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努力が実るとは限らないのです

ナナエルは勉強が好きだ。

それは一つの才能だっただろう。

勉強が嫌いななか、無理をして勉強をするよりずっと良かった。


けれど、ナナエルは天才ではなかった。



そして目の前の彼女も多分ナナエルと同じ努力の人なのだろうとナナエルは思った。


彼女、確かジョエルと言ったはずの彼女は素早く結界を張った。

一か所ほころびとも呼べない魔術の並びの不整合があったのでそっと指で触れて直した。


多分これからする話はナナエルにとっても周りに知られたくはない話なので。


「あなたのお兄さんは本当に侯爵になろうとしているの?」


ぼんくらで有名なというのはもはや言う必要ないと思った。

ナナエルの結界にいとも簡単に忍び込み、そしていろいろなことを何とかする風に言っていた。

それがどこまで可能なのかナナエルには分からないけれど、少なくとも侯爵家内での地位はどうにかしてしまうつもりらしい。


「そうよ! それも突然。

その可能性が無いといえないのはわかってたけど、じゃあ今までの私の努力って一体何だったのってなるじゃない!」


努力。

その言葉がナナエルの心に響いた。


「努力が報われないのは悲しいわよね」


あなたのお兄さんとは、まだ何も始まってないという事よりも先に出てきた言葉がそれだった。


「そもそも、あなたのお兄さんとは昨日一言二言話しただけですし……」

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