ジンたちの再スタート・勇者の振り返り
更新遅くなりました。
無事に入学届け、又は教員志望届け、はたまた補助教諭届けを提出した俺たち一行は即座にギルドを目指していた。
「おい、ここはどこなんだ。。。」
「いやーおかしいのー?どこじゃ?」
地図を持っているセントの後に続いて歩いていた俺たちは現在迷っていた。
「はぁぁ、もういい。ワシが飛んでみて来る」
ガイルはそういうと翼をだし飛ぼうとしたので俺たちは止めたのだが時すでに遅し飛んで行ってしまった。
俺はすぐに隠蔽魔法をかけ翼を隠し防音魔法で音を消した。
「これで多少は飛行魔法使ってるように見えるといいが。。。」
魔人族族長のソウルドは心配そうに言った。
「まぁバレたらあいつだけ魔王城に帰らせよう」
「そうだな」
ガイル以外のみんながそう言った。息ぴったりじゃないか。
「分かりましたぞ」
安全に帰って来るとギルドの方に歩き出す。
大通りに出てすぐにギルドについた。みんなが白い目でセントを見ている。
「我のせいではない」
他のみんなは颯爽と無視し歩いて入っていく。
中に入ると魔王城の謁見の間並みの豪勢さがある。ヤベェ、オラワクワクすっぞ!!
「こんにちわ、今日はどのような要件で?」
「ギルド登録をしたいんだが。。。」
「なるほど、8名様全員でございますか?」
「いや、7人だ」
「承知しました」
そういうと魔素結晶を7つ持ってきた。
「フゥ、ではこちらを握ってください。なおこの魔素結晶は血からステータスを表示するため皮膚を斬りますので痛いかもしれませんがご容赦ください」
セント以外が握ると手に痛みが走った。これ結構痛ぇじゃねぇか。。。うん?痛くない?
「自動的に回復魔法で治療されます」
こちらの思考を読んだかのように答えた。そのあと魔素結晶を受け取り専用の魔道具にセットすると下の出口からギルドカードが出現した。
「おぉ!!」
8人から同様の驚きの言葉が出た。なおみんなステータスは偽装済みだ。俺の偽装は最強だ!!
「?!。。。なるほど、分かりました。ではお渡しします。なお皆様はランクSSS、SS、S、A、B、C、D、Eの内EからのスタートとなりますS以降のランクは数人しかおらず、数々の偉業を成し遂げたものたちがこのランクのものたちでございます。SSSランクは我がギルドのギルドマスター、勇者様、SSランクはファルム様、サイ様、リョウカ様、Sランクは十数名でございます。」
なんか知らんけど、なんで驚いてはんの?ってか勇者たちそんな強かったんやヤバいな。
俺たちは受け取りバッグに入れたように見せかけてアイテムボックスに収納した。(魔族はみんな生まれた時からアイテムボックスを持っている。アイテムボックス(∞)はジンだけ、他のものは魔力数に応じて入る量が変化する)
「注意事項あちらでご覧ください」
そっちに顔を向けると注意事項が書いてあった。
⚫︎他人の依頼を邪魔しないこと。邪魔した場合ギルドカードに書かれており隠蔽は不可能。
⚫︎ギルド内での乱闘などは禁止。乱闘が発生した場合ランクの降格。Eランクの者は無ランクとなりカードを持ってはいますが意味をなさいものになる。
⚫︎クエスト失敗、又は期限内に成功が4回連続でできなかった場合できなかった場合、ランクの降格
⚫︎自分のランクあったものを受けること。自分のランクより高いものを受け失敗、又は期限内に成功できなかった場合報酬の倍額の罰金。自分と同ランク又は下ランクの依頼の場合はペナルティーは無し
⚫︎魔石はギルドに必ず提出すること、魔物の素材は鍛冶屋で加工するかお金に変えるかは自由、そのほかでの使用は禁止。ギルドカードにより禁止事項を犯した場合は信号が発信されるため隠蔽はできない。
⚫︎素材、魔石のこの都市又は迷宮都市以外への持ち出しは禁止。こちらも同様隠蔽はできない。
注意事項の多いな
「よし、次は家だな」
「次は任せなさい!」
シャリルはそういうと地球でいう不動産屋へ向かった。
「ねぇ、大きくて安くてキッチン、トイレ、お風呂付きの家ある?」
「少々お待ちください」
そういうと店員はカタログを持ってきた。
「うーん。。。これにするわ」
値段は。。。白金貨100枚?!。。。こんなお金あるのか?
「ねぇ、この家高いなぁ。サキュバスの血が入ってる媚薬がここに10本あるのよ。。。白金貨10枚まで落とせない?」
そんなの無理で
「へへへ、いいでしょう。交渉成立です。あなたも悪ぅございますなぁ」
「そうでもないわよ。はい」
白金貨10枚が入った金貨を渡すとその家に向かった。
「おっきー」
ソフィーが感嘆の声でそういった。
「そうじゃなー」
「そうね」
セントは同意するように先にカタログで見ていたシャリルは適当にそう返した。他は庭を魔法で綺麗にし掃除し修理し新品度以前にまで回復させた。
「ふー、これでいいかな」
ソフィー、シャリル、セントは木陰で寝ている。
俺はそんな3人を眺めた後自分の部屋にベッド、本、机などののものと日用品を配置しリビングに出た。
「魔王様、もう終わったのですか?」
ガイルはそういうとコーヒーを出してくれた。俺はコーヒーを飲みながら答える。
「あぁ。それと俺はジンでいいって、っていうかそうじゃないと俺の正体がバレる」
即位してはや二ヶ月魔王様という呼び方がみんなは板についてしまったらしい。
俺は本を読みながら起きて俺とガイル以外の庭で遊んでいるメンツを見ていた。
「来週は入学試験。。。か」
本来自分は神なのでそういうものと縁がない生活をしていたジンはしみじみとそう呟いた。
◆◆勇者サイド◆◆
「タケル。。。私がいなかったから。。。」
ジンと同じ瞬間寝ているタケルを見ながらそう呟いたのはリョウカだ。タケルと一緒の転移者でギルドではファルム、サイと同じくSSランクの勇者パーティの一人だ。パーティでは斥候などの役割をしており様々な技術を持っている。
勇者タケルは夢で魔王ジンと再戦していた。
くっ、ここまで強いのか?何故こんな辺境にこんなに強い魔王が?
今まで他の魔王とも戦ったが自分と同程度の力を持つものはおらず今までの勇者の中でも最強と言われていたタケルは苦戦していた。
クソッ!ここで決める!!
ジンは最初に勇者になった時に精霊王ドボルベルグとの契約で諸刃の剣(真名「対価の妖精剣ドボルザーク」)を手にしていたが今の今まで使ってこなかったためその対価がわからなかった。。。が魔王ジンの強さに決意を決め叫んだ。
「聖なる光が闇を照らし打ち払い討ち亡ぼす。消えろ魔王よ我が最強の業をもってお前を駆逐する!!「諸刃の剣」
そういうと剣が出てきて自分が握ると同時に植物が自分の腕に刺さる。あまりの痛みに顔を歪めるもすぐに真顔に戻った。
「この剣はな。。。俺のMPとHPを1まで減らすがその代わり1時間全ての能力がアップする。チート剣だな」
俺はすぐに近づき斬った。少しはやりあえるだろうと思っていた俺は容易く仕留めたことへの唖然とした気持ちが浮かんだ。
「はぁはぁはぁ。。。。っく。。。勝ったか。。。」
そういうと俺は剣が妖精王の元へ戻っていくのを感じながら意識を飛ばした。
「。。。ここはどこだ。。。?」
タケルが目を覚ますと目の前にリョウカがいた。
「?!。。。たけるぅー!!」
そう言い泣きながら抱きついてきたリョウカを胸元に抱きながらリョウカの双丘の心地よい感触を楽しみながら呟いた。
「帰って。。。。来たんだな」
その後みんなの歓声を受けながらまた眠っていった。
次回は入学試験編です。お楽しみに!!