小林裕也
今日もいつも通り私と美穂はいつも電車に乗っていた。
(あっ、くる、、、、、)
電車のホームには小林裕也くんと仙石隼人くんがいつものように立っている。
ーー裕也〜、古典の課題やったか~?
ーーやるわけねーよ
ーーだよね~〜
ーー何限目だっけか?
ーー3!!
こういう、たわいの無い会話でも、声が聞けるだけで、1日がんばれそうな気がする。
私の課題みせよっか?って言いたぃ。
けど、私にはそんなに勇気はなかった。
そして、やはり話しかけれず今日に着いた。
ーーだれかー!俺と祐也に古典の課題見せてくれ~〜!!
教室に入ってきた隼人くんが、クラスの子達に頼んでいた。
ーーごめんー!私もやってなーい!
ーー私も〜!!
ーーやってこれば良かった~ 私もやってない!ごめん!
ーーみんなやってないのかよ笑
こんなに仲間がいるなら、大丈夫か な?とか思っちゃうね!
やはり隼人くんと裕也くんの力は大きい。何人もの女子が古典の課題をやって来てないことを、見せてあげれないことを とても悔しがっていた。
ーーナツ!あんたやってあるんでしょ!
美穂がとてもすごい勢いでとんできた。
ーえ、、あうん。、いちようは
ーーやっぱり!!あんたほんと真面目だもんね!! ほらここチャンス!!ノート見せてあげておいでよ!!
ーええ!?!?無理だよお!あんな女子に囲まれてんのに、その中に入り込んでいってノート貸すとか、、、
正直、、貸したい気持ちは大きいが女子の目線がとても怖い。
ーーそんなこと言ってたらなにもできないじゃん!
その女子達にも貸してあげれば大丈夫でしょ??
ーそっか。
そだね!!!少しは私も頑張らなきゃだしね!!
(うん。大丈夫。ノート貸すだけ。、、、)
ーーやばいやばい。。、先生くるじゃん!
隼人くんが焦ったようにいった。
ーーもう、、無理か 俺諦めるわ
裕也くんが、ノート借りるのを諦めて席に着こうとしていた。
ーーあはは!あきらめるの はや〜い
7人ほどの女子が裕也たちの周りにあつまっている。
声を振り絞り、できる限り大きな声で、いった。
ーあっあの!
私のノート、全然綺麗じゃあないけど、よかったら使って!
しかし、届かなかった。
ーーきゃはは!!
裕也くんって字めっちゃ綺麗なんだ!
ーーねー!!!いがーい!
ーあの!!!ノート!、、、
ーー 裕也くん、習字とかやってたの?
、、、ん??これは聞こえてるんじゃないのかな?、、、、あ、この子達は古典の課題が忘れようが忘れないがどうでもいいんだ!
いつもは、あまり話しかけれない裕也くんに話題があるうちに話しかけたいだけなんだ、、、
自分の席、もどろっかな。
[まって!!!!!]
後から手首が掴まれた。
ーー夏目!ノート貸してくれようとしてた?
ーえ、あ、う、うん!
でも、そんなに綺麗って訳じゃ…
それをさえぎって、隼人君はいった。
ーーまじでか!?サンキュ!!
課題出さないと、居残りりさせられてさ 部活行けなくなるとこだったからマジ助かったわ!ありがとう!!
なぜだろう。ほんとになぜ彼はこんなにも、私の心を掴むのだろうか。
頑張って話しかけたのに気づいてもらえなかった。、、ノートはいらなかった、それを彼は一人で全部を変えてくれた。助かったと、ありがとうと言ってくれた。私が貸しに行ったのに気づいてくれた。
ほんとに、小説や漫画の中だったとしたら、彼は主人公なんだろうなとまで思えてくる。
ーーどう?渡せた?
ーうん!!
美穂は驚いたように言った。
ーーえ、まじ?、、どうせ渡せかったっていって戻ってくると思ってた!
ナツも成長したねぇ!
ーでしょ!
でもね!!隼人くんのおかげなの!!
ーーへぇ!!隼人くん、やっぱいい人だね!!!!
ーだねー!
(あ、隼人くんがこっちくる。、、、、)
ーー夏目〜!はいこれノート。
ほんとありがとう!
ーーううん!、私がノート貸しにいってるって気づいてくれて、こちらこそありがとう。
ーー、、、、あっそれね!!
それ俺じゃないんだ
女子と話してたらさ、裕也にノート貸してくれるって言ってんだろ
ちゃんと聞いとけやって、怒られたんだよね、、、
ーえ??裕也くんが?、、、
ーーそーう!なんかかなりピリピリしてたんだよな。
せっかく、夏目がノート貸してくれようとしてたのに気づくの遅くてごめんね!
ーあ、ううん。、全然大丈夫。
え、、祐也くんだったんだ。あんなにほかの女子に囲まれて話しかけられてたのに、私のこと気づいてくれて、隼人くんに言いに行ってくれたんだ、、、
私、嫌われてると思ってたけど、怖いと思ってたけど、そんなことないのかな、、?
このことを境にだんだん裕也くんの、優しさに私は気づき始めることになる。
だけど、決して裕也くんとは話すことは無かった。いや話しかけてもこたえてくれることはなかった。あの時のノートも、私のを写した隼人くんのノート見てたし、、、
どうしてなのだろうか。