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GAME  作者: 中川 はじめ
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NEW GAME

特にないっす。w

目を開けるとまず目に入ったのは黒だった。

起き上がって周りを見渡すも真っ黒。

いや、もはや真っ黒なのではなく、真っ暗なのだ。

自分以外に人の気配がない空間。

壁も天井もないように感じた。

部屋というにはふさわしくない。

まさしく空間。

誰かいないのかを問いても返答がない。

ここが自分の意識の中だということに気づいたのは時間がかかった。


 目を開け、体を起こす。

半開きの目をあくびをしながら手でこすった後に体を伸ばす。

いい風に吹かれ、すがすがしい朝に感じた。

目を覚ました場所が遊園地じゃなかったらだが。


何故ここで寝ていたのか記憶がない。

一体なぜここで寝ていたのか。

思い出そうにも思い出せない。

とにかく遊園地から出ようと出口を求めて歩いてみる。

感覚的には30分歩いていたが一向に見つからない。

そればかりか、同じ景色を何度も見ているような気がした。

どうやら遊園地からは出られないようになっている。

夢に違いないと確信し、頬をつねる。

痛い。きっとなにかの間違いだ。夢に決まっている。

自分で自分を思いっきりぶん殴る。

ゴッという音が鳴り、あまりの痛さに涙が出た。

唇が切れて出血しているのに気が付いた。

そんなことをしていたら背後から声がした。

「あの…大丈夫ですか…?」

振り返ってみると、身長150cm程度の女の子が突っ立っていた。

さっきの行動がみられていたのかもしれない。

一気にはずかしくなり、手で顔を覆う。

「ひ、人はパニックになると不思議な行動を

 するというじゃないですか!」

フォローしているつもりなのだろうけど下手すぎやしないか。

「…えっと君…の名前は…?」

名前を聞いてみる。

「私は楠木 綾花です。」

「僕は菊地 裕也。よろしく。」

「はい!」


綾花さんも目を覚ますとここにいたという。

なぜかはわからないが、まだ人がいるように感じた。

綾花さんにそれを伝え、一緒に探してくれと頼む。

綾花さんは頷き、探すことに協力してくれた。

感覚的に1時間と30分探した。

結果は案の定、数人いた。

自分を含む男子3名と綾花さん含む女子4名。

ここにいる計7名に共通点はないように感じた。

自己紹介をして共通点を探ってみる。

最初に清楚感のある男性が最初に自己紹介をした。

「私は神崎 一真だ。」

趣味は読書らしいが、友達に勧められたパズルゲームに

ハマり、時間があったらプレイしているらしい。

次に何やらチャラそうな男子

「俺は羽田 (つかさ)。」

甘いものが好きで、テストや勉強等で疲れた日に

甘いものを食べているらしい。

次は女子の番だ。

「楠木 綾花です。」

綾花さんも甘いものが好きらしく、

最近はミルフィーユにはまっているらしい。

次に明るい雰囲気の女子

「私は楯野 楓だよー。」

ゲームが好き、というより大きなゲームの大会で

3連続優勝するというゲーマーだった。

gamer T.Kという二つ名を持っているようだ。

次に気だるけな女子

「私は金橋 風子でぇす。」

自称真面目らしい。

風子さんには悪いが、信じがたい。

最後は大人しめの女性

「汐華 春菜です。」

歴史が好きなようで、好きな戦国武将は

竹中半兵衛と本田忠勝らしい。


全員の自己紹介は終わったが共通点が見当たらない。

一体何故この7人なのか、まだわからない。

だんだんわかればいいのだが。

いつまでもそとで突っ立っているのも嫌なので、

不自然に建っている故にとても目立つ建物があったので

そこに入る。

内装は高級ホテルのロビーのようだが誰もいない。

ベルがあったので鳴らしたが誰もいなったので

楓さんが「誰もいないなら勝手に泊ってもよくね?」

と言い出すが、神崎さんが宿泊が目的ではないだろう、と言い返すと

楓さんは白けた。


ここから出るにはどうすればいいのか。

それが重要な課題だ。

何故よりによって僕たちなのか、共通点が分からない。

まだみんな話していないことがあるのか。

聞いてみるしか方法がない。

「あの_」

「いらっしゃいませ。」

僕のセリフを遮ったのはメイドのような恰好をしている

不愛想な女の子だった。

メイドがコーヒーを淹れ、軽くお辞儀をした後に

「ごゆっくりおくつろぎください。」と、まるでその言葉をしゃべるようにセットアップされた

機械のように言い放った。

このメイドはもしかしてここから出る方法を知っているのではないかと思い、

脱出方法を聞こうと思い、きいてみようとする。

「すみま_」

「ごゆっくりおくつろぎください。」

「いや、あの_」

「ごゆっくりおくつろぎください。」

「あの」

「ごゆっくりおくつろぎください。」

だめだこれ。

何を言っても最後まで聞かずに同じ返答を繰り返す。

苦笑いしかできない。

「…笑えねぇ…」

司さんがボソッとつぶやく。


これからどうするのか話し合って、綾花さんと僕がペアになって

脱出の手掛かりを探すことになった。

そして神崎さんと汐華さんがペアで周辺の調査。

残った人たちはホテル内の探索となった。


2時間経過している感覚。

実際は1時間だろうか、30分度だろうか、ぴったしか。

そんなことを確認する術はない。

今はただ綾花さんと手掛かりを探すしかない。

が、さっきからただ歩いているだけだ。

「ちょっと休憩しませんか?」と、綾花さんが言ってきた。

確かに僕らはさっきから歩いてばかりいたので、休憩は必要かもしれない。

ちょうどいいところにベンチがあったので、一緒に座る。

やっとの休憩がよほどだったのか、にへぇと力なく笑う彼女の横顔に

キュンときた。

綾花さんは今の自分の表情に気づいたのか、恥ずかしそうに顔を手で覆う。

そのしぐさもかわいく見えた。

改めて見えると、綾花さんは小柄で健康的な体付きで__

はっきり言えばまさに僕の理想的な女の子だった。

10分ほど休憩したので再び出発する。

ちゃんとついてこれているのかたまに綾花さんのほうを見る。

デートをしているわけじゃないのはわかっている。

でもそんな気分になってしまう。

「裕也さん…これ…」

綾花さんが何かを見つけた事に気づく。

綾花さんの細い指が何かを指している。

その先を見ると、そこには大きなガラスの破片があった。

周囲に割れたガラスなんてなかった。

不自然に落ちているガラスの破片を拾って裏を見ると、「2-1 Z」と書いてあった。

「なんでしょう…?」

「…さぁ…?」

なにかの手掛かりだといいが。

一旦綾花さんと一緒にホテルまで戻る。


ホテルまで戻ると、誰もいなくなっていた。

おそらくはまだ調査、探索の途中なのだろう。

綾花さんに、座って待っていようかと声をかけると、

うん、と頷き近くのソファーに腰かけた。

しばらく待っても誰も来ない。

僕も突っ立っているのに疲れたので、綾花さんの隣に座った。

体を縮めてずっと下を向いている。

おそらくは緊張している。

緊張を和らげるために適当に会話をしてみる。

綾花さんが可愛い。だんだんそう思い始まった。

僕はどうしてこんなにちょろいのかと絶望した。

どうやら僕は、薄々綾花さんに惚れてしまっているようだ。

いかがでしたか?

読み苦しい点があると思いますが、温かい目で…

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