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電脳世界ディストピア  作者: OTAM
0章 キャラ・設定紹介等
2/172

用語集(1章まで)

本ページは電脳世界ディストピアの用語集です。

多少のネタばれが含まれるほか、項目の取捨選択がかなりおかしかったりします。

また、時々愚痴や与太話、誤り……というかウソ偽りも混じっておりますので真に受けてはいけません。

話半分に読みつつ、そういった所に突っ込みを入れつつ読んで頂けると幸いです。







【あ】

・愛千橋病院

 “隣人Love!人間Love!”を基本理念とする総合病院。 現在はでんでんタウン、堺筋の隣の通りに面した場所に門を構えている。

 ちなみに、この場所に移転してきたのは10年ほど前の事である。


・悪の秘密結社

 その時代の社会で表立って出来ない事を裏で行い、利益を得ようとする集団。作中では主に新天寺社の裏の顔がコレに該当する。

 創作の世界では頻繁に登場するが、現実においては公になると既に秘密でない上に、潰されてしまうので実在を証明するのは意外と困難であり、ツチノコ的な存在と言える。


・アプリ

 アプリケーションソフトウェアの略称で、ユーザーがコンピュータ上で行いたい作業を実行する為の機能を直接的に有するソフトウェアのこと。

 たとえば電卓。実物の電卓と同じ機能をユーザーが利用しようとした際に表示される電卓風のデザインであり、なおかつ電卓と同じように扱えるものがこれに該当する。

 なお、電卓風のデザインを表示させるためのソフトや、電卓と同じ機能・反応・動作をコンピュータ上に実現する為の指示を与えるプログラムなどはシステムソフトウェアに該当する。


・安全装置

 主に機械類に取り付けられる誤操作や故障による事故の発生を予防する為の構造。

 たとえば、拳銃の場合はこれを解除しないと発砲出来ないようになっており、これによってふとしたはずみでトリガーが引かれて暴発するような事態を防いでいる。


・エクサの大台

 エクサとはペタに次ぐ国際単位系の接頭辞で、Eと表記される。 エクサの次はゼタ(Z)、その次はヨタ(Y)となり、その次はまだ存在しない……はず。

(セオリー通りにいけばノーヴェかノナで、どちらにせよNが有力か?)

 ちなみに、ムーアの法則に則ると2018年頃にようやく到達可能な単位とされている。


・演算能力の売買

 要するにスパコンの貸出のようなもの。

 アーリーの手帳機能などを利用すればスケジュールをある程度把握、一定の地域に集まる人口を把握出来る為、それを利用して指定した日時・場所の一般回線とは別のニューロンを実験場として有償で提供している。


・大阪弁

 大阪の方言。 関西弁と混同され易く、実際関西弁といった場合に大阪弁を中心に据えた方言を指す事は少なくない。 が、関西というわりには近畿方言と言った方が正確だったり、中心にある筈の大阪が発音に関しては近年標準語寄りになっていたりする。

 ちなみに他の地方の出身者が十把一絡げに関西弁と言ったり、京都人を捕まえて大阪弁というと盛大にキレられるので要注意。


・大須 冬彦

 新天寺社の裏側の構成員。 詳細はキャラ紹介にて。




【か】

・隠し通路

 その存在を表向きには伏せられている通路。 避難用というのが一般的か。

 作中では通天閣の周辺の地下に誰がいつの間に作ったのかも不明な通路が存在し、近くの飲食店から通天閣内へと進入できる構造になっていた。 また、その下には謎のシェルターの存在が示唆されていたが、そこへ行く手段は不明のままである。


・核兵器

 核分裂・核融合によって放出される熱、爆風や放射線といった高エネルギーを破壊に用いる兵器の総称。 間違いなく人類が生み出した中で最強の兵器。

 現在では包括的核実験禁止条約(CTBT)によって宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間での核兵器の核実験による爆発、その他の核爆発が禁止されている。

 但し、アーリーの仮想空間、サイバースペースがあらゆる空間に該当するか、核爆発の影響を視覚化した映像が核爆発に該当するかどうかは怪しいところ。 いくら視覚化していると言っても所詮はデータでしかなく、核兵器を使用するロボットアニメをCTBTを根拠に非難するに等しいとも言える。


・過剰な8割

 同世代の携帯ゲーム機に比べて若干性能で劣ると言われるアーリー。 しかし、ユーザーが確認出来る情報に偽りがあり、実際にはその情報の5倍近いスペックを備えている。

 このユーザーから見えないスペックの多くはユーザーに無断で新天寺社が各々のアーリーを使用する際に使用されるもので、情報の無断送受信などはこの過剰部分で行われている模様。 それでもなお持て余すほどの性能を誇り、更なる余剰分もまた秘密裏にろくでもない実験の演算に利用される。


・仮想の共同体

 類似語にインターネットコミュニティというものもある。 が、作中ではニューロンというインターネットとは別のネットワークシステムが普及しているため、この語彙は不適当である。 その為、物理的空間とは異なる形で作られた共同体を指す場合はVirtual communityという言葉の方が一般的。

 ただし、作中でのこの言葉が初めて登場した時のそれは「ちょっとした国家の体を成している」ことを指して用いられている。 あえて言うならば『想像の共同体』のそれにに近い用法であると思われる。


・カメラ機能

 最近では携帯ゲーム機にもケータイにも付いていて当たり前の機能。

 アーリーのこの機能はユーザーがオフにしても実は裏で動いており、周囲の風景などを自動的に記録している。

 余談だが、ここに静音化などの改造を加えることは「悪用の可能性がある」と言う建前で禁止されている。


・監視用アプリ

 アーリーには起動している限り自動的に作動しているカメラやGPSを利用してアーリーの所有者を監視するシステムが搭載されている。 その監視・管理されている上方にアクセスする事でそれらの情報を把握することを可能にするアプリ。

 勿論、一般には公開されていない代物であり、これを使用できるのは新天寺社の裏側に関与している人物のみである。 なお、坂田 うめが使用していたThe Watcherもこれとほぼ同じものであるが、あちらは検索機能が強化されている。


・機械に干渉

 夏芽の異能に付随する能力の一つ。 カメラが捉えた映像の確認、会話の盗み聞きといった知覚に関わるものの他に、簡単な電子ロック等であれば操作可能。


・北里 千里

 天才少女と呼ばれる秋一の親友。詳細はキャラ紹介にて。


・奇妙なプロフィール

 秋一の目と特定のアーリーで閲覧可能な可能な個人情報の塊。視線感知機能がある模様。

 その正体は新天寺社が様々な企業・施設を介して収集した情報を整理したもので、個人差はあるが生年月日や血液型はおろか、出身校や前科・病歴、極めつけには今後のスケジュールまで把握出来てしまう。勿論、これらの情報は無断で収集されている。


・ギャップ萌え

 普段強気な人がふと見せる弱さ、普段厳しい人の不意の優しさなど、そういった普段との強烈な落差にときめく事、或いはそう言ったものが持つ魅力それ自体を指す。

 全くの余談ではあるが、ツンデレがこれに該当するか否かは意見の分かれるところ。

 ジャンルとして確立しているので除外しても良いじゃないというのが個人的な意見。


・九尾高校

 春から秋一達が通う高校。


・串揚げ屋"マルタ"

 通天閣のほぼ真下に位置する串揚げ屋。 その立地も相まって知名度は高め。

 作中では何故か裏手に通天閣に通じる隠し通路があったが、新天寺社との関係は不明。


・コスプレイベント

 正式名称は“日本橋ストリートフェスティバル”で、大体春分の日に行われる行事。堺筋を数時間に渡って歩行者天国として開放、更にパレードなどのイベントを執り行う。

 作中の3月21日に行われたフェスタは第13回という設定で、イベント参加者を含め、その日の来街者数は主催者発表によると30万人を上回る。

 なお、作中の50万という数字は一定範囲内のニューロンの端末数とほぼイコールであるため、新世界や通天閣で行われたフトモンの大会参加者等も含んだ数字。


・ゴリラ

 動物界脊索動物門哺乳綱サル目ヒト科ゴリラ属に分類される構成種の総称。

 学名はゴリラゴリラゴリラ。 理由あってのこととは言え、この執拗さは噴飯もの。

 小学生時代の坂田 うめのあだ名。 類人猿最大種故か、彼女に限らず小学生が男子より背が高く、力の強い女子につけられる事が多い。




【さ】

・坂田 うめ

 新天寺社裏側の構成員。 詳細はキャラ紹介にて。


・視線感知

 人間の見るという行為は外部からの情報を取り込むものであり、他の動物が見られていると認識している場合を除いて見ているだけで何かしらの作用を及ぼすことは不可能。

 一般的なのはカメラを用いて何処を見ているかの情報を読み取る方法であるが、目というのは基本的に常にどこかを見ているものであるため、ただ視線がある状態と明確に何かを見ている状態を明確に区別する必要がある。

 枠内に目があるか否かの判定は瞳孔特有の光の反射があるためさほど難しくはないし、見ているの判断も「一定時間注視をしたら」といった条件を付ければ可能だが、カメラとの位置関係を固定する必要があり、ユーザーかかる負担が大きい。 何より非効率。

 秋一がARを見た時に視線感知について言及する事が多いのはこういった技術的な難しさに加えて、夏芽が見られていると認識出来ることに不自然さを覚えているからである。


・三方よし

 売り手良し、買い手良し、世間良し。 私利私欲に走らず、顧客や社会全体にとっても利益となるような商いをしましょう、というありがたい言葉。

 起源は江戸時代の近江商人とされるが、この言葉自体は後世の研究者の造語らしい。


・シスコンマスター

 妹が可愛過ぎて仕方ないといった様子の大須 冬彦に贈られた称号?


・殺一警百

 シャーイージンパイと読む。 正確な発音は知らん。

 一人を惨たらしく殺して百人に脅すといった意味で日本語では一罰百戒が近いか。

 こんな言葉がさらっと出てくる中1というのはちょっと嫌である。


・情報の無断集積

 新天寺社の裏の活動の一つ。 アーリーに入力した情報に限らず、アーリーやその関連技術が利用される施設等に登録した情報まで収集しており、ある意味で本人よりも緻密にユーザーの事を把握している場合すらある。

 また、アーリーの情報に偽りがあった場合には「情報に偽りあり」と言った形で記録を取り、他の登録情報も併せて分析する事で情報を偽る意図のような付随する言外の情報まで分析してユーザーの性格診断を行うなどかなり高性能である。


・初老の医師

 愛千橋病院に勤務する医師の一人。あえて言うなら猿顔らしい。

 冬彦や夏芽とも面識がある他、新天寺社の裏側について知っているなど謎の多い人物。


・射撃補正アプリ

 ARシューティングのアプリをベースに気象情報(風向、風速など)やデータベースにある個々の銃のクセをも踏まえ、アーリーの本来の演算能力を最大限に活用して銃弾の軌道を計算、そこから逆算して目標に正確に銃弾を当てるにはどこに銃を置いて引き金を引けば良いかをARで表示するアプリ。

 当然ながら気象情報が無ければ風雨の影響を予測出来ず、データベースにアクセス出来なければ銃のクセを把握出来ない為に精度は下がる。


・秋一の右目

 アーリーのAR表示が肉眼で見える特異な目。スマフォなどのAR表示は見えない。

 見える映像の優先度など一定の法則はあるが、原理は今のところ不明。今後もきっと不明。


・常駐型自動記録システム

 アーリー内蔵されたユーザーで無断で常時起動しているシステム。 この時に限り静音のカメラによる自動撮影や、その他の所持者が得た様々な情報を自動的に記録、保存、整理し、一般のユーザーの目に付かない場所へと流している。


・新世界

 大阪府大阪市浪速区恵美須東一丁目から三丁目にある歓楽街。 ただし、最近は串カツ店などが目立ち、観光地としての印象が強い。

 天王寺動物園、あいりん地区、でんでんタウン。 更には天王寺や難波などにも歩いて行ける立地もあってか、道頓堀と並んで大阪の象徴的な場所として取り上げられる事が多い。


・新天寺社

 アーリーを販売する謎の新興企業。圧倒的知名度に反してその実態を把握している者はいないとさえ言われており、東京に本社がある以外には支社すら存在せず、社員数も多くない。しかし、カスタマーサポートなどの動きをみるとどこかにそれに当たる施設が無くてはならないという不審極まりない企業。

 その情報の少なさを訝しがる声は少なくないが、現実世界で行われていた経済活動の1割を取り込んだと言われるニューロン市場の影響力や、もはや生活必需品に近い存在である他、これといった問題を起こさない事から強く非難される事は少ない。


・新天寺社の裏側

 アーリーによる情報収集、ユーザーの同意なき実験、坂田 うめのようなエージェントなどの新天寺社の胡散臭い側面を一括した表現。

 ハード・ソフトを問わずシステム面のセキュリティはそれなりに厳重な反面、人事的な側面はかなり杜撰。


・スパコン

 スーパーコンピュータの略称。演算処理速度が同時代の一般的なコンピュータより極めて高速なコンピュータのこと。

 アーリーの場合、伏せられているが本来の性能が同世代のゲーム機と比して圧倒的に高く、その高い処理能力に加えて一つの作業に万単位のアーリーを使用するなどの形でスパコンもビックリの演算処理速度を確保している。

 なお、作業の割り振りやデータのバックアップ、統合などの作業は随所に設置されたアーリーの基地局に置かれているスパコンが行う模様。


・スマホ

 正しくはスマートフォン。 インターネットとの親和性の高い、PC寄りの機能に比重を置かれた携帯電話のこと。

 インターネットがニューロンと両立する作中ではアーリーとスマフォの併用が主流らしい。


・スマホのAR機能

 アーリーはAR技術に特化しており、またかなりの部分に独自規格が使用されているが、ARという概念自体は作中の時代よりも前から既に現実のものとして普及し始めていたものである。

 当然ながらスマートフォンにもこの技術は取り入れられている。 というよりも、アーリーや前世代のゲーム機に先駆けてARを導入したのはスマートフォンであり、一般の手に届く範囲で言えば本当の意味でのARの先駆け的存在とも言える。


・世界征服

 文字通り、全世界を己の支配下に置こうという目論見のこと。

 征服した後の方が面倒だったり、苦労に見返りが見合わなかったりと目論む価値があるかどうかかなり怪しい野望である。

 合理的な観点から離れれば「漢に生まれたなら世界の一つや二つ狙わんでどうする」といった言い分も存在しなくはない。


・正義の味方

 本橋 春日の職業。バカっぽい響きだが、これでも国家公務員。

 ただし、表立ってその存在を認められている訳ではないので普段はフリーター扱い。


・双生児エッグマフィンセット

 ワクドナルドのモーニングメニュー。バンズの間に目玉焼き、ハンバーグ、目玉焼きの順番に食材を挟んだアホみたいに卵尽くしの一品をメインに、マフィンハッシュポテトとドリンクが付いてくる。目玉焼き二つがもたらす確かな満腹感のおかげで朝ワックの中では一番の人気メニュー。




【た】

・ただならぬ気配を纏ったスーツ姿の大男

 本橋 春日の上司。頭脳も戦闘能力も彼女を遥かに凌ぐ怪物……らしい。


・超推理

 夏芽が入学してくる可能性を視野に入れていた秋一の思考に対する評。

 作中では明言されなかったが、具体的は以下のような思考

「夏芽と冬彦が国に属する組織の監視下の置かれる事が確定している」

「春日から察するにその組織は冷徹な機関ではないだろうから人道的な扱いにはなる筈」

「今回の件に関与した自分や千里が一切管理を受けないというのはいささか不自然」

「密かに監視されている可能性があり、それなら夏芽も一括して管理するのではないか」

「大須 冬彦や千里はアーリー関係の技術もあるから対新天寺社に役立つ可能性アリ」

「特に大須 冬彦を相手にする場合、夏芽の幸福は非常に強力な交渉カードである」

→「別れ際の状況から察するに夏芽自身それを望むだろうし、組織にとっての利もある」

 と、大体こんな感じである。


・超能力

 現在の科学では説明しきれない超自然的な力。これを行使するものを超能力者と呼ぶ。

 作中でこれに分類されるのは羽原 秋一と中野 夏芽の2名のみ。坂田 うめの身体能力も人間の常識に反する為、広く捉えれば超能力と言えるかもしれない。


・ツインテール

 某ウルトラなんちゃらに登場した怪獣……ではなく、髪形の一種。

 長い頭髪を左右の中央或いはそれより高い位置でまとめ、垂らした髪型。本来は結う位置や長さによって微妙に呼称が変わるが、あまり気にする人はいない。

 中高生のやる髪形ではないが千里は容姿が容姿なので違和感も無い、らしい。


・通天閣

 大阪府大阪市浪速区にある新世界界隈の中心部に建つ展望塔。観光名所の一つ。

 現在の通天閣は2代目で、塔高は100メートル程度。設計者は東京タワーと同一人物。

 作中ではこの地下に核シェルターが設計されているなど、何やらきな臭い施設扱い。


・通天閣のネオン

 昭和54年に設置された通天閣のてっぺんのネオン。 専用回線で気象台と繋がっており、そこから送られてくる情報に基づいた天気予報を行う。

 ネオンが白なら晴れ、オレンジなら曇り、青なら雨。ネオンの上方が白で下方がオレンジであれば晴れ時々曇り(もしくは晴れのち曇り)となり、他の組み合わせでも同様。


・ツンデレ

 最近は適用範囲が広がり過ぎて意味が分からなくなってきた言葉。

 初めツンツン、後デレデレは解凍系。素直になれないと照れ隠しは独立したジャンル。

 この2点さえ守ってくれりゃあとは何でも良いよ、というのが個人的な意見。


・デカメロン

 ジョヴァンニ・ボッカッチョ著の物語。

 10人の登場人物がそれぞれ10の物語を披露するという形式を採用しており、全100話からなる。

 が、作中では坂田 うめの胸を指して「でかいメロンのようだ」という意味で用いられる。


・天才少女

 読んで字の如し、天賦の才を持つ(そして発揮している)少女。

 最近のサブカルチャーにおいては大体どこにでも居るので有難味は薄いか。

 作中では千里がかつてこう呼ばれていた事があるが、訳あって本人は嫌がっている。


・電磁波照射

 電磁波とはエネルギーの放射現象の一種であり、空間の電場と磁場の変化によって形成された波を指す。 波長によって微妙に呼称が変わるなど、そこはかとなく出世魚チックな側面を持つが詳しくは言及しない。

 人体への影響については諸説あり、波長によっては発がん性を有する者もある一方でがんの治療に使われる事もある。

 覚醒を促すのは電気信号であって、電磁波でそれを行うというのはどういう理屈やねんと悩み倒したが勢いで誤魔化すことにしたのはここだけの秘密である。


・電子マネーシステム

 新天寺社、ひいてはアーリーのサービスの中でも最も利用者の多いアプリ。アーリーには所持しているだけで毎月1000円相当の電子マネーが支給され、ゲームの大会の賞金やアプリの報酬、広告収入などもニューロン専用の電子マネーで支払われる。その為、他の電子マネーと比べて敷居が非常に低く、電子マネーを購入するユーザーもかなり多い。

 新天寺社自体に電子マネーを扱うノウハウがある筈もなく、基本的には新天寺社から委託を受けたカード会社が業務に携わっている。


・でんでんタウン

 日本橋の、主に浪速区側に位置する電気街を指す。

 電気街の例に漏れず、近年ではオタク街化が急速に進行、同時に飲食店や古着やなどの様々な専門店が軒を連ねている。

 特に有名イラストレーターの手によって描かれたマスコットキャラの存在、2005年から毎年春分の日に開催される“日本橋ストリートフェスティバル”など、オタク街としての側面を強調した街おこしを行う事が多い。


・透視機能

 と、言っても実際に透視出来る訳ではない。 あくまでもアーリーの映像処理と複数のカメラを利用し、使用者の位置から見えない部分の映像を撮影、あたかも視界を遮るものが透けているかのようにAR技術で表示しているだけである。

 遮られた視界の向こうを映すカメラが無ければ何も表示されず、別アングルのカメラで確認出来る情報と双方のカメラで見えない部分の情報が著しく異なる場合、誤った映像が表示される事になる。

 たとえば使用者の死角に置かれた円筒形の水筒を別アングルのカメラが捉えた場合、そのカメラの死角にその水筒の持ち主の名前が書かれていたとする。 この時、見える部分から死角の部分も円筒形であると仮定して使用者の見る透視映像にも円筒形の水筒の映像が反映される。 しかし、名前については判断材料が一切存在しないため表示されない。




【な】

・中野 夏芽

 ニューロンに潜航する異能を持つ少女。詳細はキャラ紹介にて。


・夏芽の本体

 3月21日時点では愛千橋病院で昏睡していた夏芽の肉体。

 この時に限らず、能力の使用中は本体は動かせないが、簡単に目を覚ます事が出来る。


・ナビゲーションシステム

 ここではAR及びニューロンを利用したナビゲーションの事を指す。GPSとアプリやネットワーク内にある地図の情報よって利用者の座標と目的地の座標を割り出し、ルートを検索する。

 ここまではカーナビとなんら変わらないが、アーリーの場合、特定のアプリにのみ対応したヘルメットやゴーグルを利用する事でバイクであっても目的地までの情報を走りながら確認する事が可能な他、他ユーザーの同じアプリを介してほぼリアルタイムで渋滞・事故など交通への影響を把握し、最短ルートを変更できる。

 また、自動車のフロントガラスにこれを搭載したもの、AR表示こそ非対応だがアーリーさえあれば情報のやり取りだけは可能なカーナビも存在する。


・二次元

 空間の次元が2つあることというのが一般的な定義だが、専らオタク界隈の用語としては漫画やアニメそれ自体、作品の世界やキャラクターを指す。

 アーリーのARはかなり三次元に近い表示をされるので、ARを指して二次元と称する場合、物理的に二次元というよりは後者のアニメキャラ的なニュアンスが強い。


・日本橋

 この地名は国内で東京都中央区と大阪市中央区、五百川にかかる橋の三か所があり、それぞれ「にほんばし」「にっぽんばし」「ひもとばし」と読み、本項は大阪市のものを扱う。

 オタク街としてのイメージが強いが、道頓堀などの歓楽街も含むかなり広い地域を指す。

 電気街・オタク街とされる地域についてはでんでんタウンの項を参照。


・ニューロン

 作中ではアーリーが構築する独自のネットワークの事を指す。語源は情報処理及び情報伝達に特化した神経細胞。無数のアーリーが情報を共有する様子を脳で無数のこれらが活発に情報のやり取りを行っている事に喩えたもの。


・音々(ねね)ちゃん

 日本橋、でんでんタウンのマスコットキャラクター。イラストレーターにいのうのいぢ、声優に松岡 悠木を起用。年齢は16歳、身長は158cmで、妹がいるらしい。

 全くの余談だが、アニメやゲームで出てくる料理をとりあえず作ってみるという設定には、カキ○オロギをも作ってしまった身としては親しみを感じざるを得ない。


・年間千億単位の電子マネー供給

 新天寺社がユーザーに渡す電子マネーの総額。 普及台数が1億台を突破しているアーリー全てに毎月最低1000円と言うことは、単純計算で毎月1000億円以上を払っている計算になる。

 もちろん、そこから故障したアーリーや、電源をオフにしていたアーリー、規約違反が見つかったアーリーなどが除外されるのだが、それでも膨大な金額になる。




【は】


・羽原 秋一

 不思議な右目を持つ本作主人公。詳細はキャラ紹介にて。


・腹黒キャラ

 千里と夏芽の秋一、春日、冬彦に対する評。

 もっとも比較的権謀術数に長けている秋一と冬彦はさて置き、春日はそれを見抜けるというだけでなのでこの評価は不適当。


・額に肉

 対人、対動物、対物と広く行われる古典的な悪戯の一つ。

 派生として米や中と書かれる事もある。元ネタは有名な少年漫画の作品。


・ファーストパーソン

 主人公の視点でゲーム内の空間を移動する表示形式。 対になる言葉は主人公が視点の中に収まるサードパーソン(TP)。

 近年ではシューティングやアクションに多いため、FPSという語彙と共にそう言ったジャンルと混同されがちではあるが、テーブルトークRPGの雰囲気を再現しているタイプのゲームにはこの形式のものもある。


・不正改造

 改造とは物事を作りなおす事であり、不正とあるようにその中でも好ましくない部類の改造を指す。何を持って不正とするかは個人の考えや状況に左右されるが、アーリーに関する不正改造は専ら新天寺社との契約に反する改造の事である。

 契約についてはゲームの初回起動時にハード/ソフトを問わず様々な規約が提示され、これに同意しないとアーリーをまともに使用出来ない。不正改造に該当する改造はアーリーの安全性を損なう、情報の機密性保持に悪影響を及ぼす、新天寺社の機密を暴くのに通じるものなど。


・フトコロモンスターズ

 “フトモン”の通称で親しまれ、15年以上に渡って支持され続けているゲーム。おびただしい数のモンスターを集める事を目的とし、子どもから大人までそれぞれの年齢に合わせた楽しみ方の出来る作品。

 基本的なターゲットは子どもながらも、徹底的に戦術面を研究し、神の一手を目指す俗に廃人と呼ばれる人たちも存在するほどに奥と業の深いゲームでもある。


・ボーカロボット

 特定の企業が開発した音声合成技術およびその応用製品、その製品に設定されたキャラクターを指す。一般にはキャラクター達の総称として用いられる事が多い。

 主にニヨニヨ動画を中心に人気に火の付いた技術・キャラクターで、現在はブームこそ去ったものの強力なコンテンツとして安定した需要がある。

 略称は“ボカロ”で、作中では時折ヴォーカロボットという表記揺れがあるが気にしてはいけない。


・某動画サイト

 正式名称ニヨニヨ動画。作中では今年で10年目になる。

 公式にアニメの配信等も行っており、生真面目な地方のオタクにはありがたい存在。




【ま】

・眉毛犬

 小学校に迷い込んだ野良犬が受ける洗礼。

 過去に眉毛の部分だけ剃られた犬を見た事がある。誰だ、あんな手の込んだ事した奴!


・廻音リュカ

 北海道札幌市にあるクリヴトン・フューチャー・メディア株式会社製のボーカロボット。英語に対応している事や、この社としては知名度の高い声優を起用した点が特徴。

 デザイン面ではスリットの深いロングスカートとピンク髪が特徴的なキャラクターであり、春日が彼女を選択肢に加えたのは「脚に自信があるから」だと思われる。


・本橋 春日

 自称正義の味方のコスプレ姉ちゃん。詳細はキャラ紹介にて。


・もやし

 早くはないし、美味いかどうかは人によるが、安さに関しては間違いない家計の味方。

 栽培方法の関係上、日光による殺菌が期待できないから加熱処理はきちんとしよう!!


・モンイー

 フトモンと合わせてアーリーの二大巨頭と言われるゲームであり、“モヒカンイーター”が正式名称。

 一介のモヒカンザコが武装し、経験を積み、研鑽を重ねて格上のモヒカンを食らって特殊能力を得る。そうやってどんどん強くなってゆくゆくは名うての拳法家達をも食らって、無法の世紀末に己が名を轟かせる……というハック&スラッシュなゲーム。




【や】





【ら】

・リハビリ

 作中では目覚めた後の夏芽が受けた治療を指し、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するための手段を意味する。

 絵的に非常に地味であり、なおかつカタルシスを欠くため、これが比較的頻繁に登場するスポーツ漫画等ではその過程が省略される事が多い。

 1年ほど昏睡状態にあった夏芽の場合、筋肉は酷く衰えているためまともに動けるようになるのはかなりの期間のトレーニングを必要とする。

 それを2,3週間で何とかしてしまったというのは色々無茶苦茶な話である。


・ローアングラー

 ローアングルからの撮影には脚を長く見せる、顔を小さく見せるという効果があり、それ自体は本来立派な撮影の技法である。

 が、ローアングラーと称される場合のそれは下着を収める事を目的として下から煽るような撮影を行う者を指す。

 なのでそう言った撮影を行う場合は被写体の同意をきちんと得て、完成したものは必ず相手に見せ、何よりも被写体の魅力を引き出す為に行うよう心がけるべし。


・ロナルド

 ワクドナルドのマスコットキャラ。レッドアフロと真っ白な顔が印象的なの道化。

 夜道で遭遇したら泣く、とさえ言われるほどのインパクトで専らネタ的な意味で大人気。




【わ】

・ワクドナルド

 略称は“ワクド”と“ワック”の二派閥がある。たまに“略さない”という人も。

 ロナルドと呼ばれるマスコットキャラを擁する、ありとあらゆる創作の世界にその名を轟かせる三千世界を制覇したと言っても過言ではない史上最大規模のハンバーガーチェーン店。この作品の世界でも例に漏れず、最大規模のハンバーガーショップとしての不動の地位を獲得している。

 最近では全国どこにでもあるという利点を活かし、ゲームのレアモンスターやアイテムの配付などを行っての客引き兼ゲームの販促を行ったりもしている。特にフトモンとの付き合いは長く、カレンダーなども含めると足かけ十数年になると思われる。


・ワックとワクド

 関西(近畿?)ではワクド、関東ではワック。他には略さない派などが居る。

 但し、関西でも朝ワックは朝ワック。某林檎のOSと区別出来れば何でもいい節がある。




【1】

・10時のシミュレーション

 秋一が目撃することになった核実験のシミュレーションのこと。

 ピークタイムをここより後の時間に設定したということは当然ながらピークにはより重要度の高い実験を行う予定であったはず。

 が、大須 冬彦達の暗躍によって特定エリアのアーリーが外部から隔離され、結果その実験は行われなかったことになるが。


・20ペタフロ

 ペタとはテラに次ぐ国際単位系の接頭辞で、フロップスとはコンピュータの演算能力を表す指標である。

 2011年年現在最高性能のスパコンとされる“京”でさえ9ペタフロップスに満たない。



・26の案件

 本橋 春日の所属する組織で抱える案件のうち、新天寺社に関するものを指す言葉。

 数字自体に意味はなく、ただこの件が舞いこんできた時に他に25個の案件を抱えていたというだけ。




【A】

・Another Region

 作中では大抵“アーリー”と略される新天寺社製の携帯ゲーム機。拡張現実機能に特化しており、現実にゲームのキャラが居るかのような気分を味わえる。また、現実を補強して生活の利便性を高める側面も強く、ゲームをしない人でも所持している。

 この世代のゲーム機としては特に高性能な訳ではないが、その利便性の高さゆえに販売数・普及率は凄まじく、市場規模もバカでかいが故に参入企業は業種を問わず多い。


・ARコード

 ARマーカーと呼ばれるアプリとの併用を前提とするコード。マーカーを起動させた状態でアーリーのカメラ越しにARコードを見るとその上に何かしらの映像が表示されるという代物。

 バーコードやQRコードのようにドットの太さや位置それ自体に意味があり、ドットの組み合わせによってそれらが生成される訳ではなく、あくまでもBボタンを押せばキャラがジャンプするくらいの単純さでマークに対応した映像を表示しているだけ。それ故にスマフォとアーリーのそれの間に互換性が無い事もしばしば。マス数の少ないARコードの場合、他のARマーカーでも何かしらの映像が表示されたりする。

 新天寺社の規格に関しては「どのマーカーを使えば適切な表示が行えるか」という情報が併記されており、必要に応じてニューロンから自動的にインストール、適切なマーカーを起動するため、漫然とカメラでARコードを映すだけで正しい映像が表示される。


・ARシューティング

 AR技術やARならでは映像表示を活かしたシューティングゲーム。 現実の舞台をゲームの戦場にし、身体を動かして敵の背面に回り込むなど、かなり体感型のゲームになっている作品が多い。

 勿論、既存の座ったまま出来るゲームも存在するが、その場合もファーストパーソン形式のものが多く、横シューなどはAR非対応の傾向にある。


・Augmented Reality

 一般にはARと略される事の多い概念。 日本語では拡張現実と訳されるもので、ゲームやネットワーク、アプリ内の情報をカメラ越しの現実の映像に反映させる、或いは現実の映像やその変化をゲームに影響を及ぼすといった機能がこれに該当する。

 たとえばある人物をアーリー越しに見た時、その人物の身長をアーリーが割り出し、表示したとする。この時、肉眼では大体170cm程度と曖昧に受容される情報を、170.8cmと正確に把握する事が可能になる。このように現実をより正確に把握出来るようになるのがARの分かり易い機能の一つと言えよう。

 なお、作中では細かい分類が面倒くさいという理由から現実と仮想の影響が双方向性である“複合現実”(Mixed Reality)、現実世界の情報による仮想世界の強化を指す“拡張仮想感”(Augmented Virtuality)等もARで一括して扱っている。


・Fallout Shelter

 要するに核シェルターのこと。 何故か新世界の地下にこれに相当する施設がある。

 新天寺社のAR機能で表示される≒新天寺社がその情報を把握している。 公表されている施設であれば更に≒新天寺社の施設とはなり得ず、厳密に言えば非公開の施設であってもその施設を建造した組織と新天寺社に接点があるだけの可能性もあるので、≒新天寺社の施設というのは早計。


・GPS

 グローバル・ポジショニング・システムの略。 米国によって運用される衛星測位システムで、受信機と併用する事でその受信機及びそれの使用者の現在位置が分かる。

 もともと軍事目的で打ち上げられた人工衛星を利用したシステムではあるが、カーナビやスマホを筆頭に、民間でも盛んに利用されている。


・H&K P2000

 ドイツの銃器メーカーが同社のH&K USPをベースとして開発した自動拳銃。

 2011年現在、日本の警察で使用されている銃の一つでもある。


・Mjollnir 300

 メーカー不明のスタンバトン。 スタンバトンとは電流の流れる警棒のようなもの。

 通常、人を気絶させるような出力には設定されないのだが、これはその限りではない。


・RUMI

 大阪市に本社を置くソフト制作・開発会社であるウィンターネット社製のボーカロボット。

 デザインはオレンジ色の衣装をまとった緑髪の少女。南半球が眩しいアペンド版も。

 同社のボカロとしては最大のヒット商品で、しっかり調声した時の性能には定評がある。


・SERN

 欧州原子核研究機構の略称。 世界最大規模の素粒子研究所で、正しくはCERN。

 HTML、HTTP、WWWなど、インターネットに関わる重要技術の発祥の地でもあるが、別にインターネットを管理している訳でも何でもない……筈。


・The Watcher

 坂田うめが使用していたアーリーの位置や映像を検索する道具一式。

 アーリーとゴーグル、インカムヘッドセットの3つによって構成される。


・Yuly

 大阪市に本社を置くソフト制作・開発会社であるウィンターネット社製のボーカロボット。

 ボーカロボットを発売する事の宣伝効果を想定して歌手側から企画された製品、らしい。

 デザインは露出度の高い服を着た金髪の女性。太ももや腹部の露出が特に多いためよほどスタイルに自信が無いとコスプレなど出来たものではない。


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