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プロローグ
――眩しい青空。響く笑い声。寂しげな教室。
まるで何ともない日常。響きよく言えば“青春”と言えるような風景。
廊下では麗しき乙女たちがダイエットやらメイクやらの不可解な話に花を咲かせ、
外を見れば土ぼこりにまみれた青年たちが野太い声をあげ部活に打ち込んでいる。
嗚呼、何て美しい日々なのだろう。
ただし、いささか平凡すぎる。
今まで私が生きてきた世界とは比較なんてできないほど、穏やかで緩く、
気を引き締めていなければアイスのようにドロドロになってしまいそうだ。
――そうして彼…眞島和大はまた深いため息をつくのであった。