運命に嫌われた2人
「人と言うのは、脆くて弱い生き物だ、殴れば死ぬし、転ぶだけで死ぬ人もいれば、どんなに健康に気を使ったって理不尽に病気になり死んでしまう、人は勝手に死ぬのに、争うとはなんとも愚かだ。」
と2人しか居ない、教室でぽつりと男はつぶやいた、そのつぶやきに、その男の席から近くも遠くもない位置から、その言葉の返答が聞こえてくる。
「なるほどね、それも一理あるだろうね、まあ他の人のことなんて、考えたこともないから分からないけどね。」
と無関心そうに呟く、マンガの敵キャラのように顔に影がかかった2人の会話が続く。
「そう言えば、パラレルワールドなんであると思うかい?」
とやはり無関心な声で、影のかかった、2人のうちの一人が疑問を投げかける。
「あるだろうね、パラレルワールドってのは、もしもこう言う世界があったのなら、と言う妄想に過ぎないが、それは、今の自分達に起こりえないことではないと言うことだ。」
と男はたちあがり、窓の柵に座り語り始める。
「未来と言うのは、一つしかない分けではない、だが未来に起こることは、どのような形であれ、必ず自分のみに起こる。
パラレルワールドは、例えばだ、明日自分が死ぬとしよう、こっちの世界では自分は死ぬが、もしかしたら、自分が死なない未来があったかもしれない、その未来がパラレルワールドこの世界とは違うことが起こる世界。」
と男は熱く語ると、影が窓に近づいたことによって、顔がわかるようになった少年、と同じく、窓の近くに、寄って顔が見えるようになった少女の2人が、夕日によって、赤く染まった、運動場を見下ろしていた。
「さっきの話だけどさ、その世界に行ける方法とかってないの?」
と影がなくなり少女と、いうことが分かった、無関心そうな声で喋っていた少女が、真剣そうな声で聞いてきた。
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