中二病患者が枕投げをやったら
ガチ中二病な友人に協力してもらって書いた,アホくさい話です。
痛々しい物語を貴方に・・・
「なあお前ら、俺とPillow Fight(枕投げ)しねえか?」
片手で枕を弾ませながら、中二Aが不敵にニヤリと笑う。
「いいぜ。お前らふたりまとめてかかってこいよ。」
「ほう、God Of Pillow(枕の神)と呼ばれたこの俺とやり合おうとは、いい度胸じゃないか。」
中二Aの提案に、中二Bと中二Cが面倒な言い回しとともに賛同を示す。
「んじゃ早速始めるか・・・くらえ、俺のDeath Pillow(死の枕)!」
「ふっ、甘いな。Quilt Shield(掛布団の盾)! 加えて必殺、Pillow Of Light!!」
中二Aに先制攻撃(カッコよさげな名前を付けてはいるが、実際には普通に枕を投げているだけ)を仕掛けられた中二B。だが、掛布団を持ち上げ攻撃を防ぐと、続けざまに技を炸裂する(こちらも実際には飛び上がって枕を投げつけてるだけ)。
それらの様子を眺めていた中二Cは、ふっと目を伏せ、ため息をにじませながら口を開いた。
「二人ともなかなかやるようだな。仕方がない。ここであれを使うつもりはなかったんだが・・・」
「「!? あ、あの構えは!!」」
両手に四つの枕(押し入れから引っ張り出してきた)を抱え、体の前で円を描くように腕を動かす中二C。
「冥土の土産に持っていくがいい。見よ、我が神に与えられし力! これがGod Of Pillowと呼ばれる所以だ・・・Falling Pillow(降り注ぐ枕)!」
二人めがけて四つの枕飛んでくる。中二Aは何とか躱したものの、四つのうち一つが中二Bの脇腹に当たってしまった。
「ぐはあっ!!」
「中二B!」
呻き声を上げる中二Bに駆け寄る中二A。ヒュウヒュウとか細い息の中二B(←もちろんふりです)に中二Aは必至で声を掛けた。
「しっかりしろ中二B! 目を開けてくれ!」
「ちゅ、中二Aうっ、げほごほ・・・俺はもう、だめだ・・・。あとはお前に・・・がはっ・・・任せたぞ・・・。」
口からごぼっと血を吐き(←だからふりだって)、中二Bは中二Aの腕の中で静かに息を引き取った(←ふりだっつってんだろうがああああ!!!)。
「中二Bぃぃぃぃぃ!!!!!!」
「かなりしぶとかったが、どうやらそいつも遂に力尽きたようだな。さあ次はお前の番だ!」
悲痛な叫び声をあげる中二Aとその腕の中で眠る中二Bを嘲笑いながら、中二Cがゆっくりと中二Aに歩み寄る。
「安心しろ、中二B。お前の敵は必ずこの俺が取ってやる!」
中二Bの手を強く握り、何やら覚悟を決めた様子の中二A。
中二Bをそっと横たえると、近づいていていた中二Cを振り返った。
「悪いな中二C、お前に勝たなきゃならねえ理由ができた。見せてやる、俺の秘められし真の力!」
なぜ初めからそれを使わなかったのだろうか、というツッコミはなしの方向で。
「俺の親友を葬ったこと、地獄で後悔するんだな。Hell Attack(地獄の攻撃)!!」
枕で叩き付けたりするのだろうかと思いきや、枕を放り出し、中二Aは中二Cに殴り掛かった。もはや枕投げでもなんでもない。そして中二A、お前は中二Bと親友だったのか。ならなぜ最初に攻撃していたのだ。そういったツッコミも現在受け付けておりません。
「き、貴様・・・この、力は・・・まさか!」
殴り倒された(←・・・もういいよ)中二Cは、驚愕の表情を浮かべる。そんな彼を、中二Aは憂いを帯びた顔で見つめ、口を開いた。
「そう、俺の本当の名は、リオン・アムドゥスキアス・レアルフス=ウェルカロル・フォルネウス。あの地獄の大侯爵ダンタリオンの第八の息子だ!」
手のひらを前に突き出し、決めポーズらしきものをとる中二A。力の差を知り悔しげに下唇を噛む中二C。
と、そのとき、完全に空気状態で襖近くに倒れていた中二Bが、遠くから聞こえてくるパタパタというスリッパを踏み鳴らす音に気が付いた。
ばっと飛び起き、小さな声で、けれど鋭く叫ぶ。
「お前ら全員おのれのギルドに戻れ! 魔王の襲来だ!!」
素早く布団に潜り込んだ中二Bの声に、中二A、中二Cもすぐさま自分の掛布団をかぶった。
三人が息をひそめていると、突然襖がバンッと勢いよく音をたてて開かれた。
「おいお前らあああ!!! ぎゃあぎゃあ騒いでんじゃねえ! とっとと寝ろ!」
米神に血管を浮き上がらせた教師が怒鳴り声を上げる。
そんな彼に、中二Bがわざとらしくあくびをしながら抗議する。
「なに言ってるんですか先生。ついさっきまでぐっすり夢の中でしたよ。」
「夢の中にいる奴は長ったらしい名前を叫んだりしねえんだよ!」
先ほどの恥ずかしいやり取りを聞かれていたと知り、三人は真っ赤な顔を手で覆い蹲る。
「さっきの茶番劇、クラスの皆にばらされたくなかったら、今すぐ寝ろ。それでも起きてるっていうなら仕方ない。先生が寝かせてやる。永遠にな。」
指をぽきぽきと鳴らす教師の脅しをくらった三人は、怯えると同時に、(あれ、この人も若干中二入ってね?)と思った。
が、しかし、そんなことを言えるはずもなく、
「「「喜んで眠らせていただきます!」」」
神やら悪魔の息子やら死体やらが、魔王に屈した瞬間だった。
END
『HENTAI☆GIRLS』に続いてまたまたコメディ小説です!
今回の主人公は中二病を患った男三人でした。
そういえば,ナレーターのツッコミが一部銀〇のようになっていることに後から気づきました。
実は私,〇魂大好きでして・・・無意識のうちに指がキーボードを叩いていたみたいです笑
それでは,ここまで目を通していただき,ありがとうございました!