買い物をしていた。
「あれだな。今日はカレーとごはんだな…っと あ そっか…ここ米栽培してねえのかよ」
あいたーとでも思うように額に手をおいた。
余程落ち込んでいる姿から、彼は米好きらしい。
そう、今彼は言葉も通じない国で、堂々と買い物をしている。
誰からか貰ったの!?手提げのエコバッグをもっている。
そのバッグにはジャガイモ ニンジンなどカレーに使う材料が入っていた。
着々と集めているらしいが・・・。
どうやって買い物をしたのだろう?
次にカレー粉を買おうとしていた。
買い物方法は、ジェスチャーで見事にコミュニュケーションをとって、見事に値切る事にも成功し ていた!店の主人もキミには負けたよ…みたいな表情をしている。(どんな主人だ・・・)
するとここの世界では使えないだろう通貨なのに、ポケットから平気で代金として渡した!
それは無理だろうと誰もが思う瞬間…。
主人はコインをしばらく眺め、瞳を光らせた…緊張感が漂う…。
運が悪ければ、警察行きなのでは・・・?
払った本人ではなく、その状況を見ていた野次馬達が冷や汗をかく…。←おいおい!
「○*@▲;+!!」(まいど!!)
営業用?にこやかスマイル♪
店の主人、いいのですか、それで…。
「♪〜」
彼はじゃがいもをナイフで切っていた。
目的通りカレー作りは達成されている。
彼は以外に器用で、料理の腕も中々の様だ。
りんごも兎ちゃんにしている。
カレーに使うのだとしたら、意味無いと思われる。
「どこで料理してんじゃ!」という人もいるだろう。
お答えしよう。ここはどこかというとキャンプ場である。
現在、彼はキャンプ場を借りて生活しようとしていた。(それは駄目ではないのだろうか・・・)
「バイトも始めねぇとな…」
野菜を切り終え、焜炉に火をつける。彼はふうとため息をついた。ちょっと落ち込み気味の
姿は、先ほどのはから元気だったのかと思わせるぐらいだ。
彼は共同の洗い場で料理をしているのだが、少し離れた所に5,6人の女性が
彼を見ている。
視線に気付かない彼。
女性達はここのキャンプに泊まろうとしている友達同士らしい。
じ〜。
女性達の目に映る彼の姿は、さらさらの黒髪、鋭い瞳、高くすらっとした体型。
少し複雑な事情をもって苦労をしている青年に見えるらしい。
まぁ、あながち嘘ではないが…。
「やっぱ、米は売ってなかったなぁ…これで、米があればぜってぇうまいのになぁ…ま 仕方ない か、今は我慢だな。」
異国に来て初めて後悔している言葉、なんて情けないだろう。
しかし彼の言葉はもちろん彼女達には分からない。
「#<@〜:*」(人生に悩み耽っている所がかっこいい♪)
これこそ知らぬが仏である。
彼に惚れてしまった、行動派の女性1名が、青年の近くに接近!!
「+*」(あの…)
「ん?」
青年はカレーをプラスチックの皿(キャンプ場で借りたもの)に自分の分を盛り付けていた。(特盛り!) 彼は痩せている割に大食いらしい。
彼は近づいた女性を見て、
「ああ。はら減ってんのか。」
彼はお皿に盛り付けスプーンもつけて、女性に渡した。
下心はないらしく善意らしい。
「?」
思わず受け取ってしまった女性は
ぺこっとお辞儀をした。その姿を見た青年は屈託のない笑顔を見せた。
「厳しくてもホームレスとしてお互い頑張ろうな!」ぐっと親指を立てる。←勘違い
「!!!」
笑顔もまたかっこいい!
えっと、彼の国の挨拶では親指を立てて挨拶するのかしら…でも返さなかったら失礼よねっ!
「#$℃!」(ありがとうございます!)親指を立てる!←俊足で走り去る。(何故?)
「おー!はえーな」
俊足の彼女を見て、呟いた。
(この国でもホームレスっているんだな…よし!俺もがんばろう!)←勘違い
彼は心の中で呟いた。
*◆◇◆*
へぇー。バンガローって以外と広いじゃん。
ランプをつけて、布団を敷いてっと。
ふあ〜。なんか今日色々あったなぁ…。疲れたぜよー。
バイト探さなきゃな…金もやばいしな。
でも、本当にポケットに金が入ってて良かったな〜。すっげーラッキー。
俺って何しに来たんだ…?ここまで来てまで。
何か忘れてる気がすんだよなぁ…。ま いっか。
彼に出会うため。
桜吹雪が舞い 華の天使が舞い降りる…
お読み下さってありがとうございます!!
謎が多い物語になると思います。
ですが、読みやすい文章で書けるよう頑張ります。
華天使は次回登場します。