雨のち晴れ
お日様はすごい
朝起きた時にそこにいるだけで文字通り気分も晴れやかになるし、お散歩にだって行けちゃう!
そんな存在に私もなりたかった。
夢を見ていた。
とてもとても心地よい夢。
※
今日は曇りだ。雨も降りそうだから少し気持ちが落ち込んでいる。メイクも上手くいかない。
「降ってきちゃったね。」
窓を流れる水滴を見る。どこか諦めがついたような私がいる。でも表上は
「えーー、最悪ー」
正直今日は家でゆっくりしたい。だから君が室内のところを探すかって言った時も正直断固拒否だった。そこまでじゃないけど。
「今度の花火大会、一緒に行こうね、、?」
やっぱり誰かを誘うって怖い。不安になる。その不安に反して君は即答してくれた。
「もちろん、そのつもりだよ。」
ほっとした。嬉しかった。そして私は知っている。私が笑うと君はすこーしだけ口角を上げて穏やかな目をして私を見てくれること。目が合うと急いで目線を外すこと。
その日はよく覚えている。酸っぱいシチューを作ったからだ!君は雨の日はカレーだって言ってたけどそんなの初めて聞いた。
2人で作った。試行錯誤しながら作った。
「酸っぱ!」
「でも意外とおいしいな。」
「まぁ、忘れられない味にはなりそう、、」
ふふっと小さく君は微笑む。
「今日は雨が降っちゃって残念だったね。散歩に行こうって言ってたのに。」
「そうだねー、でもシチューを一緒に作れたから楽しかったよ!」
「確かに。」
「あの雲の上だったら晴れなのになー。」
「随分と風情のあることを言うね。」
「思ったことない??あの雲の上に行けたらーって」
「あんまりないかもな。雨の日はどことなく気分が下がって何もやる気が起きない。」
「それ分かる!」
素直に君と同じことを思っていたことが嬉しい。
「んー、でもそっかー、じゃあ私が太陽になってあげるよ!」
絶対間違えた。そう思って慌てて君の顔を見ると少し頬を赤らめて目を見開いていた。目線はすぐに外される。
「十分照らしてくれてるよ。」
嬉しかった。嬉しいと同時に胸が締め付けられた。
私は嘘をついている。君にも私自身にも。
私は太陽なんかにはなれない。私はもうすぐ君から離れなきゃいけない。
「ごめん、ちょっとトイレ行ってくるね」
逃げるようにその場を離れた。溢れ出して止まらなかった。雨が私を包み込む。
※
私は君にとっての太陽であり続けるために雲の上へと向かう。




